読んだ本で2019年を振り返る

2019年に読んだ本を見直すとともに自分の心境の変化を振り返ってみる。(年末にupしようと思ったらずいぶん遅くなってしまった…。)

本はたくさん読むほうじゃなくて、何か新しい領域に興味が湧いた時にもさっと読む感じで、他は業界系の話が出てる雑誌とかネット記事(ブログ系)ばかり読んでる。今年を振り返って改めて来年のことを考えようかなと思った時に、読んだ本を振り返れば心境の変化を知れるのでは、と思って書いた。(全然本読んでないのに紹介して恐縮な気持ち)

1-2月

『20億人の未来銀行 ニッポンの起業家、電気のないアフリカの村で「電子マネー経済圏」を作る』

この頃は、前社から今の会社に転籍(ほぼ転職)したてで、チームの未来計画を考えまくったり、当社サービス「バンドルカード」のCM準備等でソワソワしていて、あまり本を読めなかった。

あまり技術的なノウハウが記載されてるわけではなくて、インフラが整っていない場所で新しい経済圏をつくるときの経験談が語られている。
文化の違いとか人間関係とかで苦しめられる場面もあるが、挫けず突き進んでいく筆者の想いの強さが伝わってきて、結構アツイ話で面白かった。

『マンガでわかる 酒好き医師が教える 最高の飲み方

大阪に帰る新幹線のなかで暇つぶしに読んだ本。新幹線の中ではいつもビール+チーかま+漫画が常なんだけど、漫画を選ばない感じ、直近で二日酔いに悩まされてたのではと思う。
これを読んでからカルパッチョがあるお店では前菜に必ず頼むようにしている。きっと何かしら変わってるはずだけど二日酔いは定期的にある。もう量の問題だよねきっと。

3月

『予想どおりに不合理: 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)』

少し仕事が落ち着いたときに、前から気になっていた行動経済学の本に手を出した。顧客接点側としてリテンションやアップセルに向けた施策を効果的にやるために参考にしたかった。で、これはStoc で拾った記事から見つけた本。
リアルな実験の結果を基に、いかに人間は不合理かということを書いた本。読んでて自分自身も「そうなー」と思うことばかりだった。特に興味深かったのは「アンカリング」と「手に入る喜びより失う悲しみが2倍」。翻訳本の独特な言い回しがたっぷりなので自分は少々苦戦したけど面白かった。

4月

『マンガでわかる統計学 素朴な疑問からゆる~く解説 (サイエンス・アイ新書)』

施策成果の定量的な評価に使いたくて統計学に再度手を出した。新卒2年目のときに会社で公募された「現代統計実務講座」という通信講座をなんとなーく受けて依頼、数年ぶりに統計学にトライした。国公立受験のため辛うじて数ⅢCを学んでいたが、死ぬほどしんどかった覚えがある…。(けどやりきった…!)
この本は、スーパー初心者で分かる内容になっていて、「感覚的に統計学ってどういうもんなの?なにができるの?」っていう疑問に対して大枠を理解できる。([統計学 本]とかでググるとすぐ出てくる有名な本)これを読んだ上でもっと実践的な内容を学んでいくかたちになる。
が、いま振り返ると、このあと統計学検定の本を買って他に興味がいってできてない…。2020年はやるぞ…!

『怒らないこと―役立つ初期仏教法話〈1〉 (サンガ新書)』

たぶんやりたいことがたくさん出てきて謎の焦燥感があったんだろう…、「せっかち故に逆に時間を浪費してる」という話をどこかで聞いてこれを読んだと記憶している。
「怒ることは非常に恥ずかしいことだ、自分がそんな完璧な人間なのか」とか、「怒ること」がどういう悪影響を及ぼすかを色々と書いていた。自分としては怒らない具体的な方法を知りたいという動機だったので、怒った先の不幸を想像して怒りを鎮める方法はしっくりこなかった…。
あと、読んでいるうちに「なにくそー」という内なるパワーが消えてしまう懸念を感じてしまい、客観的な読み方になってしまった。

5月

『日本進化論 (SB新書)』
『日本再興戦略 (NewsPicks Book)』
『超AI時代の生存戦略 ―― シンギュラリティ<2040年代>に備える34のリスト』

自分が関わる業界以外の日本全体・世界の未来についての議論をキャッチアップする時は落合さんの本に頼りがち。書き言葉本も語り本も言い回しとか章立てが分かりやすくて読みやすいし、頻繁に出版しているからというのが理由。ちなみに『デジタルネイチャー』は去年読んだが、難しすぎて一旦寝かしている。。

