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ミドルスクールPOXの研究

POXというデッキの戦い方

"POX"デッキはアイスエイジ初出の癖強カード「悪疫(POX)」を中心に
・1:1以上でのリソース交換
・ハンデス、ランデスによる妨害
・置物によるクロック形成

これらを念頭に据えて戦う、黒単の軽量コントロールデッキです。
同名デッキがレガシーにあり自分もMtG復帰をしてから一生握っているデッキですが、レガシーに採用される小悪疫とミドルスクールの悪疫では性質が異なり、戦い方は似て非なるもの。
決して強くはないですが、ミドルスクールでは使用者がそこまでいない(コアなファンばかり)のでまだまだ発展途上、掘ったら何かありそうな可能性を感じずにはいられない。そんなデッキだと思っています。

採用されるカード

POXには黒ならではの定番以外に、通常のデッキでは採用されないようなカードがレギュラーとして採用されています。さまざまな構築がありますが、押さえておくべきカードとその特徴をまとめてみました。

悪疫(以下POX)

BBB/全てのプレイヤーがライフを1/3失い、手札を1/3捨て、1/3の生物、土地を生贄にするソーサリー。ここで特筆したいのは少数以下について全て切り上げとなるということ。
一枚で複数のアドバンテージが得られるカード。最も効果的な打ち所は対戦相手の土地、手札の両方もしくはどちらかが4の時。特に4つ目の土地を置いてもらえたら迷わず撃ち込みましょう。
逆にこちらは被害が少なくなるよう手札、土地を3の倍数、もしくはそれを1枚少ない状態で固定し被害を最小限にするようコントロールしなければなりません。

底なしの奈落(以下pit)

1BB/昭和のヴェリアナ。お互いのアップキープに手札をランダムに1枚捨てる。
エンチャントでどちらかといえば割り辛く、ランダムディスカードにより良札を残すことが困難となってくるため、能動的にカードの使用を促す副作用もあります。後述の置物クロックと相性が良く、最も嫌がられるカードのひとつです。

抑圧

1BB/プレイヤーが呪文を唱える度に1枚ハンデスをスタックに乗せます(追加コスト的な扱いではないことに注意、ここ勘違いしてました)。
行動を制限し、本デッキのクロックである拷問台のダメージを増加させてくれます。コントロール相手に設置できればこちらのピーピングハンデスへの妨害は相当に迷うこととなるでしょう。

冥界のスピリット(以下ネザスピ)

1BB/2/2生物。アップキープ、自分の墓地にある生物がこれだけならノーコストで場に戻しても良い優秀な2/2生物。
POXやpitで捨ててよし・贄てよし。除去の巻き添えにされてよし。チャンプブロックで仕事をしつつ、後半の更地を一人走るネザスピには感動すら覚えます。

拷問台(以下ラック)

1/アーティファクト。対戦相手のアップキープに対戦相手の手札が3枚を下回る場合、その差の枚数分ダメージを与える。
このデッキのメインクロック。pitが置かれている場合、スタック順をラック→pitとする事でpitから解決し、より高いダメージを与えることができます。POXデッキは自らの行動にもかなり制限を掛ける為、起動コストの無いダメージソースは重要です。

呪われた巻物(以下巻物)

1/アーティファクト。3/起動でカード名を指定した後、対戦相手に自分の手札を指定させ、指定カードだった場合に2点ダメージを好きなところへ飛ばすババ抜きカード。
お互いの手札を減らすPOXにおいてはほぼ確定のダメージソース。生物除去にも利用できる、プロテクション(黒)を対象に出来る点など、POXにおいてこれも必須と言えるカードです。

無垢の血(以下イノブラ)

B/お互いの生物を1体生贄にする優秀な除去。
こちらは生物がほとんど入っておらず、また影響も受け辛いため一方的に殺せます。但しソーサリーな為、過信すると相手のミシュランを除去できずにモヤっとします。

悪魔の布告

1B/対象のプレイヤーは生物一つ生贄。
被覆持ちやプロテクション持ちに有効、ミシュランが単騎で殴ってくれたら儲けもの。数が並ぶと有用性が1/10くらいになってしまう為、確定除去とうまく使い分けていきましょう。

燻し

1B/インスタント、3マナ以下を殺せる。
ミドルスクールでは野生の雑種犬、サイカトグ、萎縮した卑劣漢、ファイレクシアの抹殺者、ミシュラン、ドレッドノート、テラボアなど、恐怖で殺せない/しかし殺さねばならない生き物は全て3マナ以下。POXの性質上、対戦相手の土地が4つ以上並ぶまで時間がかかる上、今引き以外の高マナ域は大体ハンデスされ(その状況にしておかなからばならない)殆ど対象に取ることができるため、元々優秀ですがPOXにおいては超のつく優秀除去となります。

ミシュラの工廠(以下ミシュラン)

無色マナ土地。1マナで2/2のアーティファクトクリーチャー・組立作業員となり、タップすると組み立て作業員1体を+1/+1することができる。
ミシュランの語源になった、現レガシーでも一線級の攻守に役立つ優秀な土地。ことPOXにおいてはイノブラを使用することからクリーチャーで無い事、ブロック後のパンプアップができ防御的である事が重要です。

トーラックへの賛歌(以下ヒム)

BB/対戦相手の手札をランダムに2枚捨てさせる。
単純に1:2交換、しかもランダムという最強ハンデス呪文。2ターン目にこれを撃って土地が2枚落ちれば勝てます。

葬送の魔除け(以下チャーム)

