経済学の思考法は色々なところで応用できる!希少性とインフレ!

経済学は、理論に偏っている学問であるため、法律や経営学と比較し、「頭でっかちで役に立たない」と思う人がいるようだ。だが、そんなことはない。経済学は確かに理論中心だが、私たちの身近な生活とも関係する。また、最近は行動経済学といって、経済学と行動科学(心理学)の融合も進んでいる。これは、今までの経済学が「合理的な個人」「必ず個人の利益につながる合理的な行動をする」ことを前提に理論が構築されてきたことの反省だ。なぜならば、人間は非合理的な行動もする。例えば、パチンコなどのギャンブルは胴元が必ず勝ち、ギャンブラーは負けると合理的な思考ができればわかるはずだ。だが、パチンコにハマる人は多い。

需要と供給の関係や、インフレとデフレなどは、非常に汎用性の高い思考法だ。インフレとは、貨幣需要よりも財・サービス需要のほうが大きくなる(もしくは、財・サービスの供給が極めて少なくなる)ことで起こる。例えば、戦争で生産設備やサービスを提供する店がことごとく破壊されると、残った希少なモノ・サービスに人は殺到する。これで、財・サービス価格は急上昇するのだ。もしくは、お金がばらまかれると、お金の価値が下がりすぎてインフレになる場合もある。希少性が無いと、価値を保つことはできない。ダイヤモンドや金の価値が高いのは、希少性があるからだ。

学歴にも似たようなことが言える。経済学理論を応用できるのだ。大正時代は、大卒は5パーセント未満であった。昭和時代の終わりごろも30パーセント程度であった。実は、日本は欧米と比較して大学進学率はかなり低かったのだ。そのため、日大でも十分にエリートであった(日大は偏差値50くらいなので、全大学の真ん中くらい)。ところが、平成時代から激変する。大学進学率は50パーセントを超えた(地域差は大きく、田舎では50パーセント未満の場合もある)。こうなると、かなり失礼な言い方にはなってしまうが、日東駒専だとエリートとは言えなくなってしまうのだ。

あまり話題にしたくはないが、美容整形などもそうだ。韓国では女性も男性も美容整形が当たり前だ。そうなると、美女もイケメンもありふれた存在となり、価値は暴落する。希少性が無いと、価値は維持てきないのが鉄則だ。一方で、SKYといわれる韓国の超一流大学は、頂点であり希少性が高いので、いまだにエリートとして韓国社会に君臨している。韓国社会の生きづらさはここにあるのかもしれない。よく、ルッキズムが批判される。だが、学歴の無い人にとって、ルックスでモテる要素となれば、高学歴に対抗できる。しかし、みんなが美女イケメンだと、ダイレクトに学歴と財力だけがステータスになってしまうのだ。要するに、ルックスがインフレして、逆にSKYの価値は維持されていることになる。

この、希少性とインフレ(陳腐化)の考え方を応用すれば、キャリアでも成功しやすい。どのようなスキルに需要があり、希少性が高いのか分析するのだ。私が着目するのは、「現場」知識と、ITやロボットである。高学歴で工場や土木工事現場に詳しい人はほとんどいない。高学歴は金融やコンサルタントが好きだからだ。そのため、工場に詳しいIoTコンサルタントや、ロボットシステムインテグレーターは、希少性が高いと考えている。

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