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ドギーマンvsわたし

体調が悪くて仕事を休んでいます。
全身がだるい。関節という関節がきしきしする。
喉の奥には何かがひっかかっている気がするし、常にうっすら頭が痛い。
昨日はなかった熱が今日出てきて、指先は熱いのになんだか全身がぞみぞみします。
完全に風邪ですね。寒暖差にやられました。
北海道は20度超えの日と10度台前半の日とがぐちゃぐちゃに混ざり、体がバグっています。

できることなら何もせず寝ていたいのですが、トイレに行くのを夫に代わってもらうことはできないし、何も食べずにいるのも身体によくなさそうだし、と何だかんだちょこちょこ起き上がって活動しています。
なにかするたびに、寝室に帰り着く前にリビングのソファーでひとやすみするのですが、そのつど、愛犬が膝の上にのってきます。
平日にわたしが家にいることがまずないので、完全に珍客扱い。
遊べ攻撃が今はとんでもなくしんどい。
なでなでして適当にいなしていると、しびれを切らしてひとりがふごふご言い出し、それを聞いたもうひとりが何故かキレてふごふご言ってるほうを攻撃しだします。

なぜわたしのふとももの上を決戦の舞台に選ぶのか。
関節、痛いんよ。
鼠径部からと膝からとの痛みがダブルで伝わってきて、ふともも、瀕死なんよ。
やるなら降りてやってくれ。

「いも柄の服着てるからじゃない?  いもを横取りされたって思ってキレているんだよ。いもをめぐる仁義なき戦いなんだよ、これは」

なんてことを今日からの3日間も休暇をとっている夫は言いますが、いも柄を犬が見分けられるかというと甚だ疑問です。
だいいち、わたしがいも柄だろうがカニ柄だろうが寿司柄だろうが、まったく関係なくわたしのふとももの上でやり合うのだから。

夫はドギーマンの干しいもをちらつかせ、決闘する犬たちに声をかけます。

「もね、ぷっか。いも食べる?」

さっきまでわたしのふとももの上でお互いに牽制しあったり、マウントをとりあったりしていた女子ふたりは、その言葉に反応し、すぐさま夫の元へと駆けていきます。
ちょこんと大人しく座って夫を……否、ドギーマンのパッケージを見つめています。
さっきまで醜い争いを繰り広げていたことなんか、なかったかのような振る舞い。
キラキラ、くりくりした可愛いおめめでドギーマンに熱い視線を送っているのです。
おぢから有りいも全て絞りとる、そんな気概を感じます。いただきパグもねぷかちゃん、といった風情。
現金なヤツらめ。

平日にわたしが家にいることよりも、いつも家にいる夫が与えるいもの方がありがたいのでしょう。
ソファーからノロノロと立ち上がって寝室に引っこもうとするわたしに、いただきパグもねぷかちゃんは視線を向けることなく、干しいもをくちゃくちゃしていました。

わたしはしょせんドギーマンに負ける女。

すねながら布団にもぐり込むと、まどろみがすぐにやってきます。
意識が途切れる寸前、遠くの方から、「まだ食べる?まだ食べるの?母ちゃんにはナイショだよ」という10連休特有の浮かれた声が聞こえてきてちょっとだけイライラしました。
今度ホーミーで抗議してやろうと思いながら、わたしは今日何度目かの浅い眠りに沈んでいきました。


参加しています。41日め。


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