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透明人間

気が遠くなるほど
恋をしてしまったとき
いや
言い換えよう
特定の
誰かに
欲情してしまったとき

わざと
自分を
隠す
何処にも
いないかのように

いないところから
欲望の
対象を
眺める

眺めているうちに
どうでもよくなったり

やっぱり
一度は



思ったりする

そのときは

わたしはいないので
なんでもできる



初出 現代詩フォーラム 20040408

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