電気柵を雨の中張って。

忙し過ぎるこの一週間。

朝、ケータイを見ると、不在着信のヤマ。みんな、自分が休んでる時を見計らって電話をしてきているよう。

午前中は面接。楽しみで、昨日の晩からドキドキしていた。

自分がこっちの立場になるとは夢にも思わなかった。1年前は緊張してガチガチになりながらあの椅子に座っていたのだ。

昼から柵設置の手伝い。その人は前回喋ったときから苦手意識があって、少し気が重かった。案の定、最初はムカつくような態度をとられて、はあ、と思った。中盤までは無言で作業を続けた。

不思議なもので、しばらくいっしょに作業していると妙な連帯感が生まれる。向こうが徐々に話しかけてきて、こっちも話すのは嫌じゃないという気がしてきて(こんな変な人と話せる自分すごいと思ったのかも知れない)、缶コーヒーを飲みながら色々話した。

柵を張は終えたときは、18時前だった。

田んぼを見ながら、

「この田は毎年やられる。5年前柵を張ったのにやられた。7月の二十日くらいからイノシシが入り出して、日に日にやられていく様子が分かる。見るのも嫌になってくる。コンバイン入れるときは、ほんとにもう、ツライ気持ちだった。

自分が子供のころはイノシシなど見もしなかった。お金掛けて対策をして、これで大丈夫だと思ったら、コーナーの所を突かれて穴開けられ、この有様。おかげでここは全然収入にならん。言葉悪いけど、本当に殺してやりたい、と思ったよな。」


8月、無事にこの田んぼな収穫の時期を迎えられるだろうか。

自分ごとのように緊張する。

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