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H.M.S. Repulse 1941 英国海軍レパルス 1941制作記 #3 (Tamiya 1/700 waterline kit)


4.中央構造物(承前)

4-3.後部構造物

Pic.4-3 後部構造物の修正

 1938年10月~39年3月に、10.2cm連装高角砲2基を撤去し、10.2cm単装高角砲4基を6基に、12.7㎜4連装機銃2基を4基に増設しましたが、この改装中に、国王ジョージ五世と王妃エリザベスのカナダ訪問が決まり、レパルスはお召し艦の栄誉を担うことになりました。このため元々高級士官の居室スペースであった後部構造物をRoyalFamilyのための居室として増設する改装が行われました。しかし、お召し艦の栄誉はRMS Empress of Australiaに譲ることになり、残念ながら王室用としては使用されず、この甲板上には10.2cm単装高角砲がそれぞれ1基設置されることになりました。
 さて、キットのパーツB29はこの改装前の形状で、右舷の張り出し部(A)が狭すぎます。左舷部(B)もやや形状が異なります。このため、パーツB29の両舷の張り出し部分を切除しました(図上中)。また、B29の甲板部は木甲板のラインがモールドされていますが、鉄甲板(あるいはCorticeneかCemtex)なので、このモールドはそぎ落としました(C)。
 増設された左右の張り出し部分は、プラ板で増築しようと思ったのですが、幸いなことにEPにあったので、これを使用しました(D、E)。
 キットのB45がかぶさる部分は、B29の上面にいくつかのモールドがありB45の横の開口部(F)から見えるようになっていますが、この開口部が大きすぎます。右舷はプラ板で狭めて柱を付け直し(G)、左舷はすべてプラ板で塞ぎました(H)。

4-4.手すりの追加

Pic.4-4 中央構造物の手すり

 日本海軍の場合、手すりをキャンバスで覆った部分は白っぽい色をしているので、濃い艦体色とのコントラストではっきりわかりますが、英国では砲身カバー以外はキャンバスに色付けをしていたらしく、写真では艦体色と同じように見え、単なるブルワークなのかキャンバス張りなのかはっきりとしません。しかしいくつかの写真(A、B、C、D)から、三連装副砲座やポンポン砲座の周りのブルワークは手すりにキャンパスシートをかぶせたものではないかと考えました。(C)では1926年の写真ですが、キャンバスが完全に掛かっていなくて部分的に巻き上げられているのがわかります。
 そこで、パーツA7のブルワークをそぎ落として、EPの手すりに替えて、水溶きホワイトボンドで膜を張りました。また、パーツA7やシェルター甲板の周りにも同様に手すりを付けて、一部分に水溶きホワイトボンドで膜を張りました。
 後部構造物のパーツB45も同様にキャンバス張り処理を行いました。

5.塗装

5-1.塗装前処理

Pic.5-1 エッチングパーツ接着

 これまで制作した艦では塗装後にクラフト紙木甲板を貼り、手すりを接着していたのですが、瞬着がクラフト紙に染み込んで跡が残ることがありました。そこで今回は手すり→塗装→木甲板の順を試すことにし、EPの手すりを取り付けました(A)。写真は各部を仮置きした状態です。
 次に艦首甲板上の波除パネルのEPを艦首(B)とB砲塔横(C)に貼ります。波除パネルには通路用の切れ目がありますが、このままでは波が後ろまで回ってしまします。おそらく航行中は扉か別パネルの移動かして閉じていたと考えられます。停泊中はこのままで良いのですが、航行中や戦闘中を想定して閉じることにしました。
 艦載機用のカタパルト(D)と格納庫移動用のレール(E)はEPがあるのでモールドを削り落とし、EPを付けました。カタパルトの前にも小さな波除パネルがありますが(Fの位置)、これは木甲板の上に貼ることになるのでこの段階では付けません。

5-2.塗装順

Pic.5-2 マスキングゾル塗布

 塗装は、まず全体にサフ(1000番)を噴きました。艦橋部分と後部構造物の甲板は、CorticeneかCemtexだと思われるので、507B(Admiralty Medium Grey)を先に噴いておきました。艦橋の上の階層はHoodと同様にリノリウム色にしようかと思いましたが、確証が得られなかったので507Bにしました。この507B部分をマスキングゾルで覆った後、全体に507C(Admiralty Light Grey) を噴きました。
 このあと、濃いダークグレイで喫水線部分を筆で塗りました。一般的に煙突、マストや吃水部分は黒で塗装するのですが、艶消し黒を用いても筆塗りでは反射して艶があるように見えることがあるので、敢えて明度を少し上げた濃い目のダークグレイを用いています。例の漆黒の塗料なら大丈夫なんでしょうか?

5-3.木甲板張り

Pic.5-3 クラフト紙木甲板

 マスキングゾルで覆った艦橋部分と後部構造物を水洗してマスキングゾルを剥がし、艦体に仮置きしました。各構造物との境界を修正しながらAからGの7枚に分割された自作のクラフト紙の木甲板を「ハイグレード模型用」セメダインで接着しました。

2024年5月制作開始
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