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満を持して!『怪盗ルパン伝アバンチュリエ』シリーズ最新巻『813』上巻が発売!

ミステリー小説やピカレスクロマンの世界的な原典と名高いモーリス・ルブランの著名作。

無論「アルセーヌ・ルパン」シリーズのことに他ならない。

その伝説の怪盗を原作に忠実にコミカライズしているのが、森田崇先生である。

このシリーズがどのような変遷を経てこの発刊に至ったかという経緯は割愛する。

この度、長編作品として名作と名高い『813』の書籍版として発売された。

Amazonkindle版としては先行して発売されていたのではあるが、ファンとしてはやはりコレクターズアイテムとして入手しておきたいところ。

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さて、この『813』。

私自身この話は初見である。

これまで、このアバンチュリエより以前は岩波少年文庫版(榊原晃三訳)でしか怪盗ルパンのシリーズを読んでないのだ。

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というのも、このネットの時代になって初めて知ったことなのだが、この怪盗ルパンシリーズは様々な訳者によって翻訳されており、またいろんな出版社から出されている。

私が人生で一番読書をしていた10代の頃は当然ネットもなく、これ以外のルパンの作品を探すことが本屋や図書館で出逢わなければその存在を知ることもなかった。

なので森田氏のシリーズ徹してのコミカライズは喜ぶべきものだった。

正直、イブニングで第1話を見た時は全身が震えたモノだ。


一応、奇岩城までのあらましは、岩波少年文庫でなんとなく履修していたのだが、この813は人生で初めて触れる「新しい」アルセーヌ・ルパンの物語なのだ。

時代を超えての新作との邂逅に胸が躍らないはずがない!

100年前の名作を、時を超えて待望の新作として読める感動!

いや、本当にこの書籍化企画はありがたいことこの上ない!

そして読んでみて、この『813』が名作と称される所以をまざまざと見せつけられる。

単純にミステリーの読み物として面白いだけでなく、「盗みはしても人殺しはしない」という高潔な『怪盗ルパン』という存在をバックボーンにした刑事ルノルマン氏の推理の冴えが物語の重要な骨子となっているのだ。

「果たしてかのアルセーヌ・ルパンは人殺しをしたのか?」

その一点だけでこんなにも読者を魅了するのだから、ルブランの技量もさることながら、アルセーヌ・ルパンという壮大な物語の懐の深さを感じさせるエピソードでもあった。

さて、解決編となるはずの下巻の発売を心待ちにしよう。


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