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-ヘッドホンの修復-

ここ数日、先日の公演からのひと段落を経て、やっと、ありがとうございました、おつかれさまでした、という日々もひと段落したところで。

在宅で始めているPCワークや実作業の内職の仕事なども少しずつ慣れてきて。

目下、もう予てから不調だったヘッドホンの修復に取り組んでいました。



知人のSNSによると、都内では数千円で修理してくれる、とのことですが、あいにく都内に行く予定はなかったので、自分で直してみようかな、と。

ちなみにヘッドホンは、SONYのMDR-CD900STという、スタジオ定番のプロ御用達ヘッドホンで、このところ物価の上昇に伴う値上げも著しく、自分の購入した頃の価格では購入できなくなっているようでした。

こちらのヘッドホンです。

まずは、インターネットで少し検索をかけてみました。

症状は、R側の完全不能です。

原因として考えられるのは、まずは断線です。

軽く分解してみて、目視で確認できる範囲には、断線はありませんでした。

そこで、わたしは、オーディオプラグを疑ってみました。

ここは、思い切って、ばっさり切断して、繋ぎ直してみました。

ところが、ここで問題発生。

さっきまで聞こえていたL側も聞こえなくなる、という事態です。

わたしとしては、よくあることです。

よかれと思ったことが悪い結果を招くパターンです。

しかし、そこは焦らず、冷静に繋ぎ直すことで、無事にL側は、すぐに復旧完了。

後になり、わかることですが、この場面での成功体験が、このヘッドホン修復の肝になる経験でした。



そして、次の打ち手を、インターネット検索から探します。

どうやら、ドライバーユニットというパーツを交換したことで、R側の復旧に成功した、という事例を見つけ、そのパーツを注文してみました。

ここで、また、あまり得意ではないハンダづけの仕事です。

まぁまぁ、そつなくこなしました。

しかし、R側の復旧はならず。



そこで、目先を変えて、オーディオプラグを交換してみることにしました。

安価な替え用プラグというものがあり、購入してみました。

まったくのゼロベースからの付け替えで、戸惑いはありつつ、インターネットで標準プラグの基本的な仕組みを理解して、大体の感覚で、付け替えてみました。

しかし、状況は、L側のみの音の通過。

まったく何も改善されず。



そこで、遂に、当初から最も疑っていたけれど、なるべくなら取り組みたくはなかった、完全分解の作業に入ります。

状況から察するに、おそらく、始めから薄々気づいてはいたけれど、問題の本質は、L側からR側に繋がる配線の、目視ではわからない内部における断線でしょう。

そして、インターネット検索をしていると、図らずも、MDR-CD900STのLR配線に最適、という謳い文句の配線コードを見つけました。

こちらの配線コードです。

そして、ほぼ完璧に分解して、このコードを無理やり、ねじ込みました。

後頭部のヘッドセットなどは、もはや、地道な糸通しの要領で、なるべく断線させないように気をつけながら、時間はかかってもいいから、慎重に通しました。

またイヤーパッド付近も、苦労は絶えない作業でした。

一連の画像は、まったく残しておりません。

正直、修復できるかわからない作業のなか、真剣に取り組んでいたので、その過程を撮影するとか、そういうテンションではありませんでした。



そして、遂にすべての作業を終えて、いざ、オーディオインターフェイスに繋いでみると。

L側のみの再生。

えーーー。嘘でしょう。

しかし、そこは、冷静な判断力。

速やかに、インターネット検索をして、配線の確認をすると、繋ぎ方を間違えておりました。

赤と黒をあべこべに繋いでました。

一瞬、どちらかわからなくなり、直感で繋いでしまったんですね。

そのときのことを、冷静なわたしは、見逃しませんでした。



さて、今度こそ、どうか。

R側から、音が。



音が、出ました。

ただ、まだまだ心許ない音量です。

そこで、オーディオプラグの繋ぎ直しをしてみることに。

なるほど、概ね、音響感も回復しました。

まだ厳密には、モニターヘッドホンとしては、心許ない気もしますが、それは、これから少しずつ調整していきましょう。

ほんとうに、苦節あり、難ありのヘッドホンの修復作業でした。

実質の出費は、知り合いの話していた都内の修理価格と、ほぼ変わらない、というくらいでしょうか。

始めから、断線の線で行けば、という話もありますが、そこは、やはり元々、原因はわからないところから始まり、原因を絞り切っていくことも含めての仕事でしたので、悔いはありません。



ということで、これから、DIYを趣味にしていこうかな、と、考えているところから始まりました、トマスの修理工房の物語でした。

それでは、また月の夜にでも。

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