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♠スペードのKING♠ ♔~第1巻~♔

これは、ある1人の物語である。

実は、日本人ではなかったKINGがどのように日本の文化と向き合い、成長していくか、環境や状況による喜怒哀楽を、もがき、苦しみ、ときには喜び、そして最終的に辿り着いた先に掴んだものとは………果たして……



生誕から幼少期

1980年代、時代は遡る。高度経済長の時代。

1人の男の子が、日本のとある小さな町「スペード」で誕生しました。

その名は、「キング」である。


当時の日本は、高いビルやマンションが少なく平屋建てや低層しかなかった。時代は、バブルが始まり出した時期である。

キングは、裕福でもなく富裕でもなく、ごく一般的な家庭で産まれ、なんの障害もなく産まれた。

時は流れ、元気に育ち三年が経った、

またたく間に育ったキングは幼稚園に入園し、一週間が過ぎたころに、小さい子供の彼は、思いがけない行動に出たのである。


幼稚園を登校拒否したのである。


朝、泣きじゃくりながら、

キング、「幼稚園に、ぜったい行かない。」

    「行きたくない。」

母、  「何があったの?」

    「キング!教えてくれないと、お母さんも分からないよ。」


と、ずっと同じ言葉と同じ会話のやりとりを繰り返し繰り返しやっていたのだった。

それは、なんと二時間にも及ぶ攻防戦だった。みかねた母は、幼稚園に休みの連絡を入れ、父に出来事を夕方報告した。

その日、泣きじゃくって疲れたキングは、深い眠りについたのだった。


翌日も、その次の日も、また次の日も…行かない日々。

登校拒否は一ヶ月間、続いたのだ。


父は、職人だったこともあり無口で頑固な人で教育には全然無関心な人だ。母は、良くしゃべり社交的な性格の人だ。

こんな状態がずっと続いた両親も、次第にキングに疲れ切ってしまい、幼稚園に足を運んでは、相談をするも解決方法を模索したようだ。

幾多の方法で試すものの、キングには全く響かなったのです。

先生も、病気や障害といった子供がそうなることはあっても一日や一週間は前例があったが、一ヶ月間という例はなかったので、先生たちも困ってしまいました。


一週間が過ぎてから両親は、キングに何も言わなくなり強制や求めも止め、ちょうど一ヶ月が過ぎたある日の夕食のとき、キングの大好きなからあげを食べていると、ふと何気ない会話が始まった。


母、  「キングは幼稚園は嫌い?」

キング、「嫌いじゃないよ、行きたくない」

母、  「嫌いじゃないのに、なんで行きたくないの?」

キング、「この家と、お父さんとお母さんが好きだから、一緒にいたい」


母は、驚いた。

そして、母は会話を続けた。


母、  「明日から、お母さんも一緒に幼稚園行くから行こうか?」

    「一緒だったら行ける?」

キング、「うん、行く」


母は、ホッとした瞬間、表情は緊張が張り詰めていた顔から穏やかな顔となった。

その日の夜、帰宅した父に、キングには見せないよう別の部屋に父を呼び出し、キングが幼稚園に行くって大喜びしながら言っていた。

その時、キングはその様子をひっそりと二人の会話を聞いてしまったのである。



幼少期のキングの性格は、恥ずかしがり屋で、人見知りで、シャイで、人前に立つのが嫌で、注目されることを嫌う性格の持ち主だったのです。


三年間、家の中の世界しか知らない小さかったキングは、外の世界がどんなところか怖くて仕方なかった。


その日の夜、会話を聞いたキングは、自分の行きたくない気持ちと喜んでいる両親の姿との狭間で葛藤してなかなか寝付けずにいました。子供ながらの恐怖と安心感と葛藤と闘い、どれだけ経ったか覚えいないが、ようやく睡眠に入ることができたのです。。

翌日、

毎朝決まった時間、場所にお迎えのバスがやって来る。しかし、そのバスには乗らない。母の運転する車での登校するのであった。

幼稚園に着き、職員室まで一緒に付いて行き先生にキングをお願いし、そこで母は帰宅したのです。

残されたキングは、最初は緊張と恐怖心で今にでも逃げ出したい気持ちを抑えていた。そこで、担任の先生がキングの手をグッと握りしめ、キングの決められたクラスへとゆっくりと一緒に向かい、いざ、クラスに入ると、

クラスのみんなが、いっせいに、


みんな、「キング君、おはようございます」


キングはただ、そこに佇んでいた。何が起きたのか分からない。

先生のはからいで、一限目の授業は無く、キング君交流会が行われたのでした。三十分もかからないうちにクラスのみんなと打ち解けるのに時間はかからなかった。


ついこの前までの、一ヶ月が嘘のように。


その日をきっかけに、翌日からバスに乗り登校するようになりました。


翌日からの幼稚園での生活が、次第に楽しいと思えるようになり、のめり込むこととなるようになる。

キングは、恥ずかしがり屋でシャイだったため、女の子と話したりするのは苦手であった。

遊ぶことがだんだんと好きになっていったキングは、幼稚園から小学生の成長期に本人もまだ、この時は知らなかった才能を発見することとなる…



                        to  be  continued…




*スペードのキングは、毎週金曜日に投稿していこうと思います。




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