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ラン活②:鞄工房山本

1月半ばに黒川鞄工房の内覧会に行き、正直「9万円弱のランドセルってこんな感じ??」と感じていた私にとって、鞄工房山本のランドセルは衝撃であった。

1月末、鞄工房山本の横浜店がオープンしたので、習い事の帰りにさらっと寄ってみよ〜という感じで立ち寄ってみたら、なんと予約制であった。
幸い予約がいっぱいではなかったので、当日名前をお伝えして入れていただけることになった。

みなとみらいにあるピカピカの新しい大型ビルの中にオープンした鞄工房山本。奈良のランドセル工房だと思うのだが、ここのテナント料はかなり高いだろうと想像。大阪にも同時に店舗をオープンしたようなので、事業は好調なのであろう。

店舗の様子
入って左側に主に女の子向けのランドセル、右側に男の子向けのランドせるが壁一面ずらっと並んでいる。
今の時代女の子用、男の子用、と分ける必要はないのだろうが、だいたい分かれていると非常に見やすい、というのが率直な気持ちだった。
そして、とても好印象だったのが、店員・スタッフの方々の対応が丁寧。人数も割と絞って予約制にしているからか、スタッフの方々5〜6名が丁寧に製品の説明をし、フィット具合をチェックし、好みなどに応じてランドセルを紹介してくれていた。

ランドセルの感想
ラン活って奥深い、と感じたのが鞄工房山本でランドセルの実物を見てからだった。
価格帯は比較的一般的なレンジであるにもかかわらず、どのランドセルもとても丁寧に作り込まれている感じがよくわかる。
鞄工房山本のランドセルの特徴はコバ塗りというのが有名だが、コバ塗りだけでなく、ステッチや縫い目、全体的な佇まいというのだろうか、重さも、先日手にとって見た黒川鞄工房のそれとは全然違っていた。
使い勝手もよさそうで、マチの大きさは一般的であるものの、安全ナスカンを使用している点やポケットががばっと手前に大きく開き、ポケットがただのお飾りではなく実用的というのも印象的だった。

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↑レイブラックの黒×黒。革が黒々としっかりしている印象。持ち手が後付けで固定する金具部分が背中に当たらないか、気になる。

イマイチな点。
ナスカンが右にしかついていない、小マチが比較的小さい。
小マチについては実は結構気になっていて、マチ幅が2.5cm、そしてこの幅以下のものを入れてください、との注意があった。小マチには筆箱を入れることが多いと思うのだが、低学年で使用する鉛筆固定タイプの筆箱で厚みが2.5cm以下というのはほぼないのである。
また、コバ塗りのランドセルが3年後、6年後、どの程度使用感が出てくるか未知数である点。今の御時世、メルカリで使用済みのランドセルを検索すると6年後のランドセルの姿がよく分かるのだが、鞄工房山本のランドセルは、使用感がかなり目立つものが多かった。
かなりガサツ&元気いっぱいタイプの真ん中の子にこちらの素敵なランドセルをもたせても、3年もしないうちにボロボロになってしまうのではないか、という心配がある。勿論頑丈につくられており、型崩れや壊れる、といったことはないだろうが、鞄工房山本の革の素材ならではの、見た目の劣化が激しくなりそうだと感じた。
そして、今年から持ち手の部分がオプションなのだそうだ。オプションで持ち手を追加する場合、ランドセルと一緒に持ち手と六角レンチが届き、それを自宅でランドセルに取り付ける、外付けタイプである。
1枚目の写真で見るとわかると思うのだが、割と金具部分が背中のほうにでっぱっているので、これが背中〜肩に当たって痛くなるのではないか、という心配がある。

画像2

↑レイブラック黒×茶。かぶせ部分の茶色の縁がコバ塗り。菊寄せも美しい。

購入するとしたら。
レイブラックの黒×黒もしくは、黒×茶。
レイブラックは背面も肩ベルトも、中もすべて黒というシリーズである。長男のランドセルは背面と肩ベルトの裏がクリーム色なのだが、とにかく汚れが目立つ!
特に真ん中の子は活発で汗っかきなので、この部分が黒というのはかなり魅力的であった。

機能面で細かい気になる点はあるものの、全体的に「こだわりの詰まったランドセル」とう印象であった。また、スタッフの方々の対応やマーケティングの手法、ブランドイメージなども良く考えられているな、と感じた。なんというか、真摯に向き合って作っていることがよく伝わるランドセルだった。

高い買い物であるので、製品だけでなく、メーカー・工房全体をひっくるめて、納得できる買い物だったと言えるような買い方がしたいと思った経験だった。

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