博愛
今まで見た夜空の数なんか覚えていない
星座を見つけようと思ったこともない
太陽が出るまであと何時間かなんて考えない
眠った時間も夢の内容も誰かと眠った瞬間も
いつかの朝には忘れているし
脳裏にこびりついた残り香の先に
何があってどんな思いがあるのか
真っ暗な天井に透かした手のひらに乗せた真心
なにも掴めないけど確かな存在
眠る前に散りばめた涙は凍てついた空気に触れて結晶になる
それは私にしかつくりだせない宵よりも深い星降る日
何度か呼吸する 規則正しい寝息を知っていてほしい
ひとりよりふたりで愛おしさを敷き詰めよう
朝になれば陽がさして眠り姫 睫毛も何度か揺れて
頭を撫でられた時に指先から伝う愛情の温もりが
芯まで届いたら目を覚ます約束をするね
私の詩を美しいものとして触れる貴方
赤橙色に染められた鬱金香をおくります
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