2019年電子チケット関連の実証実験事例まとめ
前回(2019年中国のライブ・エンタテインメント市場動向)に引き続き、全くユーザー観点で言うと興味を持てなそうなテーマで大変恐縮です。
日本ではまだ電子チケット比率が決して高く無い、自分自身もしょっちゅう紙のチケットをコンビニで発券しているな、という実感があります。
ただ、正直に言うと、紙のチケットは無くしそうですし、そもそもコンビニまで行って発券するの手間ですし(発券手数料も掛かるし)、電子チケットがもう少し普及してくれればいいなと思うことはあります。
e+のスマチケには結構お世話になっていますが、国内ではまだまだ普及している実感が足りないですね。
チケット x テクノロジー の文脈で言えば、「オンライン購入」はほぼ出来上がった感があります。
元々データだけですし、消費者側が受け入れるか否かの観点だけで、企業側としては取り組み易かったこともあってか、かなりオンライン販売比率が高いです。
ただ、全体としてはJリーグやプロ野球の当日券チケットは窓口で買ってしまう方も多いので、実感値ほどの数字にはならないかもしれませんが。
チケット x テクノロジー
電子チケットが1つのテーマですが、それだけというよりはイベントを起点にした前後・周辺の体験まで含めてパッケージングする試みが増えています。
もう1つの文脈は多言語対応で、「日本円自体を持たない」「日本語が話せない」人達に対して決済・移動・周辺情報を1つのアプリで提供するのが便利だよね、というのは納得感があります。
(納得感はありますが、自分自身はパッケージ旅行は苦手で、自分で歩きたい派ですね)
電子チケット・ライブという文脈は、PCやスマホの画面や音だけじゃ出来ない『体験』をいかにスムーズに作るか。というのが大きなテーマであると考えています。
この文脈の中で言えば、これらの実証実験はその最初の一歩と言えるでしょう。
1. みずほ銀行 / 早稲田大学
2019年9月に合同で、早稲田大学のラグビー部の試合の中で、アプリサービスを提供する実証実験が行われました。
スマートスタジアム構想を掲げ、先端技術を活用することで、スタジアムと観客のつながりを構築し、新しい観戦体験を創出する構想です。
例えば、座席からの食べ物注文やキャッシュレス決済、観客のスマホへの映像配信などが挙げられます。
https://www.mizuhobank.co.jp/release/pdf/20190913release_jp.pdf
2. 富士通 / 川崎フロンターレ
2019年12月に富士通と川崎フロンターレが合同で、チケット転売サイトなどに流通するチケット転売情報を収集・分析する実証実験を行いました。
RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の実証実験という色合いが強いですが、転売サイトでの販売状況などを自動で分析するという取り組みだったようです。
RPA自体はここ最近、必要性が疑問視されている所なので、今後どうなっていくかは不透明なところもあります。
https://cloud.watch.impress.co.jp/docs/news/1223174.html
3. ジョルダン / 豊田市
2019年8月から10月にかけて、ジョルダンと豊田市が合同で行いました。
ラグビーW杯に合わせて、多言語に対応したアプリで、企画きっぷを購入し、そのままバス・飲食店・観光施設での利用が可能だったようです。
オペレーションの手間や案内、両替などを考えると、街単位で行うと利便性が大きく上がる事例かもしれません。
https://ligare.news/story/toyotashi-jorudan-maas/
4. NTTデータ・近畿日本ツーリスト / 福岡市
こちらもラグビーW杯の期間に福岡で実施されたものです。福岡市の後援でNTTデータ、近畿日本ツーリストなどが合同で行いました。
宿泊予約者にデジタルチケット(2,000円分)を販売。地元で人気のお店が企画したお得な特別メニュー(各1,000円)を提供し、
Web閲覧履歴や来店履歴から人気の行動パターンを分析、的確なお店をレコメンドするものだったようです。
https://www.nttdata.com/jp/ja/news/release/2019/100200/
http://www.knt.co.jp/kouhou/news/19/no025.html
5. FITCO / アビスパ福岡
2019年11月、FITCO(福岡市ITコンソーシアム)とアビスパ福岡が合同で行いました。
指紋認証による入場と、試合観戦中のスマホでの飲食注文と出来たらSMSに通知が来るというものだったようです。
ECサイトで出来る仕組みですが、屋台へのスマホ注文、中々広がらないですよね。
http://www.fitco.jp/2019/11/27/avispa/
6. 日本ユニシス / 喜多方市
2019年2月から3月に掛けて、日本ユニシスと会津喜多方グローバル倶楽部が喜多方市で行いました。
ブロックチェーン技術を活用した電子バウチャー(電子商品チケット)販売サービスという内容です。
一点だけ他のものと違うのは、「利用者間での譲渡・交換による利用者拡大」という部分です。
https://www.unisys.co.jp/news/info_190128_kitakatabc2.pdf
チケフェスについて
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