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H.M.S. Nelson Class 1941 英国海軍ネルソン級1941制作記 #2 (Tamiya 1/700 waterline kit)


3.甲板

3-1.モールドの除去とクラフト紙木甲板

Pic.3-1 ロドネイ甲板

 まず、ロドネイからボラード(A)、フェアリーダー(B)、砲塔の基部(C)、錨鎖導板(D)、波除(E)と一部の構造物(F)以外の甲板上にたくさんある通風筒等のモールドを削り落としました。ロドネイは、キット発売直後に制作を試みたことがあったのですが、これらの突起物と甲板を綺麗に塗分けることができず断念した経緯があり、40年以上前の塗装跡が残ったままになっていました。
 次に今までの他艦で紹介したクラフト紙に板目を印刷した甲板を貼り付けました(G)。木甲板はマストなどを設置する上甲板の後部にもあるので、こちらも突起モールドを削除しクラフト紙木甲板を貼り付けました。


3-2.装備品の接着

Pic.3-2 モールドの除去前のネルソンと装備品接着後のロドネイ

 ネルソン級の広い甲板には大小数多くの通気筒類が林立しているのが目立ちます。このため、如何に見栄えをよく甲板上の情報量を増すことができるかが本級制作のキーポイントだと考えます。
 資料写真を参考に通気筒類の大きさを推定して、レジンパーツなどを5種類ほどを使用しましたが、合わせると大体1艦当たり100ほどの数になりました。
 次に昇降口類や天窓類と巻揚機をプラ板から、大小の絡車は防水布をかぶせた状態の物を自作しました。パラベーンは、ピットロード日本海軍艦船装備セットを使いました。これらをすべて2艦分準備しました。
 絡車はキャンバス色(グレーとタンを少量混ぜた白色)で塗装し、他の装備品は507cで塗装後、まだモールドを除去していないネルソン(画像上)をもとにクリアーボンドでクラフト紙木甲板に貼り付けました(画像下)。
 ロドネイの作業終了後に、ネルソンも同様にモールドの除去、クラフト紙木甲板貼り付け、装備品の接着を行いました。両艦で多少の違いはあるのでしょうが、2艦で比較しながら作業していくことができたことが2艦同時制作のメリットと言えます。
 元のモールドより、追加パーツは少し大きめになるので、第一、第三主砲塔については、砲塔を仮置きし回してみて(A)、回転半径内に装備品を接着しないように少し位置を調整しました。ギミックで回転させるつもりはありませんが、「ココだとぶつかるだろう」という位置に装備品があると違和感があるので避けました。また、上甲板(両艦ともにパーツB1)を仮置きし(B)、装備品が干渉しないように注意しました。

3-3.前部甲板のクレーン

Pic.3-3-1 前部甲板左舷のクレーン:ネルソン

 1935年頃にネルソンに試験的にウォーラス(Supermarine Walrus Mk I:意味はセイウチ)を搭載していた時期がありました。写真左の(A)のようにカタパルトは装備せずにウォーラスを艦橋横左舷甲板上に載せて、クレーン(B)で海面に降ろして運用していたようです。ウォーラス搭載をやめた後もクレーンは残っていました。画像右はC砲塔上にUPランチャーが装備されていますので(D)、1940年頃と思われますが、左舷の舷側ぎりぎりにクレーンが設置されていることがわかります(C)。TOMS MODEL WORKSに、ネルソン用のクレーンパーツがあるので、キットのB7のトラス部分を切り取りB5、B6と残ったB7を接着後、トラス部分の位置に取り付けました(E)。

Pic.3-3-2 前部甲板左舷のクレーン:ロドネイ

 ロドネイは、1936年からC砲塔上にカタパルトを設置し艦載機を搭載したとの記録がありますので、同時期にクレーンが設置されたと考えられます、ネルソンに比べて艦橋に近い位置に設置されました(A)。途中で屈曲しているロドネイのクレーン(B)もエッチングパーツがあったのでこれを使います。ただし、キットはまだクレーンを設置していない時期のモデルなのでクレーン基部のパーツがありません。このためこの2枚の写真を参考にクレーン基部を自作し、エッチングパーツを取り付けました(C)。

Pic.3-3-3 艦首部のクレーン:ネルソン

 例のネルソンの写真をよく見ると、(A)のクレーンは艦の背後からではなく艦首部分から起立しているのがわかります。キットの甲板上のモールド(B)が、平面図からは何なのかわかりませんでしたが、このクレーンのようです。もっとも、構造ははっきりとしません。平面のトラス構造だけ見えるので、モールドの上面に大きさの合うトラス構造を貼り付けてみました(C)。ロドネイも同様に処理しました。

2024年1月制作開始
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