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多彩なトッププレーヤー集団。人の力でアイデアの実現を支援 【支援事業者インタビュー #6 株式会社quantum】

TIB STUDIO事務局がお届けする支援事業者インタビューシリーズの第6弾。
TIB STUDIOに参画する16社のスタートアップスタジオ事業者を紹介します。各社が持つ独自の強みを紐解きつつ、メンターの方の考え方やバックグランドについてもお伺いしていきます!
第6弾は、株式会社quantumの田中さんにお話を伺いました!

田中 正太郎 氏
株式会社quantum One Studio部 Venture Archtect
山形県酒田市出身 新卒から約14年、経営コンサルティング業界で大企業のフロント業務の戦略立案など支援に従事。その後ベンチャー企業でWebサービスの事業立ち上げやAIの企画開発を経験。
quantumでは新規事業開発を幅広く支援するだけでなく、組織がイノベーションを推進するための戦略立案から組織開発や仕組み作りをハンズオンで支援している。


ー最初に、田中さんの経歴を教えてください。

田中:新卒でアクセンチュア株式会社に入社し、業務改革やシステム開発のプロジェクト管理をしていました。そして、コンサルティングの経験を積んだ後、デロイト トーマツ コンサルティング合同会社に転職。新規事業開発や市場動向に応じた戦略立案をしていました。

そこで新規事業に携わる中、コンサルティングではなく自分もやってみたいと思うようになったんですね。そんな時、もともと知り合いだった株式会社コミクス(以下、コミクス)の社長から「今伸びているSaaSベンダー向けのサービスを作りたい」とお話をいただきまして。副業のような形で関わりながら、社長と一緒に事業を作り上げていったんです。

そしてそのままコミクスに転職して、「kyozon.」というサービスを立ち上げ、事業開発責任者を務めました。当時は設立10年ほどのベンチャー企業だったのですが、事業を作るという観点では0→1の世界だったので、交渉から実証、最初のお客さんを捕まえてマネタイズするところまで、スタートアップと同じような事業の作り方を経験しました。

その後、HEROZ株式会社に転職。AIの力を使い、お客様に合わせた課題解決の提案や、パッケージの売り出しをしている会社で、BtoB向けのAI導入の企画やコンサルティング、プロジェクト管理などをしていましたそして、2022年の10月に株式会社quantum(以下、quantum)にジョインしました。

ーquantumさんにはどのような経緯でジョインされたのですか?

田中:包み隠さず言うと、Wantedlyで偶然見かけて、面白そうだと思ったのがきっかけでした。quantumに出会うまで「スタートアップスタジオ」という存在を知らなかったんです。それまでは個人でスタートアップのお手伝いをしていたのですが、その経験をスタートアップスタジオという枠組みの中で生かせるのではないかと感じました。

また、「kyozon.」の事業開発の経験もあり、やっぱり自分で事業を作りたいという思いをずっと持っているんです。仕事の延長線上で事業開発ができる機会があるのも魅力的に思い、転職を決めました。

ーquantumさんの事業や支援について教えてください。

田中:私たちは、支援における2つの軸があります。1つ目は大企業の新規事業開発です。quantumが博報堂グループの本格的なスタートアップ・スタジオなこともあり、大企業との関わりも多いんですね。実際、現在動いているプロジェクトの半分以上が大企業の新規事業です。カーブアウトや新規事業の立ち上げにおいて、コンサルフィーをいただきながら支援をしています。

2つ目は、大学や地方における事業創出を目的とした個人や研究者の支援です。私たちはこれを投資的な位置づけで考えているので、個別の事象に応じてスキームを組んで、双方にメリットが出るような仕組みで支援しています。

具体的には、東京工業大学では博士課程修士課程の学生を対象とした学内スタートアップスタジオ「Tokyo Tech Startup Studio」を今年設立しました。大学には、熱心に研究されている方々がCTOやCxOになって事業化できるシーズが沢山あります。それを大企業に研究職として入ってゼロから始めるのではなく、今の延長線上で起業という選択肢もあることを提示し、マインド醸成からアイディエーション、MVPの支援まで伴走支援します。

また、同じく今年から東京理科大学インベストメント・マネジメント株式会社と「quantum cross point」の共同運営を始め、そこでも起業家の支援をしています。

さらに地方に関しては、2023年の秋に青森県の地銀である株式会社プロクレアホールディングスと一緒に青森県のスタートアップスタジオを作りました。産官学金(民間企業・弘前大学・自治体・金融)の連携支援を目指し、ネットワーク作りを進めています。最近開催したリアルイベントでは、県内の起業家やスタートアップ支援をされている方、行政の職員、商工会議所などから150名ほどが集まり、今まさに取り組みが活発になってきているところです。

ーそうした事業の中で、quantumさんが発揮している強みは何ですか?

田中:僕のようなコンサルティング出身のビジネス系の人もいれば、プロダクトデザイナーやデザインエンジニア、AIエンジニア、プロダクトマネジャー、クリエイティブ、タレント・アクイジション、ベンチャーキャピタリスト、起業家と、非常に多彩な人材が社内にいるんです。加えて、それぞれの職種のトッププレーヤーが集まっているという自負もあります。

そうした人たちが集まって同じラインに立って議論し、発散と収束が繰り返されていますし、発散が大きいので、それまでは思いつかなかったようなイノベーティブなアイディアが沢山生まれます。

そのように「人」としてのリソースを投入しながら、事業にしっかり入り込んで作り上げ、大きくしていくのが私たちのやり方なのです。これが支援先の方にとって価値となっていると思いますし、私たちの強みにもなっています。

ー支援に関して、特に相性の良い領域はありますか?

田中:支援の領域は絞っていないので、特にないですね。社会的インパクトがある事業の方が、世の中のためだと思う人もいるかもしれませんが、僕はそんなことはないと思うんです。エンタメでも何でも、楽しい、面白いと感じるものであれば十分価値があると思いますし、歓迎します。

ーTIB STUDIOを通じてどんな人と出会いたいですか?

田中:アイディアや技術を持っているけれど、実現方法に悩んでいる人や、何をしたら良いかわからない人。起業はあくまでも一つの方法ですから、大企業の中で実現するもよし、他の人に思いを託して別のことを考えるもよしです。

ただ、考えている課題の解決策となるアイディアや、それに活用できる技術を世の中にどんどん出していくことは大切です。それをどう実現していくか、もっといろんなやり方を一緒に議論できたら嬉しいですね。これに当てはまるような方はぜひ一緒に頑張りましょう!


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🚀 TIB STUDIOとは

TIB “STUDIO”とは、スタートアップ支援事業者の支援を受けながら資金調達に向けて事業検証に取り組む「起業支援プログラム」です。審査の段階から事業領域や希望に合わせて最適なスタートアップ支援者をマッチングし、事業フェーズに合わせた支援を行います。
▶︎TIB STUDIOについて:https://tib.metro.tokyo.lg.jp/studio/

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