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論文勉強0から58で合格するためにやったこと

自己紹介🤓

がぶがぶと申します。2021年の4月に簿記三級と二級を取得して、5月からCPAの超速習コースで公認会計士試験の勉強を始めました。2021年の12月短答は惨敗(53%)。そこから心を入れ替え、2022年の5月短答は82%で合格。そして勢いそのままに8月論文にもなんとかギリギリ滑り込むことができました。短答に関するnote(https://note.com/threebody22/n/n0f69a6506303)も書いたので、そちらも併せてぜひご覧ください。

このnoteについて

58で完全に0から論文の勉強を始めようとしている人に読んでいただきたいです。自分自身合格体験記オタクで、会計士試験の勉強法ブログ/note/youtubeの有名どころはほとんど見たことありますが、その類の合格者が発信している情報をほとんど知らないので、じゃあ書くかとなりました。やることを削って、なんとかギリギリ合格した様子(結果参照)をつらつらと並べていきます。論文に備えて十分な勉強時間を有している12月短答に合格した方及び過年度の方は、勉強法の参考にするつもりなら絶対読まない方が良いです。純粋に読み物として読んでみてください。とにかく、58で完全に0から論文の勉強を始めてなんとかギャンブルで滑り込もうとしている🤡のためのnoteになります。まあ論文に関してははっきり言って語れるほどの実力は一切ないので、こんな適当なやつが受かるんなら僕・私もいけるかもしれないという気持ちになってもらうことを目的とした自己啓発noteと言えるかもしれません。

短答の結果

財務164 管理77 企業85 監査85で総合82.2%でした。短答だけにコミットする勉強をしていても、論文に結びつくことはたくさんありました。計算は言わずもがな、論証の吐き出しや事例問題の分析も理解と暗記をしていないと書けないのは当然なので、短答に合格する力があるのならあとはやり方、マインド、運次第で論文の勉強を全くしていない58でも受かることは不可能ではないと感じました。58を最初から諦めるのはもったいないなと思います(ポジショントークですが)。

勉強時間

短答直後の一週間は合格を確信した解放感からほぼ勉強しておらず(アホすぎる)、翌週から勉強を再開しました。8月第二週には大学の試験があったのでその間はテスト勉強にコミットしてました(8単位落としました)。1日の勉強時間は11時間であることや日曜日は午後オフにしていたことを踏まえると、純粋に論文に費やした時間は600時間程度になるでしょう。11時間の内訳は財理2h,企業2h,監査1h,租税2h,管理計算1h,財務計算1h,経営計算1h,経営理論0.5h,管理理論0.5hでした。余談ですが、経営と管理の理論は風呂と飯の時にやってました。10hを超えて机に向かっていると勉強を拒絶して発狂しそうになるためです。

結果

最低点+0.28

開いた瞬間一瞬寒気がしました。以下偏差値です。
会計学①54.82 ②56.13 ③51.25 ④55.5 ⑤45.5
監査①47.92 ②57.2 企業①52.2 ②55.9
租税法①53.125 ②45.17 経営①49.8 ②52.9

今でも受かったのか半信半疑で、その表れなのか合格取り消しになる夢を2回見ました。なんなら合格発表の時も「これ俺の番号か?」と何回も自問自答して、正直喜びより先に戸惑いが来ました。ちなみに合格直後に電話をかけてきたリクルーターの方は、こちらのテンションがあまりにも静かだったからか、「受かってますよね..?」と不安げになっていました。すみませんでした。

財務理論

・戦略
典型論点が取るためにとにかくクソ暗記

・やったこと
財務の論文対策集(AB論点)をひたすら回してました。頭から5分割して一週間で回すイメージです(1日はバッファ)。回し方としては最初の二週間はひたすら読んで理解する。次の二週間は暗記シートで重要そうなとこ隠して問題に答える(補助輪のイメージ)。それ以降は問題を見て頭の中で論証を吐き出せるかを確認してました(時間の無駄なので書いて答えない)。一番時間をかけました(2h/day)。短答と論文で一番趣が違うのは企業とは言われますが、財務理論も暗記量が莫大なのでクソめんどいです。

・反省
第3問と第4問の典型理論は書けましたが、第5問の連結と絡めた理論が全く書けませんでした。財務の理論は守りだったので、大崩れはしなくてよかったです(第5問の偏差値を見ると45なので崩れてはいますが)。暗記シートで隠す勉強法はあんまり頭を使わなかったので、理解を終えたら、すぐ頭の中で問題に回答するタイプの回転に入った方がよかったと感じます。

