トイレトレーニング おまけ編

つまずきやすい所のアドバイスや、教えやすくなるコツです。

トイレに促す合図(コマンド)

トイレを促す合図は、「ワンツー」や「チッチ」などの言葉をかけて、トイレをさせる事です。言葉は何でもよいです。また、生理現象なので、オシッコがたまっていなければ出ません。あくまで”促す合図”なので、しなくても構いません。「今ここでトイレして良いよ」くらいのニュアンスです。

トイレの場所へ誘導するだけでは、なかなか排泄してくれない事も多いです。いきなりケージに入れられても、「出して!!」とピョンピョン跳ねている子はよく見ます。

トイレを促す合図(コマンド)を教えておくと、人が排泄して欲しい時にしやすくなります。トイレトレーニングだけでなく、今後、人がしてほしい時にさせやすくなります。出掛ける前などに促せると良いですね^^

教え方はシンプルです!

①排泄中に覚えさせたい言葉をかける。

犬は行動とその時にかけられた言葉を結び付けて覚えます。なので、例えばオシッコをしている最中に「チッチ」、ウンチをしている時に「ワンツー」と声をかけると、言葉と動作が結びつき、「チッチ」と聞くと、オシッコを連想するようになります。(オシッコとウンチは別の言葉を教えましょう)

繰り返し繰り返し、何度も排泄中に声をかける事で、覚えていきます。ここでの注意点は、”排泄中に”声をかける事です。ケージに入れてひたすら声をかける方法だと、ケージに飛びつく事が「チッチ」だと学習したり、別の事と結びついてしまいます。最初は、オシッコが出ている最中に声をかけましょう。

※声をかけるとオシッコをやめてしまう、という子は、気にしない程度の小さい声で言ったり、オシッコをし終わったタイミングで「チッチ!良い子だね」などと声をかけてあげてください。

②排泄していない時に声をかけてみる(覚えているか確認する)

①をある程度続けたら、トイレに連れて行ったときに、オシッコをし始める前に「チッチ(オシッコの言葉)」と声をかけてみます。

声に反応してくるくる回るなど、トイレのモーションに入ったら、覚えてきています。(覚えている場合でもオシッコがたまってないと、トイレのモーションだけして止まったりします)

何も反応しない場合は、まだ覚えていないので、①をまた繰り返します。

覚えるまで、①をしばらく行い、たまに確認してみる、を繰り返します。

犬によって、1週間くらいで覚える子もいれば、2,3ヶ月経っても反応が悪い子もいます。覚えが遅い子もいます。焦らずに続けてみてください。

トイレの瞬間を見られない

気づいたらオシッコをしているので褒める事も止める事も出来ない。という相談が意外とあります。上記のトイレの合図も、排泄中に見られなければ声掛けを出来ません。

クレートの活用

ずっと見ているのが唯一の方法ではありますが、ケージやクレートをうまく使ってトイレのタイミングを人が見ている時になるようコントロールする方法もあります。

クレートを使う場合は、休ませる時(1~2時間のお昼寝など)にケージではなくクレートに入れて休ませます。クレートのようにジャストサイズのスペースではトイレをしにくく、クレートから出す時にトイレ(ケージ)へ連れていくと、オシッコをしやすくなります。

これは、私が犬の保育園で働いていた時のワンコ達のサイクルでもあります。大抵の子はクレートで登園し、着いたらまずトイレケージへ連れていき、トイレをしたら順次フリータイムやトレーニングを始めます。お昼休みも一旦みんなクレートで休憩し、午後に皆を出す時も、順番にトイレに連れていきます。

クレートが可哀想と言う方もいらっしゃるのですが、体の大きさに丁度良いスペースは、むしろ犬にとって安心して眠れる最高の場所です。小さいころからクレートで休む習慣をつけておきましょう。

お散歩中のトイレ

散歩中の排泄は、人も一緒に歩いているわけですから、室内よりも確実に排泄の瞬間を見る事が出来ます。

トイレのコマンドも、外での排泄中に言葉をかけて覚えさせられます。さらにオシッコをしやすい場所が分かっていれば、その場所の手前で「チッチ」と声をかけてからオシッコをさせる事で、コマンドを覚えやすくなります。

ケージに戻したい時に抱っこが出来ない(逃げる、嫌がる)

ハウスを覚えていれば抱っこの必要がありませんが、どうしても最初は抱っこの必要がありますね。

オイデは使わない!!

