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80代にVRを体験してもらうまでの道のり【Oculus Quest 2】

緊急事態宣言でまた外出に制限がかかりましたね。
そんな中、お年寄りにこそVRは良いのではないかと思いこの機会に試してみましたので記録を残します。

初回の結果

まずは結果から。動画でご確認ください。

とりあえず今のところは360度動画を見てもらうところまでですが、リアクションを見る限りは楽しんでもらえたんじゃないかと思います。
次回は動きのあるもの、自分で操作できるものを試してみてもらいたいところです。


使った物

Oculus Quest 2

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Chromecast

機材として目をつけたのは昨年発売されたOculus Quest 2
PC接続しないで使えるということで、介護施設に持ち込んで試してもらうには良いのではないかと思いました。

内容物はゴーグルと左右のコントローラー、電源。余裕で持ち運びできる。
とりあえず自分でやってみるところまでは若い方なら説明書無しでも画面の指示に従うだけでできると思います。というか付属の説明書にはろくに説明が載っていません。

他に必要なものは4つ

・wifi
・スマホ
・専用アプリ
・フェイスブックアカウント

参考:Oculus Quest 2基礎知識

自分も初めてでしたが、チュートリアルアプリをやった時点で控えめに言って最高と思いました。
物を掴んだりできるのね…

フェイスブックのアカウントと連携しないといけないという大きな、大きすぎる欠点はありますが、クオリティは良し。

子供は大喜び。そんなに重くないようです。

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新しいアプリや機械を触ることに慣れていない人はゲームを開始するのも難しいので、テレビにミラーリングして本人が見ている画面を確認しながら隣で操作を手伝います。

一人で楽しむなら外に映す必要は無いですが、介護施設での実演を想定しているので、ゴーグルをつけた一人以外も一緒に見て楽しめるようChromecastも用意しました。

参考:ミラーリング方法

子供を実験台にしながら自宅で使い方を覚え、良さげなコンテンツを探しました。
色々試した結果、視点が動くゲームはVR酔いするかもしれないので初回は360度動画を見てもらうまでにとどめた方が良さそうです。

私自身はジェットコースターのVRをやったら5秒で気持ち悪くなり、慌ててゴーグルを外しました。
それ以外も視点の動きが激しいゲームや動画(スキー動画とか)も全滅。
もっと楽しみたかった。
これは慣れる日が来るんでしょうか…

娘は酔わなかったので、休日にはVR+アナログ父(傾きと振動担当)でジェットコースターを楽しんでいます。


実施の手順

家で試した結果、初回は360度動画を見てもらうまでにしようと思いました。
ここからは「Oculus Quest 2を自宅以外に持って行って、自分で操作するのが難しい誰かに360度動画を体験させ、かつ周りでその画面を共有したい」という場合にのみ必要な手順を備忘録として記しておきます。
ひとりで楽しむ分には不要です。

今回の環境
・施設のテレビ(HDMI端子あり)とwifi利用
・持っていくのはOculus Quest 2とChromecast
・設定にiphone使用

1.Chromecastをテレビにつなぐ
HDMI端子にChromecastをさして初期化。
GoogleHomeアプリで携帯から設定を行い、施設のwifiとつなぎます。

2.Oculusを起動する
起動したら仮で移動範囲の設定をしてホーム画面を表示。
シェア設定から施設のテレビにミラーリングします。
ゴーグルで見える画面がテレビに写っていることが確認出来たら準備完了。

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3.興味がありそうな人に声をかける

今回は、週1だけ勤務中の介護事業所で許可をもらって突発で行ったので、その場で声かけになります。
パンダ専門誌(そんなんあるんですね)を買うぐらいパンダ好きと分かっている人がいたので、「パンダが目の前にいるかのように見えるゴーグル」としてお誘いしたりして、無事興味を持ってもらえました。

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4.位置を決めたら近くで自分がつけて再度設定し、コンテンツを選ぶ

位置が変わるたびに移動範囲の設定が必要なので、再度設定します。
座って見る分には静止モードでOK。
見てもらう動画を表示してから一旦ゴーグルを外します。

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5.ゴーグルを渡し動画再生

見る人にゴーグルをつけてもらいますが、一旦ゴーグルを外した時に動画再生も止まっている状態になります。
隣でテレビ画面を見ながらコントローラーを操作し動画を再生します。
向きがおかしくなっている場合の調整も隣で。
せっかくなんで見えている画面と本人のリアクションも慌てて記録。

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※必要に応じてやること

・プレイ中の様子を動画に残す
立派な撮影機材は無いので手持ちのiphoneだけでなんとかしました。
携帯の両面撮れる無料のiphoneアプリで本人とテレビ画面を撮影。
・シリコンカバー、使い捨てシートを使う
こんなご時世ですので、ゴーグルを共有するにあたり必要です。
購入時に付いているのはスポンジのカバーなので、汗や汚れを吸わないようにシリコンカバーが必須。洗えます。
また、複数名が使用するにあたって不織布の使い捨てシートを買いました。


雑感

介護事業所で試してみての感想です。
これはいける、と思いました。80、90でも要介護でも、やや認知症があっても普通に楽しめる。
眼の病気やめまいのある人は無理ですが、ゴーグルをつけられない人や周りで見ている人も画面を見て一緒にあーだこーだ言えるので、1台でも場としては成り立ちます。

自分の親が歳を取って施設に入ったら、と想像すると、「折り紙や塗り絵を楽しんでいます」って報告より「今月はVRで釣り大会やってました」と聞きたい気がするので、各施設に備え付けて欲しいと思いました。

ただ、まだ各施設が買って使うのは厳しそう。
フェイスブックアカウント問題と、そもそもスタッフが使えるか、機材を管理する暇があるのか…


とりあえずはswitchの方がいいかもです。
扱いやすく複数人プレイ可能。

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↑壁を擦りながら160㎞で飛ばす80代女性
マリオカートを見せたら「これは子供騙しの漫画じゃない!」と怒られたのでリアル系で。(GRID Autosport)


シニアの健康の最大の敵は暇と孤独。
今年はシニアのおうち時間をアップデートするべく色々と模索していきたいと思います。

都内の介護施設などで試してみたい方いらっしゃいましたら機材貸します。

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