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嘘と作文と文章力

言葉を綴るのが好きだ。

小学低学年で母が亡くなった。
その頃から言葉を書くのが得意になった。
母が亡くなってから、家族は崩壊した。
私の居場所はどこ?なんて、考える余裕もなく
毎日、必死に生きていた。
ノートに言葉を書いて気持ちを吐き出していた。

夏休みの宿題に原稿用紙が配られた。
長期休みは親戚の家に預けられて
寂しかった思い出しかない。

嘘の作文を書いた。
行ったこともない牧場の楽しい思い出。
あっという間に原稿用紙を埋めた。
製本されて文集になってしまい破いて捨てた。

沢山の嘘の作文を書いた。
嘘をつくのが良くないなんて知らなかった。
母が闘病中は「必ず元気になる」と皆が言ってたし
母が亡くなった後は「必ず楽しい事がある」と
出入りする見知らぬ女性が言っていた。
あの頃の私の周りには嘘しかなかった。

行事の感想文、読書感想文、作文。
とにかく得意で書くのがどんどん速くなった。

参観日には作文以外、褒められることのない
私の作文が取り上げられて
「良かった部分をもう一度読んでみて」と
先生に言われたことは嬉しかった。
もちろん参観日に親はいない。

朝礼で読みあげられたり、
キャッチコピーを褒められたり、
小学生の頃は沢山褒めてもらえた。
悲しい事に文章力はそのまま止まってしまい、
中学以降は人並みの並み。
書くのは相変わらず速かった。

1年前にゲームのTwitterを始めて、
文字にする楽しさを改めて感じた。
文章力をつけたい。
言葉を綴りたい。

誰かに言葉を伝えたい、届けたい。
勝手な想いを日々、模索している。

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