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新しい環境でやるべき 1+2、あるいはアンチパターンについて

転職や異動、プロジェクトへの途中参画。あなたは大いなる期待と少し、あるいは結構な不安が入り混じった状態で、初日を迎えることでしょう。せっかく新しい環境に入るのですから、ガンガン価値を発揮していきたいですよね!

さて、あなたはこれから3ヶ月、あるいは1ヶ月で、どのような振る舞いをするのが良いのでしょうか?

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希望か絶望か


本記事では、2 度の転職と 10以上のプロジェクト経験を経て掴んだ、
勝利の方程式 1+2 をまとめてみます。



まずはじめにやるべき 1 

この 1 こそが最も重要で、これを外した場合、+3 は無用の長物となります。
まずはじめにやるべきこと、それは、

期待値の確認と調整

です。

とにかく前向きな気持ちを前面、そして全方位に放とうと、個別具体的な作業にいきなり突入してはいけません。「俺はこんなにイケてるんだ!Look at me!! 」と突然ダンクシュートをされても、そこがサッカーの競技中であればハンドで即レッドカードです。落ち着きましょう。

まずは期待値の確認。

・自分はどのような役割を期待されているのか?
・自分はどのような価値を発揮、提供することが期待されているのか?
・自分が所属する組織のゴールは?道筋は?直近のマイルストーンは?

などを確認していきます。このとき、自分自身の言葉で語れるようになるのがベストです。ここをサボると、遠大なテーマや、実現可能性の極めて低い役割を請け負ってしまい、近い将来、即死する可能性があります。

さて期待値は確認できたでしょうか?全て納得の範囲であれば ALL OK…ですがちょっと待った。それ、適切なレベルでしょうか?

・今の自分にとって簡単すぎないか?
・この役割を全うして成長や発展はあるか?
・どうやってやり遂げるかイメージがもてるか?
・そもそも、なぜそんな役割が期待されているのか?

などの問いかけを自分にしてみて、違和感があったら要注意。調整に入りましょう。つまり、「何があってもやり遂げられる、あるいはやり遂げる自信や気概がある」こと以外は、簡単に請け負わないように。やり遂げようとする気合は大いに結構ですが、気合だけが空回りした場合、ちょっとハードなルートに行かざるを得ません。

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荊棘の道を望むかね?それも良かろう

とはいえ、職種の変更など新たなチャレンジをする場面もあるはず。「できるのかできないのか、そもそも判断できない」こともあるでしょう。そんな時は、「自分はこのような能力と経験があり、ここまではできると思っている。この先は未知の領域なので、サポートが欲しい」ということを伝えましょう。

つまり、要求に対してはこのような3つの選択肢で調整していくことになるはずです。

1. 何がなんでもやる
2. やり遂げるつもりだが、サポート要
3. かなり難しいので、調整してほしい

調整の話し合いで注意すべき点は、「絶対無理っす」といった後ろ向きな表現や態度を示さずに、前向きになんとかする姿勢を見せることです。不可能な理由を色々話されても、「おまえ何しにきたの?」と思われてしまいます。

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前向きに

どうやら期待値の調整もできたようですね。では、手を動かしていきましょう!

プラスアルファの 2 

さてさて、直近やるべきことが見えてきました。これで明日から、毎日を送れるぞ…とちょっと待った。これだけだと、ただの「チームの一員としてタスクをこなす野郎」になってしまいます。一味違うところを見せていくために、ここから先が工夫のしどころです。

1. 目の前の仕事の Q あるいは CD でプラスのサプライズを起こす

品質・コスト・納期、略して QCDですが、いきなり全領域で 100 点超えを目指すことは難しいです(というか実現できたら期待値調整に失敗しています)。ただし、品質(Q)かスピード(CD)のどちらかにこだわることは十分可能なはず。特に、リーダーやクライアントが要求する品質がわからないうちは、とにかくスピードにこだわっていくのが良いでしょう。
スピードを重視して、先手先手で報告や相談をしていくと、相手の期待値とのズレも早めに認識して対策が可能です。

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どこかにこだわって違いを出そう

初期段階から期待値を少し超えるパフォーマンスを出し、それが認められると、「お、コイツはできるやつだ」と思われる可能性が飛躍的に上がります。ここで貯金を作っておくのが超重要。

さて、これができたら、あるいはできる状態が作れたら、さらに次の一手を打ちます。

2. 緊急ではないが重要なイシューを率先して解く

新しい環境に行った場合、初日や一週間目からフルスプリントすることはあまり無いと思います(必ずしも無いとは言い切れませんが)。

ある程度その組織やチームでの流れに染まっていると、緊急度と重要性のマトリクスにおいて、緊急度の高いイシュー・仕事に目が行きがちになります。緊急ではないが重要なイシューは、「分かっちゃいるけど手が付けられない」状態になっていることが多いです。

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まだ時間に余裕があるうちに、この領域のイシューに率先して取り組みましょう。

メチャクチャ重宝がられます。

この機会を通じて、普段の仕事ではあまり接点のないようなキーマンとのコネクションを作っておくのも良いですね。

なお、イシューからはじめよ[安宅和人 (著)]は名著ですので未読の方はぜひ一読を。


アンチパターン、やってはいけないこと

では、アンチパターンはなんでしょうか?端的には前項までの 1 + 2 の逆をやることなのですが、もう少し噛み砕いて言うと、

それまでの否定から入ること

です。

あなたがとんでもない実力と経験を持っている場合においてはその限りではありませんが、それまでの歴史や常識を、見ず知らずの人から真っ向否定された場合、発生するのは反発だけです。

リスペクトを持ちましょう。

万人に取って理想的な環境、職場、チームなんてものはありません。時間とコスト、様々な利害関係の制約と、それまでの経緯が複雑に絡み合っています。問題があれば建設的に解決していく。それがイケてるビジネスパーソンの振る舞いです。

がんばりましょう。



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