ルパン三世 テレビスペシャル(中期)

ルパン三世テレビスペシャルの中期作品について、紹介と感想を述べたい。

愛のダ・カーポ〜FUJIKO'S Unlucky Days

この作品は、ルパンと峰不二子のラブストーリーがメインである。かの有名な、アメリカ大陸発見者のコロンブスのお宝を峰不二子は狙っていた。コロンブスが残した文章を入手した峰不二子は、内容を暗記する(不二子はお色気と戦いの強さだけでなく、頭の良さも別格である)。しかし、不気味な高笑いが特徴的な謎の男に襲撃されて、不二子は記憶喪失になってしまう。その男はナザロフといい、コロンブスのお宝のありかを暗記したのちに記憶喪失となった峰不二子の美しさに惚れ込んで、お宝と不二子の両方を盗もうとたくらむ。地中海で活動する美人トレジャーハンターのロザリアは、不二子をかくまっていた。不二子が記憶喪失であり、記憶を失う寸前にコロンブスのお宝のありかを暗記していたことを知ったロザリアも、ルパンと組んでお宝を探す探検に出ることになる。この作品の魅力は、記憶喪失となり、かつての強さを失ってか弱い女性になってしまった峰不二子を命懸けで守ろうとするルパンの愛と、ロザリアの父親との確執である。戦闘とロマンスの両方が楽しめる作品だ。
満足度4

1$マネーウォーズ

ナポレオン、レーニン、ヒトラーなど、その時歴史を動かした重要人物の手に渡ってきたとされる謎のブローチを巡って、美人女社長(投資銀行経営者)とルパン一味が争いを繰り広げる。ルパンは女社長のシンシアと対立しながらも、まるで恋をしているような仕草も見せる(彼女にキスをする)。実は、シンシアは、世界で戦争をけしかけ、すると原油価格が高騰することを見込んで、原油を買い漁って大儲けしようとたくらんでいたのだ。ルパンは古代マヤ文明の文字の秘密を解き明かし(注 ラテンアメリカの文明は文字を残していないとされるため、これはアニメ独自の設定と思われる)、ついにブローチを入手する。また、ルパン一味はシンシアの陰謀を見抜き、先手をとって原油採掘会社を買収して、シンシアに取引を持ちかける。さらに、ルパン一味は軍事作戦を計画していた組織を壊滅させて、シンシアの陰謀を阻止する。悲嘆に暮れたシンシアはバーで酒に溺れるが、そこでルパンと出会う。ルパンは、彼女の筆跡を完璧にコピーして、彼女の偽の小切手で彼女の財産を使い果たしたことを告げる。ロマンスかと思いきや、お金を大切にしろとの、魅力的な女性へのルパンなりの説教であった。
満足度4

アルカトラズコネクション

アメリカのサンフランシスコ沖には、金塊と、アメリカの政治・歴史を覆す秘密が隠されているらしい。ルパン一味と謎の秘密結社はそのお宝を巡って戦うことになる。舞台はアメリカである。現実に存在するサンフランシスコの街並みが劇中で再現され、そこを舞台にした激しいアクションが魅力である。また、謎解き要素もあり、とてつもない歴史のどんでん返しを知らされることになる(もちろん、アニメ独自の解釈だが)。実は、アルカトラズ島は、昔刑務所だった場所だが、裏の顔は闇世界のマフィアたちの楽園だったのだ。峰不二子はマフィアの子孫たちにとらえられ、深海でお宝と歴史の秘密を入手する。その後、ルパンたちとマフィアの子孫による激闘が繰り広げられる。比較的ハードボイルド色の濃い作品だ。
満足度4

EPISODE:0 ファーストコンタクト

中期ルパン三世テレビスペシャルの最高傑作。ルパン一味が初めて出会ったきっかけのストーリーである。ルパンは、当時は単独でニューヨークマフィアのガルベスから、「クラム・オブ・ヘルメス」を盗もうとたくらんでいた。次元大介は、ガルベスの用心棒であり、最初は敵対する間柄であった。その後、ヘルメスはブラッドという若い他の泥棒に盗まれていたが、ブラッドは殺された。その後、ヘルメスはブラッドの恋人の峰不二子が持っていた。ブラッドを誰が殺したのかは謎であった。ルパンは峰不二子のヘルメスを偽物にすり替えて、さらにヘルメスの中身を手に入れるには特殊な鍵が必要であることがわかり、ルパンは盗もうとする。また、峰不二子はガルベスの側について、ルパンを籠絡して鍵とヘルメスを奪い返すと提案する。次元はガルベスたちのやり方に嫌気がさして、ガルベスの用心棒を辞める。ルパンは鍵も盗み出すことに成功するが、ガルベスたちにルパン、次元、不二子は捕らえられてしまう。そこに、暗闇になったアジトに石川五ェ門という日本の剣士が現れて、鍵を奪う。鍵とは、ヘルメスを斬って中身を手に入れるための刀剣だったのだ。ルパンと次元が戦うという異色のシーンが見られる。非常にスリリングな戦いの連続であり、ハードボイルド色の強い、中期ルパン三世テレビスペシャルの傑作といえる。
満足度5(最高)