抱っこやハウスで逃げる気配がある子は、「オイデ」と言われてホイホイ来たりしません。犬を人の方へ来させるのではなく、人が犬の方へ迎えに行ってあげましょう。

嫌がりにくい抱っこの仕方

犬は捕まる事を本能的に嫌います(動物なら当たり前ですね)。また、抱き上げてからの高い景色が苦手な子もいますし、抱っこの姿勢やぎゅっと強く捕まえられるのが嫌な子もいます。抱っこに慣らすつもりで優しく接していきましょう。

①ゆっくり優しく持ち上げる

いきなり両手をガっと出されると怖いです。まずは片手で背中などを撫で、この時点で逃げなければ、反対の手も添えます。両手で触っても逃げなければ、ゆっくり持ち上げてあげましょう。手だけで持ち上げると不安定で嫌がりやすいので、人の体にくっつけるように抱いてあげると安心しやすいです。ただし、逃げない様にとぎゅっと力を入れすぎない事。その痛みで逃げようとしてしまいますよ。

②フードを使う

片手を伸ばしても逃げる子の場合は、まずフードを手からあげ、その間に反対の手をおなかの下に入れて、ゆっくり持ち上げます。フードは何粒か持っておき、食べ続けさせながら行うと、逃げにくいです。

抱っこをする時に、「抱っこしますよ~」など優しく声をかけながら持ち上げると、犬も心の準備が出来て大人しく抱っこされやすくなったり、人も優しく扱うようになるのでオススメです。

③逃げ場のない所で抱っこする

広い部屋のど真ん中で抱っこしようとすると、逃げ回って追いかけっこになりがちです。この場合は、ゆっくり動いてどこか壁の方(狭い所)へ誘導し、逃げ場がなくなったところで、①か②の方法でゆっくり抱き上げます。柵やクッション、ごみ箱など、その辺にあるものをうまく使い、逃げ道をふさいで一方向に向かわせます。※追いかけっこが好きな子は、人が追いかけなければ、犬の方から戻ってくるでしょう。

④リードをつけておく

逃げ足が速い子は、③でも対応できません。室内でもリードをつけておき、いざという時にすぐ捕まえやすくします。何なら、人が常にリードを持っていても良いです。

室内でリードをつけておく場合は、散歩用とは別の物を用意します。長いものだと、家具などに引っ掛かりやすいので、切ったり短く結んだりして長さを調整すると良いです。私は100円ショップに売っているリードをよく使います。

抱っこの基本は①、②です。①、②のやり方で抱っこに慣らしていく事で、③や④は必要なくなってきます。

ケージへの良いイメージをつける

①ケージにフードを投げ入れる

抱っこをした時、毎回ケージ(不快な場合)に入れていると、抱っこ=ケージに入れられる=嫌な事となっていきます。ケージへの不快感を減らすことも大事です。

ハウストレーニングと被りますが、トイレのために戻したい時は、ケージの扉を閉めなければいけませんね。なので、ケージに入る時に1粒あげ、ケージの扉を閉めた後にさらに1粒あげる事で、「ケージに入れられた!扉を閉められた!」という不快感を少しでも減らすようにします。1粒と言わずに2,3粒あげたり、おやつなどより好きな物をあげるのも良いです。

②食事はケージ内で食べさせる

ケージに入れるのが、留守番や夜寝る時、人がかまってくれない時だけなら、やはりつまらない場所になります。

食事する場所は良いイメージが付きやすいです。せっかくなら、ケージ内でも良い事があるようにしましょう。

なかなか自分からケージに入ってくれない

ハウストレーニングをして、人が指示を出せば入るけど、言わないと全く入らないという子もいます。

ケージに入る動機を作る

・給水器・水飲み場をケージ内に設置する

・フードをケージ内に隠しておく

遊んでいる最中に喉が乾いたら水を飲みに戻りますね。フードは、最初は目の前でケージの中に置き、食べさせます。何度か繰り返した後、見てないうちにケージ内にフードを入れると、「またフードないかな?」と探しに入りやすくなります。

トイレのためでなくても、ケージに入るきっかけがあれば、そのついでにトイレが目に入り、排泄してくれる可能性が高くなります。

まとめ

・排泄中にトイレのコマンドをかけて、コマンドを覚えさせる

・クレートの利用や散歩で排泄の瞬間を見られるようにする

・抱っこは嫌がらないように優しく

・抱っこを逃げやすい子はリードも使ってつかまえやすくする

・フードなどでケージに良いイメージをつける

トイレトレーニングは生理現象をコントロールしようとしているわけですから、とても難しいです。

生活環境や、犬のトイレのこだわり、認識の仕方により、アプローチの仕方は様々です。

他にもアプローチの方法はありますが、細かくなってくるので、詳しく知りたい方はぜひトレーニングを受けてください。

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