財務計算

・戦略
短答の貯金を信じよとはいうものの、習熟度はそこまで高くなく、触れなければ記憶が出ていくことは明白なので、テキストを使って典型論点の完成度は維持する。

・やったこと
まず、論文対策集と論文対策レジュメを初めの2週間で一周して雰囲気を掴んだ結果、連結はめんどくさくて個別はそこまで難しくないという確信を得ました。そこで、連結は守って個別で稼ぐという方針を取りました。CPAのテキストは6冊あったので、1日1冊ペースで一周して、週の終わりに論文対策集の総合問題1題解いてました。ちなみに皆さん大好き在外連結CFは時間がなかったし出る可能性がほとんどないので切りました。

・反省
みんなが書けるところは書けるための勉強という感じで特に言うことは無いと思います。個別論点はしっかり固めていたので、第5問が論点モリモリ予備校答練だったとしても基礎さえ守れば大丈夫という安心感がありました。

管理理論

・戦略
割く時間はない。

・やったこと
重要度と典型度がいずれもB以上の論点に絞ってポケ論を回しました。問題を見てキーワードとフローが出てくれば良しとしました。初手ポケ論は悪手と言われていますが、分からないところだけ論文対策集に返れば良いと考えると効率的にうまくいきました。30分だけやって切り上げることを鉄則にしたのは、管理理論は行数が少なく、理屈の要素が強く、短答知識でカバーできる側面もかなりあるためです。どれだけ勉強するかではなくてどれだけ勉強しないかが大事だと思いました。試験までに4周しました。

・反省
いい力の割き具合だったと思います。一番勉強してて楽しかったので、時間が増えそうになったが堪えました。

管理計算

・戦略
期待値が低いので割く時間はない。教材は一つに絞る。

・やったこと
論文対策集だけを使っていました。AB問題を一日2問解いて解説を熟読していました。雪崩がおきやすい構造なので、CFや標準原価といった最初の数字を決して間違えてはいけないことに注意しながら解いていました。解説を読めば理解できたので、解説講義は見ませんでした。2周程度やりました。、泡沫論点が出題されることも否めなかったので最後の週はテキストを一周しました。

・反省
悪いところはなかったんじゃないかなと思います。ちなみに減損安定発生の計算が8割くらい解けたのはなんとなく最後の週にテキストを見ていたり、たまたま友達に説明したことのある論点だったおかげなので、スラムドッグミリオネアかと思いました。

企業法

・戦略
法的三段論法に注意して論点をクソ暗記。条文の位置は暗記する必要はないが、引きながら勉強する。

・やったこと
法学部に所属しているので書き方にはそこまで迷いませんでしたが、とにかく法的三段論法の型(規範定立→当てはめ→結論)にはめることを意識していました。使用した教材は論文対策集と法令基準集です。まず、条文が出てきたら法令基準集を使って引くことを繰り返しながら、論文対策集の前半の問題部分を読んでいく。読むときに法的三段論法がどのように展開されているのか、暗記すべき論点がどのタイミングで吐き出されているのかに注目する。ここまで1週間です。その後論点まとめのAB論点の暗記に入りました。財務理論の論証と同じく、5分割して最初の1週間はひたすら読んで理解する。その後の2週間は青ペンで重要な用語を隠して暗記シートで暗記することを繰り返してました。以降は論点を見て論証を吐き出すというやり方で、1週間に1周のペースで論点まとめを回転させつつ、答練にも手をつけました。答練は回答を文章の形で書くことはせず問題をさらっと読んで論証のフローを書いた回答メモを作り、分からなかったらすぐ答えを見てました。上級答練、直前答練、模試の併せて10回分の答練は、回答メモを作った後も解き捨てにするのではなく、問題を見て論証が作れるかという頭の働き方をチェックするために回答メモを作るという形で2週間に一周のペースで回転をしていました。

・反省
答練の理解と暗記にもう少し時間を割いて、二、三回は自分で文章を作って解くべきだったと感じます。模範解答と回答メモの流れが合致しているかを確かめるだけで、実際の回答の書き方や周辺知識に意識がいきませんでした。今年の2-2で第二回CPA模試の問題が当たったおかげで意気揚々と書き始めたのですが、結論を逆に書くという世紀の珍プレーをかましたおかげで点数は跳ねませんでした。「きた」と思った時こそ冷静になるべきだと痛感しました。また、論証まとめは文章ごと暗記しようとしたのですが、一つ一つの論証が重いため1週間に一回のペースではなかなか覚えきらなかったので、最悪規範定立はそれらしい言葉を使って自分で組み上げることを目標として、キーワードとフロー重視で暗記するべきだったかなと思います。

