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カエルの王様【グリム童話】

魔法の始まり


昔々、ある王国に美しい王女エリザベスが住んでいました。彼女は毎日、王宮の庭で遊ぶのが大好きでした。ある日、エリザベスは庭の池で金の玉を遊びながら、うっかりそれを池に落としてしまいました。

「どうしよう…」とエリザベスは嘆きました。

その時、池の中からかえるの声が聞こえました。「どうしたんだい、王女様?」

「私は大切な金の玉を池に落としてしまったのです」とエリザベスは涙ながらに答えました。

「私がその金の玉を取ってあげる代わりに、私を友達にしてくれませんか?」とそのかえるは言いました。

不思議な友達


エリザベスは困り果てていましたが、金の玉を取り戻すために約束をしました。「わかりました、あなたを友達にします」

かえるは池の底に潜り、金の玉を持ち帰りました。「これで約束は守られましたね」とかえるはにっこり笑いました。

エリザベスは金の玉を受け取り、「ありがとう」と言いましたが、かえるを友達にすることに不安を感じていました。

城への招待


その夜、エリザベスが王宮で夕食をとっていると、ドアの下からかえるが現れました。「王女様、約束を忘れないでください」とかえるは言いました。

エリザベスは驚きましたが、父王に事情を説明しました。王は「約束は守るものだ」と言って、かえるを食卓に招きました。

かえるはエリザベスの皿から一緒に食事をし、夜になるとエリザベスの部屋で寝ることを求めました。エリザベスは嫌がりながらも、かえるをベッドに入れました。

魔法の解放


翌朝、エリザベスが目を覚ますと、そこにはかえるではなく美しい若い王子が立っていました。

「おはよう、エリザベス。私はフリードリヒ王子。あなたのおかげで魔法が解けました」と王子は微笑みました。

エリザベスは驚きと喜びでいっぱいになりました。「本当に?どうしてこんなことが?」と彼女は尋ねました。

「私は邪悪な魔法使いによってかえるにされていました。あなたが約束を守り、私を受け入れてくれたことで、その魔法が解けたのです」とフリードリヒ王子は説明しました。

冒険と試練


エリザベスとフリードリヒは王国を守るために、邪悪な魔法使いを倒す冒険に出ることを決意しました。二人は力を合わせて、数々の試練を乗り越えました。

「エリザベス、君の勇気と優しさが私を支えてくれた。これからも共に歩んでいこう」とフリードリヒは言いました。

「もちろんです、フリードリヒ。私たちは一緒にこの王国を守りましょう」とエリザベスは答えました。

平和な王国


フリードリヒとエリザベスは魔法使いを打ち倒し、王国に平和を取り戻しました。二人は結婚し、幸せな日々を送りました。

「私たちはどんな困難も乗り越えられる。これからも一緒にこの王国を守り続けよう」とフリードリヒは誓いました。

「はい、フリードリヒ。あなたと共にいることが私の幸せです」とエリザベスは微笑みました。

新たな伝説


こうして、フリードリヒ王子とかえるの王さまの物語は、未来永劫語り継がれることとなりました。彼らの勇気と愛は、王国の人々に希望と勇気を与え続けました。

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