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たかがバーガー、されどバーガー。


2021年3月21日。愛媛県伊予郡砥部町の国道33号線沿いにある「自動車トーマス」がグルメバーガー専門店「トーマスバーガー」をオープンしました。
コロナ禍で閉店した隣接するカフェを居抜きで購入し、バーガー店として開店したのは、飲食経験ゼロの「トーマス」こと遠山恭輔さんでした。

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なぜ、この厳しいコロナ禍の中で畑違いの飲食店を開業されたのですか?

「飲食業が厳しい状況なのは、当然、承知していました。次々と閉店、廃業していく店舗を見て、クルマ業界だって他人事では無いと思いました。何が起こるか分からないし、時代の流れがどう転ぶかなんて、誰にも分からない。」

「ただ、人は食べることをやめる訳ではないし、飲食業は人が集まる業態。SNSでの拡散も速い。正直、こんな時期だからこそ、僕に飲食店を出す機会が巡ってきたとも思っています。個人の自動車販売店なので、やっぱり、知って貰わないと始まらないんです。とにかく『自動車トーマス』を広めたかったんです。」

「もちろん、物件がすぐ隣だったというのもあるんですが『クルマ』×『バーガー』で何か新しいものが生まれるんじゃないかと思ったんです。」

なぜ、バーガー専門店を選んだのですか?

「元々あったカフェは、流行っていたし、既存顧客も引き継げるから、最初は、カフェも考えたんです。ただ、そのカフェは、メニューの品数が豊富でスタッフも多かった。それをマネージメントする余裕はなかったですね。僕がそれをやってしまうと、すごく、中途半端になるんじゃないかと思ったんです。どれも60点のメニューより、ひとつ100点の店がやりたかったんです。バーガーは、一見、シンプルに見えますけど、結構、奥が深い。ひとつのことを追求してみようと思ったんです。あと、テイクアウトも出来ますからね。」

「バーガー専門店にすることで、当然、失う客層もあるでしょうが、そこは、自分らしいものがやりたかった。実は、スパイシーで肉肉しいバーガーがめちゃ好きなんですけど、そういうバーガーって他では、売ってなかったんですよね。愛媛の人ってどちらかと言うと「甘党」なんです。でも、ま、いいかって。自分の好きなバーガーを作ろうって。」

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メニュー作りに何か苦労されましたか?

「飲食店でバイトすらしたことも無かったし、料理も全くしないんです。だから、シェフにどう伝えれば良いのかが、よく分からなかったですね。でも、『クルマ屋が作るバーガーなんて大した事ない』って思われるのだけは絶対、嫌だったんで。そこは、みんなが協力してくれて、ほんとに有り難かったですね。」

SNSだけで、宣伝してるそうですが。

「はい。基本、インスタだけです。いわゆる雑誌や飲食サイトの広告は一切していません。コストカットの意味もあるんですが、自分たちの世界観やコンセプトを誠実に伝えるには、SNSは最適でした。おかげさまで『インスタ見て来ました』っていうお客さまがほとんどで、ありがたいですね。」

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将来的な展望は?

「実は、宴会場やテラスなど、コロナの影響で使えていない空間があるんです。思い切ってギャラリーや教室ができるようなスタジオに変えようかと考えています。『トーマス』が何かやってる面白い場所になればいいかなと。」

「あと、『バーガー店』プラス『何か』で、他の地域にも2店舗目、3店舗目を出していきたいとも考えています。


厳しい環境の中でも「自由な発想」と「行動力」で、下を向く事なく次々と新しい挑戦を続けているトーマスさんでした。

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