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日本海軍戦艦 金剛型1941制作記 追補編 (Fujimi 1/700 waterline kit)



 金剛型4艦を並べてみて、その違いについて気が付いたことを追補編として述べていきます。

1.全体シルエット

Pic.1-1 第二煙突・後部艦橋

 真横からのシルエットでまず気が付くところは、榛名の第二煙突と後部艦橋の間(A)に殆ど隙間のないことです。第二煙突の後ろ側に防熱版が貼られていますが、後部艦橋への熱の影響が大きかったのでしょう。金剛型の第二次近代化改装は、榛名が1933年(昭和8年)8月から1934年9月、霧島が1934年6月から1936年6月、金剛が1935年6月から1937年1月、比叡が1936年11月から1940年1月に実施されました。このため、榛名で生じた不具合をのちに改装された各艦では修正するために、第二煙突と後部艦橋の間を広げたのではないかと考えられています。
 次に目の付くのは、本文中でも指摘した、砲塔上のアンテナ支柱です。金剛と霧島は第四砲塔上の支柱(B)が他の2艦より大きく、さらに第三砲塔上にも支柱(C)があります。

Pic.1-2 艦橋と中央部

 艦橋の形も大きさも4艦で異なります(D)。まずは、榛名の艦橋の大きさです。金剛型の前に近代化改装された伊勢型の艦橋に似て、4艦の中では一番大きくなっています。また、艦橋のTOPが前に突き出しているのも特徴的です。これも榛名の改装が最初だったせいかもしれません。
 また、比叡以外は横からだと隙間が空いているのがわかります。これはマストに各層を積み重ねたパゴダマスト構造によるものです。最後に改装された比叡は、その後に建造された大和型のプロトタイプとして塔型艦橋が使われたので、隙間が生じていません。
 金剛と霧島の艦橋の細部は異なりますが、シルエットだけでは見分けるのは難しいかもしれません。
 艦橋中央部の探照燈や機銃の台座部分(E)は、榛名と霧島がよく似た構造で、金剛もそれに近いのですが、比叡は構成が他の3艦と異なります。しかし、これもシルエットだけでは見分けるのは難しいかもしれません。

2.砲塔

Pic.2 砲塔

 こちらも本文で説明しましたが、金剛と比叡の主砲塔側面には角があり(A)、榛名と霧島の側面は滑らか(B)です。

3.波除板と艦載機甲板

Pic.3 波除板と艦載機甲板

 本文中では触れませんでしたが、榛名以外の3艦の第一砲塔の横に波除板(A)があり、その位置と角度が異なっています。比叡のキットではモールドで表現されているのですが、金剛と霧島のキット(同一パーツ)にモールドはありません。自作甲板を貼るために比叡のモールドは削り、3艦ともプラ板で作成し設置しました。榛名の図面には描かれていなかったので設置しませんでした。
 艦載機甲板についても本文で触れていますが、各艦で微妙に形状が異なっています(B)。目立つのは金剛で、第三砲塔の横までリノリウムを貼っているので、面積が一番広くなっています。

 もちろん、艦載艇をはじめ細部の構造や装備品の違いはありますが、各艦の特徴としては
金剛:主砲塔に角がある。第三第四砲塔上にアンテナ支柱がある。艦載機甲板が広い。
榛名:主砲塔が丸みを帯びている。艦橋が大きい。第二煙突と後部艦橋の間に隙間がない。第四砲塔上にアンテナ支柱がある。
比叡:主砲塔に角がある。艦橋が塔型である。第四砲塔上にアンテナ支柱がある。
霧島:主砲塔が丸みを帯びている。第三第四砲塔上にアンテナ支柱がある。
となります。
 慣れないと中々わかりにくいものなので、撮影の際にパッと4艦並べる時の見分け方としては、艦載機甲板が広いのが金剛、艦橋が大きいのが榛名、艦橋が塔型なのが比叡となり、霧島は消去法で見分けるしかありません。

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