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#5: NTTデータの場合 【謝罪文読解】
謝罪文読解についてはこちらをご覧ください。
元文書
全国銀行データ通信システムの障害に関する取り組みについて | NTTデータ - NTT DATA
ことの経緯
2023年10月10日、全国銀行データ通信システムに関するシステム障害が発生した。
一部金融機関間での送金処理などが止まり、約500万件の処理に影響が出た。
1973年以降、全銀システムが稼働してから、顧客に影響が出るシステム障害は初。
詳しくはこの記事などを参照してください。
全銀システム、復旧後も引きずる補償の行方 50年で初の大規模障害(日経ビジネス) - Yahoo!ニュース
読解
その前に
それでは読んでいきたい、、と言いたいところですが、筆者はそもそも一つの違和感を覚えました。NTTデータはなぜ今回の件で謝る必要があるのでしょうか。
今回、障害が発生したのは全国銀行データ通信システムです。その運営をする主体は全国銀行資金決済ネットワーク、通称全銀ネットです。NTTデータは全銀ネットから業務を委託されてシステム開発・運用をしていただけにすぎません。もちろん、瑕疵担保責任などはあり得ますが、受入試験などもやったのでしょうし、あくまで今回の障害の責任は主体である全銀ネットにあって、NTTデータは謝らなくてよいのでは?
と思って他の記事を漁っていたら、答えがありました。
当グループ配下の株式会社NTTデータ(以下、NTTデータ)は、本障害及びその対応に関し、資金決済に関する法律第80条第2項にもとづく報告徴求命令を金融庁から10月27日に受領しました
さすがに丁寧ですね。資金決済に関する法律第80条第2項を見てみましょう。
2 内閣総理大臣は、資金清算業の適正かつ確実な遂行のため特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、当該資金清算機関から業務の委託を受けた者(その者から委託(二以上の段階にわたる委託を含む。)を受けた者を含む。以下この条において同じ。)に対し当該資金清算機関の業務若しくは財産の状況に関し参考となるべき報告若しくは資料の提出を命じ、又は当該職員に当該資金清算機関から業務の委託を受けた者の施設に立ち入らせ、当該資金清算機関の業務若しくは財産の状況に関して質問させ、若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
つまり、内閣総理大臣の名において、金融機関でなんかあったときにはその業務委託先をすべて遡って、業務委託先からことの顛末を報告せい!って言えるってことですね。なんかすごい。
本編
納得したところで読んでいきましょう。と言っても、今回は短いです。
株式会社NTTデータグループ(以下、NTTデータグループ)は、10月10日に発生した全国銀行データ通信システムに関するシステム障害により、預金者・金融機関・関係各所・世の中の皆様に、多大なるご心配・ご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。
現時点でご説明できる全国銀行データ通信システムの障害の状況と今後の取り組みについて、別紙の通りご案内申し上げます。
さすがに大企業だけあってきわめて丁寧かつ常識的ですね。システムの障害ということで、きっと別紙に丁寧にまとめられているのだろうなと期待が持てます。
と思ったのに、資料4枚だけ???しかも、なんか情報量が全然ありません。てっきり霞が関の曼陀羅アートのようなパワーポイントが出てくるかと思ったのに。。
参考↓
極めつけは最後のページです。
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ただのウォーターフォールモデルの説明やんけ!としか言えなかったです。きわめて一般的なことしか書いてなくて、これで何が説明したかったかさっぱりわかりません。この資料だけで何十分も話す海外のスタートアップぽいプレゼンかましたのでしょうか・・・
きっと詳細を言うと叩かれるから、細かいこと言いたくない、って姿勢がにじみ出てますね。
総論
文言だったりはさすがに丁寧でポイントを押さえているのですが、肝心の事象の説明が極めて簡素ですね。。海外のIT系企業だと、何かトラブルがあった際には極めて詳細な事象の説明などがあり、読んでいるだけで技術者としても大変参考になります。日本のITシステムを代表するNTTデータのような企業にも、そのような文化が根付いてほしいなと思いました。
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