Night Street 第3章: 商業都市ビッグスロープ
シーン1: ビッグスロープ到着
ハンチョウ、ミツ、ピカルクの三匹は、オールドセンタータウンからビッグスロープへと向かい到着していた。ビッグスロープは、ビルが立ち並ぶ大都市であり、賑やかな雰囲気が漂っていた。
ハンチョウ: 「ここがビッグスロープか。人が多いな。」
ピカルク: 「この街にはいろんな情報が集まると聞いた。きっと手がかりが得られるはずだ。」
ミツは黙って頷き、三匹は街に足を踏み入れた。人々の流れに身を任せながら、彼らは次の手がかりを探し始めた。
シーン2: 地下の噂
街を歩いていると、賑やかな声と音楽が聞こえてきた。近くの屋台で食事をしていると、隣のテーブルの会話が耳に入ってきた。
ヒツジ: 「聞いたか?地下のカジノがまた大盛況らしいで。あそこを仕切ってるのはゼルスって奴やて。」
ウシ: 「ゼルスか…彼の手下になったら最後、借金地獄から抜け出せへんって噂や。」
ハンチョウはその会話を聞き逃さなかった。
ハンチョウ: 「地下のカジノか。そこにゼルスがいるなら、行ってみる価値がある。」
ピカルク: 「おお、賭け事か。俺の得意分野だ。」
ミツ: 「慎重に行動しよう。危険な場所だ。」
シーン3: 街の探索
三匹はカジノの場所を探すために街を歩き回った。ビッグスロープの繁華街は昼夜を問わず賑やかで、多くの店や屋台が並んでいた。ハンチョウたちは様々な情報を集めながら、地下カジノの手がかりを探した。
ピカルク: 「カジノはどこにあるんだろうな。」
ハンチョウ: 「目立たない場所に隠されているんだろう。気をつけて探そう。」
ミツ: 「こっちの路地に何かありそうだ。」
彼らは細い路地に入り、そこで閉ざされた鉄の扉を見つけた。周囲を見回していると、数匹の動物たちが怪しげな取引をしているのが見えた。ハンチョウたちはその様子を見守りながら、男たちが去るのを待った。
ピカルク: 「あの扉の向こうに何かあるかもしれない。」
ハンチョウ: 「慎重に行こう。」
シーン4: 潜入
動物たちが立ち去った後、三匹は扉の前に立ち、どうやって警備を突破するかを考えた。
ミツ: 「カジノは見張りが厳重らしい。このままでは無理だな。」
ピカルク: 「カモフラージュするしかないな。ちょっと待ってくれ。」
ピカルクは近くの商店で衣服を買い、三匹はそれを身に付けて労働者に扮装した。
ハンチョウ: 「これでどうだ?あとは自然に振る舞うだけだな。」
ミツ: 「行こう。」
三匹は扉を開けて中に入り、労働者のように振る舞いながら地下カジノへと向かった。警備員たちは一瞬怪訝な表情を見せたが、彼らが労働者の格好をしていたため、特に疑問を持たれずに通り過ぎることができた。
シーン5: 地下カジノ
薄暗い階段を降りると、豪華な装飾と賑やかな音楽が響き渡る地下カジノにたどり着いた。入口には厳重な警備があり、客たちは皆一様に緊張した面持ちで中に入っていった。
ピカルク: 「ここか。派手な場所だな。」
ハンチョウ: 「見張りが多い。慎重に行動しよう。」
カジノの中では、様々なギャンブルが行われており、負けた者たちは絶望的な表情で肩を落としていた。その中で、奴隷のように扱われている人々の姿も見えた。
ピカルク: 「この光景、見るに堪えないな。」
ハンチョウ: 「俺たちが何とかしなければならない。」
シーン6: 再会
カジノの奥で、借金を負った人々を整理している一匹の青年がいた。ミツはその青年を見て目を見開いた。
ミツ: 「…トロ!」
青年はミツに気づき、驚いた表情を見せた。
トロ: 「兄貴!?なんでここに来たんだ!」
ミツ: 「お前を探していたんだ。ここで何をしている?」
トロは少しの間黙り込んだが、やがて事情を話し始めた。
トロ: 「ここで働かざるを得なかったんだ。家族が心配だけど、ゼルスの監視下から抜け出せない状態だ。でも、ブラッドレインの本当の姿を見て、反旗を翻そうとしている。でも、俺一人じゃどうにもならない。」
ハンチョウ: 「俺たちと一緒に来い。協力してこの街を取り戻そう。」
トロは決意を固めたように頷いた。
トロ: 「わかった。兄貴と一緒なら心強い。」
シーン7: 謎のアライグマ
カジノの一角で騒ぎが起きていた。負けた客が暴れているようだった。ハンチョウたちが近づくと、そこに見覚えのある顔があった。
