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84.気づけばレズ風俗キャスト歴12年

気づけば勤続12年目を迎えていました。

このお仕事をつづけてきて、思うことがあります。

働きつづけることとは?
何かをつづけることとは?

たとえば、とても深い深い、海底まで潜ったときに見えてくる景色や物事のこととかーー。そんなことにまで想像が広がります。

私は、どうしてこんなにも長く働きつづけてこられたのだろう?
その先に、果てに、何を見たいのだろうか?

自分自身でも、わからなくなる瞬間があります。
本当に大事なものを見失うまで働く必要は、ありません。
そして、まだ見失っていません。

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それを教えてくれるのは、やっぱりそばにいるお客様なんです。

数々のお客様のなかでも、熱心に何度でも逢いにきてくださる人がいます。深い海の底に一緒に潜るような人に、出逢うこともあるものです。

なぜ、自分にとって、そして私にとって、この場所が必要なのか……?

そんなことを、料金のかかっている大事な時間を使って、わかるまで教えてくださいます。私にわかるように、何度でも何度でも伝えてくれるんです。一生懸命伝えてくれます。その姿に、いつも心を打たれます。

それだけではなく、働きつづけることの意味までもを考えさせてくれることがあります。そんなとこまで!? と驚くのですが、至って本気なんです。

それは、お金だとか、セックスだとか、そういうものを軽く飛び越えていきます。ひとりの人間としてのつき合いになるんです。

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お客様のなかには、お店に通いつづけることに少し罪悪感や後ろめたさを感じてしまう人も少なくないと思います。周りの環境だとか、経済的だとか……理由はひとりひとり違うでしょう。

人は、いろんな理由をつけて行動するものですし、そういった周りの目線がある以上、気になってしまう人もいるのだと思います。心のなかは別として、ルールや法律に従うほかないのが、現実だったりします。

そういうことに、歯向かえる人はほんの一部です。

そんななか、自分がどれだけ自由に幸せに生きられるだろうか……? 生きる目的をみつけられるだろうか?

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うう……。

こうやって、だんまりしてしまう。
殻に閉じこもってしまう。

なんなら、その“行動を起こす理由”のひとつに、この場所があっていいんじゃないかーー。そう思うことがあります。

生きがいがどこにあるのだろうかと模索して、模索して、そして見つかるまでの理由にしてもいいと思います。

誰かが誰かに理由をつくるときは、あっていいのだと思います。

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