[将棋]ソフトの序盤と中盤の現状

今の将棋ソフトって強いですよね。
序盤・中盤・終盤スキがないよね。

ですが、ソフトが満遍なく強くなってきたかというとそうではない。
極端に書くとこういう現状だ。
「序盤?悪くならないように指しとけばいいんだよ、オレ中盤強いから」
「終盤?中盤で中押し勝ちにするから終盤適当でも勝てるよ」
なぜこうなるかというと対局に勝つことを目的としたとき
中盤以外を強くしようというインセンティブは働かないからだ。
だが将棋の真理を追求しようとする研究者には物足りなく感じてしまう。

確かに中盤は強いよ。プロが手も足も出ないほどの強さを得た。
三駒評価関数の勝利とも言える。
NNUEという新たな技術も登場した。
しばらくはさらなる強さを求めることができるだろう。

では序盤はどうであろうか。
平手の初期局面からの定跡ツリーの研究は
「やねうら大定跡」や「まふ定跡」などによって進んではいるものの、
将棋の膨大な局面数からすると僅かでしかない。
定跡を抜けた先……
序盤と中盤の繋ぎ目部分をどう歩むかの知識を未だ我々は持たない。

将棋は悪手の山を歩くようなものだとはよく言われている。
大小いろんな穴が空いた道を駆け抜ける競争を想像しよう。
穴とはソフトの読みを越えた(神様)視点での悪手のことだ。
将棋では戦型によって穴の空き具合が異なるというのは一つの仮説だ。
対抗形では振り飛車側だけ穴が多いので勝率が悪くなるんだ、と。
もちろんその穴が神様なら回避できるのか、
回避できないのかも不明である。

終盤についてはまたいずれ。

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