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CRISPR-Cas9が開いた遺伝子操作のパンドラの箱

生物に詳しくない私が驚嘆した技術としてCRISPER-Cas9(クリスパーキャスナイン)がある。
つい5年ほど前に彗星のように現れて業界のトレンドを席巻したといえば
コンピュータ業界のディープラーニングに通ずるところがある。

CRISPERが何かをざっくりいうとDNAを書き換えるツールで、
誰もが簡単に使えて、安価で、成功率も格段に上がったというのがイノベーションなのだ。
これまでその手のことをやろうとするとウイルスや放射線を使ったりで、
望みの改変が起こることを期待した。
設備を準備するのも大変だし、当てずっぽうのストラックアウトである。

それがCRISPERならまるでエディタの検索、削除、挿入を行うかのごとく
高精度でDNAの編集ができる。
これはマウス実験ならほんの少数のマウスで以前と同じ成果があげられることを意味する。
浮いた時間や労力は試行錯誤のイテレーションに回されることで進歩が加速することが予想される。
応用範囲も影響力も莫大なため将来のノーベル賞は確実とされる。

CRISPERのヤバい応用例

ヒトへの応用。ハイパーヒューマン。遺伝子ドーピング。
スポーツの分野ではいよいよこれが現実のものになってきた。

野生の生物集団へのゲノム拡散
CRISPERによって特定の遺伝子を書き換える機構自体を埋め込む。
コンパイラにバックドアを埋め込む話に似ているかもしれない。
これによって通常は最大でも3/4しかない子への遺伝率が100%になる。
たとえば書き換える内容が個体をオスにするというものだったら、
その集団はやがてオスしか生まれなくなって絶滅する。
マラリアを媒介する蚊の撲滅が計画されているらしいが、
こっそり危険な遺伝子を外界の生物に埋め込むこともできるので、
どう考えても核兵器級の危険度があることは間違いない。

絶滅動物の復元
剥製が残ってるレベルだと容易い。
そうでなくても系統樹からの推測でなんとか……
リョコウバトとかマンモスなんかもいけるかも。
うなぎも将来の候補に入っているかもしれないw。
これも半分新生物創造に近いので怖いという感覚しかない。

技術の進歩は止められないし、今後どういう方向に進むのかはわからない。
SFの世界だったことが1つ手の届くところに来たことは間違いない。


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