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2019年中国のライブ・エンタテインメント市場動向

デジタルチケットの優位性に注目が集まる

中国では、人気のコンサートのチケットが何回も転売された結果、数百元から数千元まで高騰することは珍しくないです。

コンサートが多くのファンにとって人気があればあるほど、ダフ屋達は狂気的になります。数日前、あるファンは彼のアイドルの原価1080元(約1.7万円)のコンサートチケットがダフ屋の価格操作によって、15,000元以上(約23.5万円)に高騰してしまったことを公表しました。

「高額チケットが頻繁にでることが、観衆の利益を大きく損害します。」

と彼は嘆いていました。

このような背景から、ダフ屋を防ぐ方法は、常に業界の関心事となっています。

2019年1月1日、中国・証券デイリーによれば、 Damai.com(※)がチケット販売を担い、開催された張信哲(ジェフ・チャン)のコンサートにおいて100%電子チケットによるペーパーレス入場を達成したことを分かりました。

Damai.comの責任者であるTeng Yang氏は、「証券デイリー」のインタビューで、動的なバーコードを暗号化することにより、電子チケットは効果的に偽チケットを防止できると述べました。「チケットの紛失」の発生にも対処できます。

「コンサートのような多くの人が集まる特殊な環境下でも、電子チケットなら速やかに入場をさせることができます。またデジタル化された電子チケットに記録する情報量も無限に増やすことができます。」

※ 中国最大のイベントチケットプラットフォームの1つで2017年3月にAlibabaが完全買収

1. ライブ・エンタテインメント市場の混乱は解決されようとしている

人々の生活水準の向上に伴い、中国のライブ市場の規模は年々に拡大を続けています。中国ライブ産業協会が2019年11月に発表した「2018年中国ライブ市場年次報告書」によると、中国のライブ市場の全体的な経済規模は2018年に514.11億元(約8,079億円)に達し、前年より5.03%増加しました。コンサートマーケットには大きな魅力があります。

※ 日本のライブエンターテイメント市場は、2018年で5,862億円(前年比13.8%増) 参考:ぴあ総研

しかし、市場が興隆していると同時に問題も顕在化してきています。多くの観衆にとって、チケットを購入できなっかたり、偽造チケットを購入してしまったり、高値でチケットを購入するという状況は、ライブ観戦の体験を損なうにする重要な要素になりつつあります。あるファンは人気のコンサートのチケットは基本的に「数秒で売り切れで、本当に見たいなら、ダフ屋から数倍の価格でチケットを入手するしかない」と言います。

2019年12月、中国・文化観光省は、「ライブ・エンタテインメントマーケット管理を更に強化に関する文化観光省の通知(協議案)」を発表しました。この中では、オープンで透明なチケット保管を促進するための、全国統一ライブ・エンタテインメントチケット管理サービスプラットフォームの確立を検討することを提案しています。また、チケットフローの監視を強化し、情報ネットワークテクノロジーを十分に運用することで、リアルタイムでチケットフローを追いかけ、チケットの公正な取引を促進することを提案しました。

あるアナリストは、ダフ屋がライブ市場で一連の混乱を引き起こす原因は、大量のチケットを取得し、儲けるために高価で販売する方法があると言います。彼の見解では、動的バーコードのリアルタイム更新機能により、電子チケットは販売元から大量のチケットを購入する可能性を下げることができます。

「20代、30代の人達が段々とライブエンターテイメントにおける主要な消費者になってきました。モバイルインターネットの普及に伴い、航空券、高速鉄道チケットなど、多くの分野でペーパーレスが実現されています。電子チケットはもう目新しい事ではないんのです。」とアナリストは、コンサートにペーパーレスチケットを利用することも、業界のトレンドの1つであるに違いないと述べました。

Teng Yang氏は、他のシーンと比較して、「コンサートはこの業界の中でも最大の難題になっています」と述べました。Damai.comのペーパーレスプロジェクトの責任者であるGao Chu氏も、証券デイリーに対して、コンサートのペーパーレス化がライブ業界で最も複雑な部分であると語りました。

「コンサートには、現場でのセキュリティに対する高い需要だけでなく、人の流れのピークのコントロール、現場のガイド、チケットの真偽などの問題も含まれます。大規模なコンサートのペーパーレスは、業界の現場能力の『頂点』です。」

2. 電子チケットには複数の利点が

Teng Yang氏は「将来、大規模なペーパーレス化が実現されると、ユーザーにとって、より便利になり、チケットの検索、交換、流通がより安全になります。大規模なライブのペーパーレス化は、偽チケットを完全に撲滅することが可能です。」言います。

偽チケットの問題を解決することに加えて、紙チケットを紛失すると、ゴミ捨て場でチケットを探しをする羽目になるという問題もあります。昨年8月、上海のシンさんは誤って2枚のコンサートチケットを捨ててしまい、夫と一緒にゴミ捨て場でチケットを探すことになりました。結局、3トンのゴミからチケットを探し出すために3時間を費やしました。

またあるファンは公演を見るために北京から成都へ行ったが(飛行機で約6時間の距離がある)、飛行機が着陸した後、チケットを北京の家に忘れたことに気づき、同じ日に、チケットを持ってくれる北京から成都へ行く友人を必死に探すしかありませんでした。電子チケットの応用は、間違いなくこのジレンマを解決できます。

「紙チケットの欠点は、大規模な紙チケットの流通、券売機、および発券スタッフが必要になることです。これはコストがかかります。」

電子チケットであればチケットごとに、購入、転売などの活動が追跡および記録され、大量の複数の転売などの異常が発生した場合、当局はすぐに介入できます。

「デジタル化の後、チケットの転送はリアルタイムになります。会場が変更された場合、払い戻しもリアルタイムでスマートになります。同時に、タクシー、周辺サービスなどの一連のコンテンツを含むユーザー向けのガイダンスをオンラインで提供することができます。さらに、大規模なコンサートの3万枚のチケットは100本の木に相当し、ペーパーレス化による環境の保全も実現できます。」Gao Chu氏はこう語りました。

実際、ライブマーケットでのペーパーレスチケットは数年前に開始されましたが、通常入場は紙チケット+電子チケットの形となります。張信哲(ジェフ・チャン)のコンサートがペーパーレスの入場を達成したのは業界初めてです。

これに関して、Gao Chu氏は次のように述べました。「実際、私たちが実現したいのは、よりオープンな業界エコロジーであり、統一された業界電子チケット標準をデジタルで促進することです。」彼は、将来、業界はアリババシステム内、およびパートナーと主催者の間の協力を通じて前進すると述べました。

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