監査論

・戦略
典型論点を暗記して、基準集を有効活用する。

・やったこと
短答の2週間後から勉強を始めました。論文対策集の③の典型論点を丸暗記しつつ、基準にのっている所は引けるように訓練しました。また、どこにどんな記述があるのかを把握することに力を注ぎました。また、上級答練、直前答練、模試の事例問題だけを読んで答え方に関してイメージを持ちました。

・反省
指針自体は間違っていなかったですが、知らず知らずのうちに後回しになってしまったり、想像以上に暗記箇所が多かったので、典型論点の暗記に時間を注ぐことができませんでした。自分の悪い癖で、自分の頭で重要度を考えてヤマを張ることができなかったのが仇になったと言う感じがします。こちらは企業とは反対に、最初からキーワードとフローだけで論文対策集③の暗記を試みたのがまずかったかなとも思います。テキストの記述を確認しながら、文章としての形を整えつつ頭に入れるべきでした。その辺の塩梅の調整が上手くいきませんでした。事例問題に関しては状況を把握することが重要であとは基準引けばなんとかなると思っていましたが、結果的に痛い目をみることはありませんでした。

租税法

・戦略
法人税と所得をガチガチに固めて、消費と理論は最小限

・やったこと
出ました一番の難所租税法。まずは速習講義を受けました。みんなのアイドル鈴木先生はわかりやすくて容赦なく論点を切っていくので大好きでした。短答1週間後から1日1講義ペースで講義を受け終わってから、テキストの問題を3周すると7月になっていました。7月から始めた個別問題集は最初は難しかったです。論点の引き出しが弱いことに気づいたので、コンサマを1週間に2回のペースで回転して暗記事項を肌に叩き込みました。この時初めて租税法は計算の皮を被った理論科目であることに気づきました。7月終盤には計算も落ち着いてきたので、コンサマを回転させつつ理論を始めました。理論で使用した教材は理論問題集と答練です。問題と回答を2周くらいそれぞれ読み込んだ後、自分で条文を引いて解けるように3周くらい解いて練習しました。ちなみに理論消費税も切りました。8月の間はコンサマと理論メインで進めていました。

・反省
租税は結局暗記科目であるという意識を早めに持つことが重要だと思いました。管理や財務といった他の計算科目のように例題を解いているうちに論点を把握できるようになるという類ではなく、徹底的な暗記を目的としたコンサマの回転が問題を解くために必要です。また、もっと早く個別問題集に取り組むべきだったと思います。テキストと本試験の問題のレベルには乖離が存在していますが、個別問題集はちょうど本試験レベルで、これを難なく正解することができるようになって初めてボーダーが見えてくると思います。なので、テキストの問題周回は早めに切り上げて、本試験レベルに触れて成長を強制することが重要です。対照的に、理論に関しては勉強時間は20hもいってないとは思いますが、答練という本番レベルの問題に対応する意識を最初から持ったことで効率よくボーダーレベルになったと思います。あと基準を引く科目全般に言えることですが、毎日3分程度目次を読んでどこに何があるかをざっくり思い出す勉強は良かったと思います。未知の論点だったとしても、問題から論点を想起して目次から探す必要があるので、何がどこにあるかを把握しておくことは本番での検索時間の最小化につながりました。消費税は切らずにいって良かったんじゃないかとも思いましたが、消費税が高いレベルの習熟を必要とすることや、優先順位を考えると3点セットに絞った学習が最適でした。なお、ただでさえ習熟度が低いにもかかわらず、本番で私はゴリゴリド典型の減価償却の加減算を±逆に書くという大ミスを犯して計算の偏差値が44になりました。本当に気をつけてください。

経営学

・戦略
経営管理に時間を割かずファイナンスをしっかりやる。

・やったこと
みんなのアイドル(その2)矢野先生の速習講義のファイナンスのみを受講しました。経営管理の授業を受けなかったのは一問一答形式が大半を占めていて理解も不要そうだったからです。通常の講義の方針は理解する→解けるが主な方向ですが、ファイナンスの速習講義は解ける→理解するを強調していて、短期間で試験で得点を取れるようになることを目的とした講義に終始していたのが好印象でした。7月の第二週頭に受講を終わらせると、7月中はひたすら1週間に一周のペースで回転をしていました。問題を覚えてしまったので、8月中は直前答練と模試のファイナンス部分だけを2周しました。経営管理に関しては速習レジュメを一日30分だけ風呂で読んでました。

・反省
早く受講終わらせた方が良かったくらいです。速習レジュメの問題の密度は高かったのですが、本番の対応力をつけるために答練を一通り解いたのも効いた気がします。自分では結構得意になったつもりだったのですが、本番では「期待効用が無差別」の意味がわからず爆死しました。

