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人魚姫に憧れていた

すごく幼い頃はシンデレラや白雪姫のハッピーエンドに憧れていたけれど、小学校中学年になる頃にはもう人魚姫に憧れていた。

ハッピーエンドってきっと世の中にはないんだろうな、と思っていた。

それならば、好きな人のために散ったほうがいいのではないかと漠然と思っていた。

私は小さい頃から陰キャの中の陽キャな立ち位置で、ガリガリで、ブスでもあった。

だから、私の恋なんていうものはきっと叶わなかったりするんだろうな、と想像していた。

私が自分の容姿に自信を持ったのは高校の頃だ。
それまでずっと人魚姫になるんだ、と思っていた。

私はおそらく人を深く愛したことがない。
愛情はある。
今こんなDVでモラハラがひどい相方にすら、愛情はあると断言できる。

でもそれは相手のための愛情でもないし、深い自己犠牲の愛情でもない。

今は人魚姫から卒業している。

私は、幸せに、なる。

幸せはこの手で掴み取る。
そのための努力はしている。

私が今人魚姫だったら、自分が死ぬのでも王子を殺すのでもなく、王子の相手を刺すだろう。

私は人間の足を手に入れつつある。

私は、幸せになる。

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