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名誉の裏側 【アメリカン・スナイパー(2014)】


2014年に公開されたアメリカン・スナイパー。
当時(12歳)、ポスターの雰囲気で見たい映画を判断していた私は、戦争の話や映像には興味が湧かなかった。きっとその頃に見ても、この作品の感慨深い部分を理解することはできなかったと思うから、このタイミングでよかったんだと思う。


この話は実話で(私は実話だと知らずに見始めた)、
軍人が戦争の地へ向かうたびに、心を蝕まれていく過程を描いている作品。

私の人生で、軍隊は身近な存在ではなくて。だから、
軍隊という集団としてではなく、軍人一人ひとりの心境を深く考えることは今までなかった。


主人公のクリス・カイルは国を守るという強い信念を持って訓練を経て、戦場でも実力を発揮する。
仲間の心が、信じていたはずのものを信じられなくなるくらい疲弊している時に、クリスさんが自分の信念をぶらさず強気を見せるシーンが個人的に印象に残ってる。

名誉の裏側
実際に戦場に行っていない人が、クリスさんが狙撃手として功績を残したことを聞くと、すごいとか、アメリカ人なら国のためにありがとうとか、ヒーローだとか、そんな風に彼を讃える。本人も国を守るために力になれたことは自分自身を誇りに思ってるんだろうな(そうであってほしい)。
ただ、その裏側で彼は、想像を絶する光景を目の当たりにし、戦場での音、情景、それらは帰郷しても脳裏から離れない。それがどれだけ心を消耗することなのか。
クリスさんに限らず、世の中では凄いと評価される人はたくさんいる。そんな人達にも、必ず裏側がある。これからは、凄いと評価されてる人のその裏側も想像していきたいと思った。

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※ネタバレ含む↓

最終派遣後のバーのシーン
クリスさんが最後の派遣から帰国したけど、すぐに家に帰らずバーで思いを巡らせるシーン。奥さんは9ヶ月も会ってないから早く帰ってきてほしいと言う。そして、クリスさんは涙汲みながらもちゃんと帰る。ここすごく胸が苦しくなった。視聴者の私はクリスさんがどんな戦争を体験したかを見てるから、少し時間が欲しいっていうクリスさんの気持ち尊重してほしいな...とすごく思った!!でも奥さんは長い間、まだ小さい子ども2人をほとんど1人で育ててるようなものだから奥さんは奥さんでいっぱいいっぱいなのも想像できて、難しくてわーーー!ってなりました。


執着の怖さ

敵国のスナイパーを倒すまで、クリスさんは手を引きませんでした。もちろん、仲間の仇ということもあったと思います。帰国するたびに心も体も良くない反応をしているにも関わらず、再び参加する。敵とはいえ、出会った人が悪かったのか...もし、敵国にあのスナイパーがいなかったら?もう少し前に除隊していたか?それはわからないけど、少なからず執着という気持ちはあったと思う。




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