B/沼渡り付与、+2/-1付与、対象プレイヤーの手札1枚ハンデスからモード選択の出来る器用なインスタント。
黒単ミラー最後の一押しやコンバットトリック利用、ゴブリンの従僕やマナクリを殺し、相手が引いたばかりのカードをインスタントタイミングで捨てさせ1:1交換をするなど、いつ引いても困らないカード。

罠の橋(以下橋)

コントローラーの手札枚数を超えるパワーを持つクリーチャーが攻撃に参加できなくなるアーティファクト。
POXは除去し切れない横展開のデッキに脆く、そうしたデッキと戦う時に重宝します。デッキの特性として自分の手札が無くなる為、クリーチャーを封殺する事も可能です。

Dystopia

各プレイヤーのアップキープに緑か白のパーマネントを生贄にさせるエンチャント。累加アップキープにライフを1点ずつ失うデメリットはあるものの、色指定とはいえエンチャントが割れるのは大きい。また、ひずんだレンズとの組み合わせで万能除去になり得る点も見逃せないポイントです。

非業の死

緑生物限定全除去。
ミドル環境もエルフは大暴れ。マングースやワーム、ニショーバなどの厄介な獣達も多いです。サイドに一枚入れておきましょう。

美徳の喪失

白生物全除去。
メタによりますが、優先度は低いです。ひずんだレンズさえあれば…!

戦術面

ここでは各デッキとの戦い方をまとめていきます。※随時更新

補充

不得意すぎる相手ではないはず。但しメインは厳しいです。
ハンデスが友情コンボになってしまう場合があるため、メインはPOXによる土地破壊と強迫で捌き、葬送の魔除けはダメージの増産と調律スタックでの使用となります。また強迫時、手札の状態次第ですがパララクスの潮流から優先的に落とすと若干相手のペースにハマらない気がしています。有識者の皆さんどうでしょう??
サイド後は対墓地は勿論のこと、プロテクション(白)のクリーチャーや憂鬱で白対策、偏頭痛などを用い調律対策を行います。

ランドスティル

序盤は優位なマッチアップ、基本的にはpit着地に全力を注ぎます。
2ターン目に行き詰まりを置かれた場合、
①手札にミシュラン
②手札に不毛の大地や黄塵地帯
上記以外の場合は迷わずハンデスを撃ち込みましょう(ほとんどがこの状況だと思われます)。
フルタップのうちに強迫やヒムを打ち込む事でピッチしか打てない状況となるため、テンポダウン(目くらまし)or1:2交換(意志の力)or1:1交換となりそこまで大きな損にはなりません。二の足を踏んでドローゴーする方が厄介です。
①、②の場合は相手が苦しくなる場面によく遭遇します。
撃ち合いの末長引き、正義の命令まで到達してしまったら潔く投了しましょう。

ゴブリン・エルフ

一大環境支配部族デッキですが、どちらも1ターン目のゴブリンの従僕やマナクリをチャームやイノブラで対処できれば試合になります。サイド後は仕組まれた疫病や疫病吐き、対エルフならばサバイバル対策として萎縮した卑劣漢、Distopiaを設置できるのが黒の強みです。

バーン

2-8で大体負けるので諦めたいところですが、何もしなくともラックが刺さるためハンデスし続けます。POXは撃てないので、チャームを残しつつ地道に耐えましょう。チャームとpitならチャームを優先します。

マッドネス

ハンデスが友情コンボになる相手。基本的に1:1交換出来ないため非常に苦しいです。POXするとルートワラが出てきます。サイド後は盤面のコントロール要素を増やし、犬には燻しを、数の暴力には橋と非業の死で守りを固めましょう。相手はサイド後にたい肥を積んでくる場合もあり、強迫やDystpiaも手放せません。厳しい戦いです。

スレッショルド

こちらもハンデスが友情コンボになりがちですが、面で攻めてくるデッキでは無いため一匹ずつ丁寧に処理し、展開を早めるためPOXも撃ち込みます。サイド後はどの墓地対策を採用しているかで展開が変わりますが、炉か卑劣漢の相性が良いように見えます。マッドネス同様にたい肥を積まれるため、着地してしまうと除去が追いつきません。墓地さえ定期的に処理すればクリーチャーはマングース以外は巻物射程圏内、つまり墓地ケア重要です。

BGザ・ロック系

置物は破滅的な行為に全て持っていかれ、ヤヴィマヤの古老にアドバンテージを得られ、相性は悪いです。地道に対処しながら相手にもそれを強いる戦い方をしますが、3:7で負けるイメージです。サイド後は非業の死と墓地対策程度しかありません。野生の雑種犬は燻しでしか殺せません。

白ウィニー

意外とマナを欲する白ウィニー、やはり魔除けとPOXが刺さります。サイド後は憂鬱で足を引っ張り、火薬樽などでプレッシャーを与えていくと良いです。

エンチャントレス

個人的にはトントンじゃないかと思っていますが、トップで補充とかされちゃうと負けです。
女魔術師は無垢の血で処理、そしてハンデスすべきはリスの巣。無限コンボは当然嫌ですが、何より単に毎ターン1体ずつトークンが増えることも厄介です。
土地が少ない傾向にありますが、ドローエンジンが確立されると止められません。撃てる時にPOXするのが無難でしょう。
サイドに腐臭の地が入っていれば完璧ですが、その他のデッキに刺さる要素が見当たりません。
(随時更新)

終わりに


以上、ミドルスクールPOXの基礎紹介と戦い方でした。これらカードの組み合わせに自分の色や性癖やソリューションを仕込み、楽しいPOXライフを過ごしましょう。
最後に、ミドルスクールを楽しむことができるDiscordサーバーを紹介します。

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