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自由律万珠沙華02501-02600

2501. もう少し先の世界にもういる
2502. 戦争は嫌い八朔の皮はどうかな
2503. 固まるまで待てず台無し
2504. 行くか戻るかなんだこのぬるい風は 
2505. 鎧が転がってきて避ける
2506. 頭皮に生えても変だろ
2507. 最中だが水を抜く
2508. 涙は涙として採取する
2509. 裁判所から雲になる
2510. 変かと聞かれ何度も首をふる
2511. 横ばいのグラフだからすぐ書き終わる
2512. 夢ならもう少し飛んでいたいね
2513. 夕暮れにはこれだと渡されるビン
2514. 捕まえるには荒い網
2515. 予測変換に気持ちを探す
2516. なるべく空っぽの言葉で謝りたい
2517. 塞がれば去年の町
2518. もう私を待つなと風鈴も言っている
2519. 真面目な顔で整髪剤選んでいる
2520. 工場勤務の男が工場と逆へ
2521. このレーンに乗っていれば食べられる
2522. ろくでもないがリズムが良い
2523. カレンダー丸めてもう入らない
2524. 打ち返しても手がしびれるだけだろう
2525. うずくまって背中が撫でられるのを待つ
2526. 一瞬遅れただけで心を疑われている
2527. 浅い川を流れていく
2528. とろとろしていて桃の香り
2529. 性懲りもなく敵対する
2530. 安い店で迷って恥ずかしい
2531. 分からなくなったら店の外で待っている
2532. こんな音なら鳴らさなかった
2533. ノックを何度もして開けさせる
2534. 反動でミニスカートにもなりますよ
2535. ちょこまかとマカロン勧めてくる
2536. いきなり犬は抱けない
2537. 消耗して光る
2538. 鉛筆を入れるための缶のようなもの
2539. ワインを作るんですって
2540. 城を作らず忘れ去られる
2541. 気のきいた小物がなくて潰れる
2542. 結局はプリンなんじゃないか
2543. 手紙なんてこないがそれを入れる箱
2544. 腐敗して研究され発表される
2545. 軽々しくアルミホイルで包む
2546. もういいじゃないかお茶漬けが来た
2547. 喉のことも知っているぞ
2548. 命じられ異国の地
2549. 永遠に安らかにしている
2550. 腕が寒い長袖で眠る
2551. 曇天を見る目で見ているな
2552. 掬い上げられ、なお罵る
2553. 関係ない水滴も氷柱に
2554. 梅の間の空気を肺に入れる
2555. 雪を模したものはたくさん見てきた
2556. 王冠は全て人工
2557. 着地してうつむく
2558. ご飯はまだだしそこは溝ですよ
2559. まだ熱い箇所を全部言う
2560. 産道を思い出せないように桃の味
2561. まだ知らない人として戦う
2562. 役所の知らせだ手で開けよう
2563. 役に立つものを作ってつまらない昼食
2564. 使わないスイッチを押しながら試す
2565. 電車のための倉庫にお邪魔する
2566. ネットを果物にはめる仕事はずす私
2567. 厳密に言えば最大ではない
2568. 保険のパンフレットの分厚さ
2569. ネジに引導を渡す
2570. 瓜の漬物用の小鉢はない
2571. ここまで逃れても休憩所の椅子
2572. 氷に味をつけたもの
2573. 直線を引くために生まれてきた
2574. 血の巡りで苦しんでいる
2575. 毒垂れてきてキッチンペーパー
2576. 100円で買えるから家で捨てて
2577. 人の目にわかる成長
2578. 紅葉に目を向けている隙に
2579. 骨董品店になぜつれてきた
2580. もう一段階腹は痛くなる
2581. 新聞紙まだ重ねられる
2582. なぜか問われればウエイターだから
2583. 短い映画から消費していく
2584. 黙って工場に吸い込まれる
2585. 長めの眠りから覚めて同じ姿
2586. すごすご消えていく三毛猫
2587. 天才の言葉どんどんゴシックになる
2588. 成分表見ていただけ
2589. それはそうだろうというエラー出てる
2590. カタカナになおして満足げ
2591. 生まれる前の曲に急かされる
2592. 植物に説教
2593. 電飾にからめとられる
2594. 棘がなんだ私を止めるのか
2595. 束にしていたはずなのにない
2596. 今のがその最後だったか
2597. 現在地わからず再生できるものを再生している
2598. たくましい横槍
2599. 残骸の中から残骸になりかけのもの
2600. ままごとの厚みゼロのハンバーグ

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自由律俳句

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