Q&A

Q.なんで論文の勉強に手をつけなかったの?
A.一月時点で短答4科目が本当にやばかったからです。あと「短答受かれば論文なんとかなる」という声を素直に信じた結果です。実際は、(5月)短答(ブッチギリで)受か(って精一杯勉強して運も味方す)れば論文(はギリギリで蓋開けてみれば)なんとかなる(かもしれない)、でした。ただ、結果論ですが、短答に絞って本当に正解だったと思います。短答レベルの知識と理解もおぼつかないのに論文の勉強、ましてや経営と租税の勉強したところでなんの意味もありません。短答に合格した際には今までの努力が報われた気がして論文に向かうためのエネルギーが湧いてきましたし、それに加えて、短答に合格してるからそれなりのトーイクイクのスコア、ガクチカを整えて就活で優良企業の経理財務ポジ狙えるという安心感もありました。

Q.模試は受けた?
A.模試含め論文答練は受けませんでした。上記の通り、バラバラにして教材として使用はしていましたが、回答と復習で丸2日潰れてボコボコにされてモチベ失うくらいならいつも通りきっちり勉強した方が良いと思ったので、時間を測って解いたことは一度もありません。試験会場で初めて時間制限のある中で問題を解いて、「監査論って時間足りないな~」「消費税ほとんど解いてないのに租税時間足りないのどうなんだ🤡」「会計学午前って時間足りないな~」「会計学午後って時間足りないな~」「企業法って時間無さすぎて小便行く暇ないな~」「経営学暇すぎウケる」という実感を得ました。タイムマネジメントも試験の肝なので自宅受験で模試でも受けけばよかったと心の底から後悔しました。

Q.論文式試験の雰囲気ってどんな感じ?
A.イメージに反して猛者が集うという雰囲気ではありませんでした。欠席もちらほらいましたし、右斜め前のやつはウマ娘をひたすらやってるわ、右隣のやつは企業法の時間に電卓豪打するわ、左隣のやつは3日目に髪型と髪色が変わってキューティクルが改善してるわで、そんな戦々恐々とする必要もないのかなと思いました。まあ多分自分も毎時間小便行く変な奴だと思われてたでしょうけど。

Q.論文講義は受けた?
A.受けていません。論文知識が圧倒的に不足しているため、「何をどう書くか」の域には達しておらず、それらを指導する論文講義の費用対効果はインプットのそれに比べて極めて低いと感じたためです。例外として若杉先生の書き方講義と青木先生の山当て講義は見ました。あと、自分で手を動かす方が集中して進捗を生み出せるため、個人的に講義自体があまり好きではなかったのも理由です。どうしてもわからないとこだけは講義を見ずにメールで質問してました(ダルいので)。

最後に

58はきついです、と書こうとしましたが、自分は正直楽しんでいる節もありました。しんどいのはしんどいのですが、受かったら当然もう一年やらなくていい上に、会計士になれるという事実に心が躍っていました。試験中のマインドとしては、科目合格取れればそれで十分、これが終わったら3ヶ月遊べる、こんな短期間の勉強でうまくいくと思うなんて烏滸がましいが、精一杯やれるだけやってやろうと考えることで、自分自身を気楽な方向に持っていってました。そういった心持ちのおかげで、私は死ぬほど緊張するタイプなのですが、三日間よく眠れました。いい意味で吹っ切れることができるのが58の大きな利点だと思います。てかそれぐらいしかメリットないです。また、58を諦める大きな理由の一つに「3ヶ月間必死にやったところで合格確率はかなり低いから頑張ってもしょうがない」というのがあると思います。私自身もその気持ちはありましたが、

①8月~11月は休むか計算科目だけに集中してメリハリをつけることができる
②僅かでも合格可能性を保持することで就活に身が入りモチベを上げれる
③科目合格が一つでもあれば最高だし今年の勉強は来年の糧になる

という3点の理由から頑張っていました。それでも心が折れそうになる時は羽生善治先生の以下の言葉を心の中でよく唱えていました。

何かに挑戦したら確実に報われるのであれば、誰でも必ず挑戦するだろう。 報われないかもしれないところで、同じ情熱、気力、モチベーションをもって継続しているのは非常に大変なことであり、私は、それこそが才能だと思っている。

羽生善治「決断力」

開示答案に関しては後日載せたいと思います。この程度の答案で受かるのかと夢と希望と感動を与えたいです。こんな自己満足を最後まで読んでくださりありがとうございました。質問があればTwitter(@will5136)までDMください。勉強面に関して自信はありませんが、大声で応援メッセージを収録するくらいはできると思います。


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