35.同僚キャストたちの背中を見送って

レズっ娘クラブ、レズ鑑賞クラブティアラに所属しているこの10年8カ月で、ゆうはいろんなキャストたちに出会いました。

出会っては別れ、出会っては別れと、数々のキャストたちの卒業を見送ってきました。とても静かな卒業もあれば、突然の卒業、そして爆撃のような卒業もあります。

キャストたちそれぞれの人生に、このレズっ娘クラブがあるんです。

個性あふれる人が多く、そのぶんストーリーもいっぱい詰まっています。私が入店した当初は、かずきさん、あいさん、ろうまくん、まことさん、りおさん、れんくんなどの面々で、にぎやかな職場でした。

いまでも思い出深いのが、かずきさんとの屋上での撮影です。かずきさんは、ガチャピンの着ぐるみを着ていました（笑）。同時期に入店したキャストなので、とても印象に残っています。一緒に動画チャットを行ったこともあります。

現在のレズっ娘クラブやティアラを知っている方からすれば、動画チャットってちょっと信じられないですよね。

当時はいまよりももっと自由な環境で、ルールもそれほどなかったので、自分自身で仕事のやり方を作り上げ、繰り広げていったのです。だからこそ、刺激的で勉強になる本当に面白い初期時代でした。

レズっ娘クラブもティアラも、キャスト同士で連絡先の交換はできません。いまも昔も変わらず、ちゃんと距離感を持って接しています。仕事という関係を忘れてはいけないからです。

しかし当初は、友だち感覚が抜けずアットホーム感も強いために、ついつい羽目を外すキャストもいました。

業務時間外で、キャスト同士遊びにいってしまったり連絡をとってしまったり……とにかくお客様だけでなくキャストたちがちょっとやんちゃをして、退店させられた例も何度かありました。

以前、ルール違反をしてしまったお客様について書きましたが、キャストたちもお客様と同じ人間、やっぱり間違いを起こすこともあるということですね。

せっかく積み上げてきた努力がなかったことになるので、もったいないなあと思う瞬間です。