お宝返却大作戦

亡くなった老人の大泥棒、マークは、ルパンに、自分が盗んできた盗品を元の場所に返してくれたら、お宝である「トリックダイヤ」のありかを教えると、コンピューターを使った遺言を残していた。ルパンはお宝を返却し、ルパンだけに伝わるような細工がなされたコンピューターから、ルパンはトリックダイヤのありかを知る。
※ちなみに、クイズに正解しないとお宝のありかがわからないしかけで、クイズは「俺たちマークとルパンが盗むのを競ったものは?」で、答えは「アメリカ、トランプタワーのトイレットペーパー」であった。
グルジアのマフィア、ラッツもお宝を狙っており、トリックダイヤを誰がサクラダファミリアに設置できるか、サクラダファミリアで最後の死闘が行われる。銃器のマニアックな知識が出てくるため、銃器マニアには楽しい展開だろう。
満足度4

盗まれたルパン 〜コピーキャットは真夏の蝶〜

本作の舞台はフランスだ。ルパンは、一時期、フランスでキャットという女性盗賊とコンビを組み、そして恋人であった。そのキャットの娘である若い女性ベッキーも盗賊をしており、ルパンの前に立ちはだかる。二人は、手にした者は必ず殺されるといういわくつきの宝石、ブルズ・アイを巡って対立する。ベッキーがブルズ・アイを狙う理由は、彼女の母がブルズ・アイを入手後に死亡しており、その真相を突き止めることであった。ルパンはブルズ・アイを盗み出すことに成功するも、中には探知機があり、それを狙う泥棒をあぶり出すための小細工(罠)に過ぎなかったことに気づく。このブルズ・アイを盗ませようとルパンに仕向けたマフィアの長、マルコヴィッチの真の狙いは、キャットの娘であるベッキーを人質にとって、ルパンが今までに盗んだ盗品の数々「ルパン・コレクション」の場所まで案内させることであった。ラストに、ベッキーの父親に関する予想外の真相(?)が明かされる。
満足度4

天使の策略 〜夢のカケラは殺しの香り〜

ロズウェル事件で墜落したUFOのかけら、オリジナルメタルを巡って、ルパン一味と、女性だけの闇の反米テロ組織「ブラッディエンジェルス」と戦うことになる。ブラッディエンジェルスは、女性であることを巧みに利用して、色仕掛けなどでルパン一味からオリジナルメタルを奪おうとする。しかし、ルパンは1枚上手であり、ルパンからお宝を奪おうとする女性構成員ソフィーは、毎回、失敗させられている。ルパン一味は、オリジナルメタルはそのままでは意味がなく、加工するための技術が必要であることを知る。ルパンたちは無人島へ行き、ブラッディエンジェルスたちと戦う。ルパンはソフィーを軽くいなして、ソフィーは抵抗を諦める。そして、ルパンに自分の過去と、オリジナルメタルの加工方法を話そうとしたところ、銭形警部の部下のエミリーに射殺される。実は、このエミリーこそがブラッディエンジェルスのボスであり、このエミリーが持つ香水がオリジナルメタルの加工に必要なものであった。エミリーはルパンからオリジナルメタルを奪うが、それはルパンによってすり替えられた偽物であると、ルパンから真相を明かされる。最後に命乞いをするエミリーに、ルパンは「俺の気が変わらないうちに立ち去れ」と告げるも、エミリーは隠し持つ拳銃でルパンを殺そうとする。しかし、そんなことはルパンは想定しており、返り討ちにあってエミリーは死亡する。ルパンはソフィーを殺されたことに怒っており、ルパンが女性に怒りをぶつけ、女性を射殺した数少ないエピソードである。基本的にルパンは女性には激甘なのだが。
満足度3

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