災い転じて…
すっかり秋めいている盛岡です。過ごしやすい!こんにちは、Threebread店主です。
今回は、何事も無駄な経験ってないよねってお話です。ではどうぞ。
発注ミス
パン屋さんはオーブンの余熱や空き時間でお菓子を焼いたりします。
当店も、朝の一回目パンを焼くまでの間、1時間以上オーブンが遊んでいて、ここでお菓子を焼いてもいいなと考えていました。
冷凍のパイ生地で簡単にお菓子を作ろうと、頂いたカタログと睨めっこすること1ヶ月、やっと注文するパイ生地を決めました。
ウキウキして待つこと1週間、やっと届いて封を開けると…何か違う…
違和感を感じて商品名を見ると、「マーガリン」の文字。
えっ?マーガリン??もしかしてマーガリンシート!?
すぐにカタログを確認すると、間違いなくマーガリンシートでした。
(マーガリンシートとは、パイやクロワッサンなど、油脂と生地を折り込むものに使う、シート状になった便利な油脂です。)
やってしまいました。発注ミスです。
マーガリンシートが5kg。捨てるには勿体なさすぎる量です。
折り込みは…
パイ生地など、バターが層になったものはサクサクして美味しいですよね。その層にしていく過程を「折り込み」といいます。
生地をながーく伸ばして、折りたたんでいく作業ですが、大きく伸ばす上に、間に入っている油脂が漏れ出たりするので、手でやるには麺棒の技術が必要です。
パン修行時代には全然うまくいかなくて、パン屋をやっても折り込みはやらない、と心に決めていました。
でも、もう5キロのブツがある…
これはやるしかない…
覚悟を決めた私。
元々の目的のパイ生地を作ってみることにしました。
楽勝?
レシピを準備して、いざ折り込み!
習った時の、果てしなく感じた60センチの生地をイメージして震えるも、やるしかない。そんな気持ちで伸ばしていくと…スルスル伸びる!
当時の難しさは全然感じず、あっさり折り込み完了してしまいました。
パン屋を始めて3年半経ちましたが、麺棒スキルが上がっていたようです。
安心したのと、拍子抜けで少々呆然としてしまいました。
サックサク
焼いてみるとかなりのサクサク。正直、こんなにサクサクなパイは食べたことありません。大成功でした。
早速先週、商品にして販売しました。
中身はシンプルにカスタード。
飛ぶように売れて、皆さんに食べていただきました。
発注ミスからの大成功、こんなことってあるんですね。
自分のできる幅が広がっていたことに気づけたのも大きな収穫でした。
起業セミナーに参加した時に、経験は全て現実につながっていると講義がありました。妙に記憶に残った言葉でした。
発注ミスにパン屋の経験が合わさって…本当に人生に無駄なことなんて一つもない!感動すら覚える数週間でした。
今週もパイは作りますね。ぜひお買い求めください。
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