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心理系大学院に行くまでの勉強

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2021年5月の記事一覧

心理系大学院に行くまでの勉強

スキーマ
伝言ゲームの過程で、情報が変化することはよく知られている。バートレットはこうした情報の変化は、個人の過去の経験が関与していることを見出し、これをスキーマと名付けた。
バートレットのスキーマの実験
バートレットはリレー形式で絵や文章を次の人に伝えるという実験を行い、伝える過程で情報の単純化や合理化などの変化が発生することに注目した。
人間の記憶や認識は、正確ではなく、多分にスキーマに左右さ

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私達は、経験したことを正確に記憶することを求めてはいないとシャクターは考えます。記憶の機能があまりにも正確だったら、情報量の多さに圧倒され、混乱に陥るからである。私達の記憶システムは正しく機能するために「うまく忘れる」など、複雑な働きをする。この複雑はさな機能の代償として、物忘れ、妨害など、記憶の7つのエラーが私達を悩ませることになる。
❶物忘れ…古い記憶は時間と共に曖昧になる
❷不注意…何かに気

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ロフタスは幼児期に親に虐待されたと訴える人の記憶の中に虚偽記憶が含まれている可能性があると考えた。それを証明するためにロフタスは、被験者に虚偽記憶を意図的に植え込む「ショッピングモールの迷子」という実験を試みた。この実験は人の記憶の曖昧さを人々に提示した。記憶はその後の経験、思考や感情、そして誘導尋問などによって歪められてしまうことがある。この事実は、事件の目撃証言の信頼性に大きな疑問を投げかけた

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長期記憶のすべてが「事実」とは限らない。ロフタスは冤罪事件の多くは目撃者の誤った記憶が原因で発生することに注目した。実際には起こっていない出来事が事実として記憶されてしまうことを虚偽記憶(過誤記憶)という。虚偽記憶は、その後の経験、感情、思考、あるいは誘導尋問などによって容易に形成されてしまう。

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手続き記憶、宣言的記憶
長期記憶の貯蔵庫に入った記憶は、長期間そこに留まり、必要に応じて取り出される。長期記憶のうち、自転車の乗り方やハサミの使い方など、身体が覚えている記憶のことを手続き記憶、物事に対する知識(意味記憶)や個人的なおもいで(エピソード記憶)など、言語やイメージで言い表すことのできる記憶を宣言的記憶という。

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カクテルパーティ効果
さまざまな会話がなされるパーティの中で私たちはひとつの声のトーンに周波数を合わせることで、ひとつの会話のだけを聞き取っている。ところが別の会話の中から、自分にとって重要な言葉が聞こえると、自動的に(無意識的に)そちらに注意が切り替わることがわかっている。カクテルパーティ効果と呼ばれるこの事実は、フィルター理論を裏付けている。ただし、注意を向けた音より遥かに大きい音は、注意して

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フィルター理論
目や未来目などから受け取った情報は脳内にあるフィルターを通過したものだけが認知されると言う説をフィルター理論という。フィルターは複数あり、注意を向けることによって特定のフィルターが選択される。そして選択されたフィルターを通過した情報の流れだけがボトルネックに送られ、処理される。

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ボトルネックモデル
パイロットは飛行機の操縦をしながらヘッドフォンからの指示を聞いたり計器類を見たりとさまざまなな情報を一度に処理しているように見える。ところご元空軍のパイロットであったブロードベントは、人間は同時に2つのことは処理できないと主張した。彼は人間の脳には情報の取捨選択をするためのボトルネック(細い道)があると想定した。これをボトルネックモデルという。

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チャンク
マジカルナンバー7の7は7チャンクのことを指している。チャンクとは人間が記憶する際に、「情報のまとまり」として取り扱うことができる心理学的な単位をいう。A・P・P・L・Eとアルファベット5文字で知覚すると5チャンクななるが、APPLEと1つのまとまりとして認識すれば1チャンクとなる。チャンクをうまく利用すれば記憶量を増やしていくことが出来る。

心理系大学院にいくまでの勉強

マジカルナンバー7の7は7チャンクを指す。チャンクとは人間が記憶する際に「情報のまとまり」として取り扱うことができる心理学的な単位。
記憶の貯蔵庫には感覚記憶、短期記憶、長期記憶の3つがある。このうち長期記憶は保存期間も容量も膨大だとされているが、短期記憶は保存期間や容量に限度がある。ミラーは短期記憶の容量は例えば数字だと7(±2)だと主張し、これをマジカルナンバー7と呼んだ。