6月

5 - 6月は「リスク」分野のスキル磨きに集中していたので新しい本は読めていなかった。国から出てる指針とか通達とかパブコメとかを読み漁っていた。読本ではないが『AML/CFTスタンダードコース』に挑戦して合格したりしてた。

7 - 8月

『カスタマーサクセス――サブスクリプション時代に求められる「顧客の成功」10の原則』
『サブスクリプション・マーケティング――モノが売れない時代の顧客との関わり方』
『売上につながる「顧客ロイヤルティ戦略」入門』

CSチームでのアクションプランがうまく回るようになったタイミングでCRMの体制を整えたいと思い、一回さらっと読んでいただけになっていたものを再度読み直した。
ロイヤルティは百貨店では昔から当たり前に存在していたもので、カード業界でもロイヤリティプログラムの設定はほとんどの発行会社で実施されていた(それが正しい姿かはさておき…)ので、自分としてはそんな目新しいものではなかったが、ここ数年で動画配信や音楽再生等のあらゆる分野でサブスクへのシフトが進んでいることから、心理ロイヤルティが改めて注目されている。
カスタマーサクセスを実現し続けるには全社的な取り組みが必要で、それはパッションだけの話ではなく、全社的に「顧客の成功」を定義したり、各部門がカスタマーサクセスのための目標を設置したり等の組織づくりが重要。
モノではなく「決済手段」の提供でどうやって顧客の成功を導くのか、まずは「顧客の成功」の定義付けをするぞ、カスタマーサクセスの成功事例をスモール部分で示して全社的な活動にできるようにするぞ、という気持ちをグッと持った。

9月

9月にリスク分野のスキルを強化したい気持ちが再燃して試験勉強やらをしていた。これも読本ではなく、AML関連で金融AMLオフィサーの実践編の問題集。無事合格した。

10月

『実践 行動経済学』
『仕掛学』

3月に読んだ『予想通りに不合理』のときに読みたいリストに入ってたので買って読んだやつ。
経済学が示す教科書的な人間モデルを「エコノ」、現実の人間を「ヒューマン」と呼び、様々なケースでこの2つを比較して表現されるので分かりやすくてよかった。二冊とも「ナッジ」を中心に書かれていて、実験結果だけでなくどういう場面で「ナッジ」が効果を発揮するのかについても語られている。

11月

『5Gビジネス』

5Gができることをシュッて知りたい気持ちに突然なったので読んだ。何が実現できるようになるのかという大枠を知れた。個人的には自動運転にすごく期待している。人件費なくなることでタクシーが電車並の料金にならないかなって。

12月

『ビジネスプロセスの教科書』

自分のやりたいことや働き方とかの未来を考えた時に、独学でやってきた業務プロセス構築/改善の教科書読みたいな…、って思ったらその名の通りの本があったので読んだ。
ビジネスプロセスの構築/改善を主に担うポジションが海外では普通に存在することは初めて知ったし、自分がやりたいことが必要とされるものであると認識できたのは良かった。実務的な話はないが、業務プロセス構築/改善が必要な理由やその役割が整理されて書かれていてモヤモヤが晴れた気がした。

『無印良品は、仕組みが9割』

『ビジネスプロセスの教科書』に引用されてたので読んだ。
仕組みをつくることで全ての業務を「標準化」することで無駄を省き生産性をあげる、その上で標準化された仕組みを改善し続けていくことが大事、と読めたのだが、現状「仕組み化」が進められていなかったので実務的な面でも参考になった。

おわりに

結構その時々で気になるもの変わってて、自分としては意外だった。施策成果上げたい気持ち、CRMもっと強化したい気持ち、リスク分野強化したい気持ち、が入り組んでた1年だった。11月くらいに自分の将来目指すことを整理して「これやるぞ」を決めたけど、もっと早くやればよかった。

振り返って本全然読んでないなって気づけてよかった。あと、読んで確かに考えが広がっているのだけど、実務に活かしきれてないものがあったのも気づけてよかった。
来年はもっと本読むし、活かせることはすぐ行動してダメだったら即修正するようにする。読んだ時間や得たものを余すことなく活用したい。
2020年もグイグイ行くぞ。

- 2020年は2019年の倍、本を読む
- 活かせること見つけたら即行動する
- 統計学、行動経済学やり直し

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