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自由律万珠沙華02801-02900

2801. 借りていたものではなかった
2802. 必要なものなら笑いながら捨てるな
2803. 背の高いスーツの男が悩んでいる
2804. 線香の煙が直線になる
2805. 奈落の底の匂い
2806. クラゲがへたる置き方
2807. 自転車に羽をつける少女
2808. 勇者はもう来ない村
2809. 電灯直線に並んでいる
2810. 携帯電話なぜ月が降る
2811. 風船が落ちてくる
2812. 電脳になり車を買う夢を見る
2813. 切り倒せば切り倒された人の顔
2814. 桜が散らないと思っている人たち
2815. 左右逆の自分が落ち込んでいる
2816. 服のセットも買わないと裸
2817. からくり時計の邪魔をする
2818. 受付は紙だらけ
2819. 急いでいるのに船を選ぶからだ
2820. 簡単に車運ばれていく
2821. 火薬と豆を間違える
2822. 油揚げに今日のことを記す
2823. 工場をなかったことにするための林
2824. つまらないものばかり凍らせている
2825. タバスコ手に祝賀会を終わらせにきた
2826. 今のは鯨のあくび
2827. 値引きに怒るポテトサラダ
2828. 最初からアップルパイにするつもりだった
2829. 的も味方もなく探す寝床
2830. 警察がヨットでくるか
2831. ケーキを夕飯とした
2832. 骨張った年寄りが近い
2833. これは生命線ではなかった
2834. 勧められた映画のリスト
2835. 居場所なく汗だく
2836. 通帳の重さは変わらない
2837. 自分を貶し風呂につかる
2838. 紙コップに盛られる寿司
2839. 歓迎している扉の重さではない
2840. 自動ドアやっと閉まった
2841. 嘘と決めつけて冷奴つつく
2842. 恨まれていることを知り浅漬けに箸をのばす
2843. 味が好きで食べているわけないだろ
2844. 私しか使っていない自販機だ
2845. 祈り届いて倉庫にしまわれていく
2846. ただの棒にバスがやってくる
2847. コンビニでかいた恥を寄せ集める
2848. ブドウの一粒として生きる
2849. 豚に押されて檻を出る
2850. 同じ服で違う街
2851. 攻撃しながら休む
2852. 酢とラー油透き通っている
2853. メニュー持っていかれてしまう
2854. 泣きながら大盛りを食べている
2855. 後から来た客も帰った
2856. 蓋が汚れている
2857. 疑いようもないほどハンバーガーを食べた
2858. 渡す過程で割れる煎餅
2859. 外へ出てしまえばキンモクセイと私
2860. 長靴で飛び出せる人
2861. なぎなたかはわからないが長い
2862. 殴られてわからなくなった
2863. プラスチックの容器で鰻運ばれてくる
2864. 機械からでた米
2865. わけのわからぬ丼をかき混ぜる
2866. 詩がなければ死んでいたとか言う
2867. 金は払われたというシール
2868. 明日もこの階段を急ぐ
2869. いままでの部屋の暗さは偽りと知る
2870. ちり取りが歪んでいるんだ
2871. 閉めかたにコツがいると笑っている
2872. 焼きいもをさつまいもに戻す魔法
2873. ピンクだから桜なだけ
2874. 三個欲しいのに二個しかない
2875. いつでも撫でられるものとしてぬいぐるみ
2876. だじゃれであり心理でもある
2877. なぐられて睨んだらもういない
2878. 音のする方に人
2879. ホテルに行く人が寄るコンビニ
2880. 他人に見せられる人生の部分
2881. 理想郷の絵に車がある
2882. 笑って巻き戻し笑って巻き戻し
2883. 赤い輪ゴムを選ぶ
2884. この橋渡れば病院
2885. となりの小さなお寺にも寄っておく
2886. 解凍する前から少ない
2887. ふくよかな鳥に囲まれてここにいる
2888. 棒読みの星読み
2889. 逆行で神様が見えないというクレーム
2890. 間違った紅葉もラミネート加工
2891. ハンバーガーのふるさと
2892. 大きな皿を使うから中心を気にすることになる
2893. 今はランク外
2894. 鈴の色にもセンスがない
2895. 竹林に入れば私も竹として
2896. ペンギンが良くても飼育員が許さない
2897. そんな水着はないしそんなヤシの木もない
2898. ヨットを描くのに何を戸惑う
2899. ヨガのための服を買いに行く
2900. 機械に聞き返される


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自由律俳句

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