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When the distinction is blurred

まだ,『「意味順」英語表現トレーニングブック』がでるには時間がありますが,ここでは,自分なりに「意味順」をどうして良いと思っているかについて書いておきます.これは個人的な考え方であり,他の人とはたぶん違うと思います.ぼく自身は,はっきり5文型はダメだと思っているので,そうは思わない人はこれから書くことは不快に感じるので読まないことをお勧めします.

ぼくはひと通り,5文型とは何かというのを考えたことは何度かありますが,正直いってよくわかりません.新刊の『小学生のための中学英文法入門』では,

「だれが+する(です)の文(第1文型)」と「だれが+する(です)+だれの文(第2文型)」としていますが,一般的には前者をSVとか後者をSVCと呼ぶのだと思います.まあ,Sがセンテンスの主語というのはともかくとして,Vというのは動詞部分ということになります.Vはverbから来たものですが,センテンスの構成要素なので,厳密には品詞とはちょっと異なることになります.ただ,あまりここも描きすぎるともっと難しくなりすぎるのであまり深くは突っ込まないことにします.

で,ぼく自身が5文型を受け入れがたいのは,SVだけのセンテンスをパッとあげてみろというと,なかなかよい例文がパッとあげられないからです.無理にやれと言われれば,

Tastes differ. 

が浮かびます.これはあまり使われない人もいますが,「人の好みはさまざま」ということわざで,ぼくはよく大学受験に向けてできる学生がならうらしいThere's no accounting for taste.というよりもきびきびした感じがして好きです.そういえば,

Honesty pays.

というのも浮かびます.これも,Honesty is the best policy.などとも確か云ったと思いますが,短いほうが,ビシッと動詞が生きて感じる気がします.するだけかもしれませんが.

Black lives matter.

最近,アメリカで起きていることを受けて使われるこれもそうですよね.で,思うのは,SとVだけでシンプルに成り立つセンテンスというのは,Sがもの・ことで,なんとなく結論を引き出すような抽象的な内容が多い気がします.で,『小学生のための中学英文法入門』では,

The baby smiles.

という,Sが人のセンテンスがあり,これはまったく正しい英語ですが,ぼく個人は,

The baby smiles happily.

のように何か情報をつけたほうがよいセンテンスかな,とも思うんですね.

話を少し戻すと,同じように,アメリカで,ことわざほどではないけれども決まり文句的に使われる表現にX come(s) firstというのがあって,

Family comes first.

これで「家族が第一(最優先)」ということですが,これを見て思うのは,firstはどう考えても,センテンスの構成要素なので,これをSVと呼ぶのは,なんだか変です.でも,5文型主義者によるとSVCではないそうで,その方向に行くと本当は7文系でSVAがどうだかとかそういう話をされてしまいます.

これは,

Tammy is in good shape. 
My younger brother is in trouble.
Sally is in love.

についても同じようです.

これを文型の区別をせずに,「こういう要素がある」というふうに処理できるのが「意味順」の良さのような気がします.

あと,

Mr. Randolph taught me how to communicate with other people. 
He told me to communicate with new people actively.

この2つも5文型方式では違う文型にするそうですが,一緒にしてもよいと思うんですよね.使う感覚からすれば,順番に思いついた語をならべているだけで意識しているわけないし.

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