???: 「くそっ、こんなはずじゃなかったんだ!離せ!」
ゼルスの手下たちがアライグマを取り押さえていた。アライグマはギャンブルで大負けし、借金を背負って暴れていた。
ハンチョウ: 「おにぎり!?」
おにぎり: 「ハンチョォオオオ‼︎助けてくれ!もうこんなところにいたくないんだ!」
ハンチョウはすぐに駆け寄り、手下たちに向かって声を上げた。
ハンチョウ: 「こいつは俺の幼なじみだ。手を離せ!」
手下たちは一瞬驚いたが、ピカルクが翼の先から炎を出して威嚇すると、手を離した。
おにぎり: 「ハンチョウ、本当にありがとう…。もう二度とギャンブルなんかしないよ。」
ミツ: 「こいつが君の幼なじみか。大丈夫か?」
ハンチョウ: 「ああ、おにぎりは少しおっちょこちょいだが、頼りになる奴だ。」
ピカルク: 「まあ、面白いやつそうだし、連れて行こうぜ。」
シーン8: カジノの長
突然、カジノの入り口が開き、大きなオオカミが手下たちを引き連れて現れた。彼は周囲を見渡し、不敵な笑みを浮かべた。
ゼルス: 「ここにいる奴らは全員俺のものや。逆らう者は許さへんで。」
ハンチョウたちはその場に立ち尽くしたが、ピカルクが動いた。
ピカルク: 「待て、奴らに手を出すな!」
ピカルクは翼の先から炎を放ち、ゼルスの手下たちを攻撃した。
ゼルス: 「お前たち、やる気か?ならば相手になったるわ。」
ゼルスは冷酷な笑みを浮かべながら手下たちに命じ、カジノの中央にある巨大なチェス盤のようなフィールドに誘導した。
シーン9: ブラザーズブラッド
ゼルス: 「ここでの戦いは特別や。このゲームの名前はブラザーズブラッド。このゲームで勝負しようや。サイコロを振り、出た目によって行動が決まる。勝つためには運と実力が必要や。」
ハンチョウ: 「どんなゲームだ?」
ゼルス: 「簡単や。お互いに端っこからスタートし、サイコロを振って進む。中心付近には魔物が散りばめられていて、そいつらを倒してポイントを稼ぐ。カードデッキも配られる。最初に3枚のカードが配られ、その後はマスによってカードを引くことができる。」
ミツ: 「つまり、戦略と運の勝負というわけか。」
ゼルス: 「その通りや。サイコロは1から3までしか出ない。マスには多くの魔物が散らばっていて、そこに止まるとなんの魔物と戦うかが分かる。カードを使うかサイコロを振るかはお前たち次第や。カードには攻撃力アップや回復、マスを進むなどの効果がある。」
ピカルク: 「なるほど、これは面白そうだ。」
ゼルス: 「魔物を倒すと、そのカードが手札になる。相手と同じマスに止まれば戦うことができ、負けた側はカードを1枚奪われ、戦闘不能になったメンバーは盤面外に出され、チームメンバーはスタート地点に戻される。最終的にカードの総合ポイントかチーム全員が脱落した時点で勝者が決まるんや。」
ハンチョウ: 「分かった。望むところだ。」
ゼルス: 「お前らが負けたら俺様の元で一生働かせたる。ほな、ゲームを始よか。」
シーン10: ゲーム開始
カジノの中央には巨大なチェス盤のようなフィールドが設置され、観客たちはその周りに集まって興奮していた。ブラザーズブラッドの試合はカジノの一大イベントであり、多くの客が賭けをしていた。
観客A: 「ゼルス様がまた勝つに決まってるで!」
観客B: 「あの新参者たちがどこまでやれるか見ものや。」
観客たちは熱気に包まれ、試合の展開に一喜一憂していた。
ゼルス: 「ルールは理解したか?じゃあ、最初のサイコロを振らせてもらうで。」
ゼルスがサイコロを振り、試合が始まった。フィールドに一歩踏み出すゼルスの姿に観客たちは歓声を上げた。
シーン11: 運命のダイス
ハンチョウたちはゼルスの動きを注視しながら、フィールドに足を踏み入れた。巨大なチェス盤の上には複数の魔物が待ち構えており、それぞれがポイントを持っている。
ゼルス: 「お前たちの順番や。サイコロを振ってみろ。」
観客たちは期待に満ちた目で見守っていた。ハンチョウは緊張しながらサイコロを握りしめた。
ハンチョウ: 「よし、行くぞ。」
ピカルク: 「炎の力で道を切り開く!」
ミツ: 「慎重に行こう。」
ハンチョウがサイコロを振るその瞬間、観客たちの歓声とともに、物語は新たな展開へと進む。
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