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心理系大学院に行くまでの勉強

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2021年12月の記事一覧

心理系大学院に行くまでの勉強

オーストリア出身の精神科医、神経学者のフロイトは無意識に着目した。
無意識とは自分が把握していない意識のことである。フロイトが活躍していた時代には自分が考えたり行動したりすることは全て自分で把握し調整していると考えられた。そのためフロイトの考え方は画期的であり、異端だった。
無意識の構造を理解するためにフロイトは、心は「エス」「自我」「超自我」という3つの領域でなりたっているという仮説を立てた。ま

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心理系大学院に行くまでの勉強

心の病を扱う「精神医学」が医学の一分野になったのは19世紀に入ってからだ。古代では心の病は悪霊や神など宗教的なものが原因だとされた。古代ギリシャの医師ヒポクラテスはそれを否定したが、中世に至っても心の病を信仰と結びつける傾向は強かった。17世紀に入って心の病を医学的な観点から捉える動きがみられ、また患者を施設に収容するようになったが薬の開発はまだなく、決定的な治療法はなかった。19世紀になると心の

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心理系大学院に行くまでの勉強

ドイツ出身のアメリカ人心理学者、クルト・レヴィンは人の考え方や行動が他者との関係性や個人わ取り巻く集団などに影響されることに注目した。現実の社会での人の心の働きを正しく理解するには他者や周辺環境との関係が重要だと考えた。
こうして人間関係に注目して心の仕組みを考える「社会心理学」が生まれた。社会心理学はゲシュタルト心理学の考え方を受け継いでいる。ゲシュタルト心理学では人間の知覚は要素の単純な合計で

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心理系大学院に行くまでの勉強

1950年代、コンピュータの発展に伴い、新しい考え方の心理学が誕生した。人の体を「装置」と捉え、人の心をそうした装置に備わったソフトウェアだと考える「認知心理学」だ。たとえばコンピュータで計算を行う時には電卓などのアプリケーション(ソフトウェア)を起動し、計算に必要な数値を入力する。数値を正しく入力すると、あとはプログラムにしたがって自動で計算が行われる。
認知心理学ではコンピュータと同じように、

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心理系大学院に行くまでの勉強

アメリカで行動主義の心理学が盛んになった頃、ドイツでも心理学の新しい諸流が生まれた。ゲシュタルト心理学である。ゲシュタルト心理学はヴントの構成主義への反論として20世紀初頭に登場した。
構成主義は、心の働きは多くの要素が足し合わされたものだと考えたが、一方でゲシュタルトとはドイツ語で「かたち」という意味であり、かたちの知覚をはじめとするさまざまな心の働きは要素の単純な合成では説明がつかず、要素の置

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