酔いたくない(18日目)

ひとり酒が苦手だ。
間が持たない。
飲んでる最中にひとりで何すればいいのかよくわからなくてとりあえず一口飲む。
また一口飲む。
ごくごく飲んでしまう。
結局酔いが早くなって何もできなくなる。

なのに今日も金曜日だーーーーーーと浮かれてうっかり缶チューハイを飲んでしまったおかげで意識がモヤに包まれ、エブリシングイズめんどくさい。

他の人と外で飲むなら、なんだかんだで人間の姿を保っておく必要があるため、酔ってはいても一定の理性の光が脳をドライブさせており、アルコールが存外悪くない燃料になったりすることもある。

でもひとりだと脳が勝手に「気を緩めてタコになりなさい」と指示を出しやがるらしく、アルコール度数5%にも満たないジュースみたいな酒でもあっという間に思考が崩れ、なんか部屋をめっちゃたくさんのヒヨコが走り回ってるのをボケーっと見てるみたいな、サッパリ収集つかないけどまあいいや、って感じになる。

でも本当はまったくいいとは思っていない。
やりたいことはいっぱいあるのに、このあと何もできなくなって本日終了、となるのを傍観者として見ているだけ、それがもどかしいけどひとたび飲んでしまうと抗えなくなる。
それがとてもいやだ。ひとりで飲む人はみんなこういう状態を楽しんでるんだろうか?

酒と創作はどうやって共存してるんだろう?
飲んだくれの文豪はいったいいつの間に文を書いていたんだ?
おれは酒飲みながら文章を書けないし、読めない。
かろうじてできるのは金曜ロードショーで『スパイダーマン ホームカミング』をホゲーと口を半開きにしながら眺めるくらいだ。
さっき見終わってようやく文章らしいものを打てるまで回復したので、めちゃめちゃだるいがこれを書いている。眠い。
インスピレーションは明晰さの中にだけあると個人的に思う。

苦しみを忘れるために酔う、というのが酔いの王道だと思うが、自分の場合、酔っても苦しいことはあんまり忘れないし、酔いが覚めたらやっぱり苦しみを忘れられてないし、そのくせ他の大切なことは酔ってなくてもどんどん忘れる。
酔いに浸るのにあまり向いていない。
それはいいことなのか悪いことなのか、よくわからない。

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