見出し画像

向き合った日々と待ち続けたグリーンライトと静かに響いたなないろの話

「お待たせしました!」
「待ってました!!!!!」

いやいやいやいや、ちょっと待ってあなた。
もちろん待っていましたけれど、もっとゆっくりしていてくれてもいいんですよ。


いきなりミニ茶番から書き始めちゃっているわけですが、これはぼくの感情が良い方に不安定になっているためです。このnoteに辿り着いた皆様にはわざわざ説明するべくもない話だと思うのですが、ええと、そうなんです。2021年の7月16日が、また特別な「なないろの日」となったから、ちょっと感情が不安定なのです。

7月15日の夜半、Youtubeの音楽チャンネルTHE FIRST TAKEのツイッターアカウントが、24時間後に更新されるコンテンツの予告動画をドロップしました。「一発撮りで、音楽と向き合う。」をコンセプトにした、ガチの音楽チャンネルです。過去にはLiSAさんがあの映画の炎を披露したり、北村匠海が猫を歌ったりと、現在進行形で音楽と対峙している皆様のガチの瞬間が切り取られてきたチャンネルです。

ドロップされた予告動画のサムネイルには、スタンバイ中のあの5人が映しだされていました。一発撮りで、音楽と向き合う。そのコンセプトにピッタリ合致する彼女たちエビ中の面々が、このスタンドマイクの前に立っているのです。映像公開は7月16日の22時。さあ、いよいよ念願のこの舞台がやってきたぞ。

と、そのマイクの数が5本ではなく6本であることに気付けたかどうかの瞬間でした。金髪の坊主頭が、自然にさらっとフレームイン。みんなの「おかえり」の言葉のあと、静かに「ただいま」と返して、軽くアタマを下げる彼女。嬉しそうで、一瞬だけちょっぴり照れくさそうで、パッチリのおめめが変わらずチャーミングで。動画上では光の加減でわからなかったけれど、髪色は金ではなくって、緑だったんですね。

笑顔を見せるお姉さんに同級生、妹たち。軽い声出しをしながらヘッドホンを装着、明るい表情の中にも、真剣さの宿ってくる瞳。そして「わたしたちにとって、大切な曲を歌います」と美怜ちゃんが曲振りを入れたところで、この予告動画は終了となりました。
7月16日に歌われる大切な曲。それはもちろんなないろです。



「お待たせしました!」
「待ってました!!!!!」

もちろんぼくも、この日が来るのをずっと待っていました。悪い発言になりますが、正直に言うと、この日は来ないのかもしれないなんてことがフッと頭をよぎったこともありました。でもこの期間中はずっと、そんな弱気な考えなんて絶対に間違っていると、ぼくはなんだかいつも知っていたような気がしています。

4年前、あの大変だった年の7月16日。
春ツアー最終日国際フォーラムでの彩ちゃんは、ほかでもないなないろのサビで声に詰まって、歌の途中で「ああ、ダメだ」と言葉を漏らしてしまいました。19箇所を回ったツアーを通して、初めてのこと。あのツアーでの彩ちゃんは決意の塊のようなもので、ずっとずっとずーっと前向きな笑顔を見せ続けてきて、その最後の最後で、こらえてきた感情が決壊してしまったようでした。
そこで見えたのは、誰にも気付かれないように虚勢を張り続けた彼女の、背中合わせになった誇るべき強さと愛すべき弱さ。国際フォーラムの青い海の中で、彼女の背負った決意の大きさを思い知らされた瞬間でした。
そんな彼女が、帰ってこない訳がないんです。

その日から、ちょうど4年。
彼女は本当に強かった。強くなった。きっとそうに違いない。何故なら、いるべき場所にちゃんと帰ってきたのだから。去年の休養発表の際も、「安本を応援してくださるファンの方が1人でもいるのなら私はその応援をエネルギーに頑張ります!!! 大好きなエビ中に何度だって戻ってきます!!」と述べていた。その言葉通り、ちゃんと帰ってきたのだから。

虚勢でも何でもない。ステージ上での瞳だけじゃない。彼女は身体も想いも、とても強くなった。信じて待ち続けていたことが間違いでなかったことを、身をもって教えてくれたのだ。


「お待たせしました!」
「待ってました!!!!!」

彼女が帰ってくるのに際して、絶対に忘れちゃいけない存在がいます。
一度目の休養の際も、二度目の休養の際も、ぼくはぼくでいつもどおりムラサキのペンライトを振るために、わりと毎回に近い頻度で、客席から会場を眺めてきました。そしてそれら全ての現場において、彼女が不在の中でも、緑のペンライトが途切れたことはたった一度もありませんでした。

毎回ずっと緑を灯し続けた人。参加できる時にしっかりと緑を振っていた人。日によって、曲によって、歌詞によって、色を緑に変えていた人。いろいろな人がいらっしゃると思います。たくさんの人がこの光を束ねて大事に大切にしてきたこと。決して小さなことじゃなかったと思うのです。
グリーンライトが重なっていたから、6人の時間が止まることはなかった。メンバーも安心をして、イエローライトを歌うことが出来ていた。あんまし他人の気持ちを決めつけるのって好きじゃないんですが、メンバーにとって、本人にとって、ペンライトの緑色は嬉しかったに決まっている。力にならなかった訳がない。緑を全力で絶やさなかった皆さんのことを、ぼくは全力でリスペクトします。


ここまで書いて、いましがた、2021年7月16日の22時を迎えました。
2分のカウントダウンを経て、動画が公開されました。


みんなの笑顔、開かれる口元、閉じられる瞼、リズムと音程をとる手元、カラーを強調したアイシャドウ、目線のやりとり、仲間の歌を聴く佇まい、すべての表情、6人で合わさる声、歌い終えた後の数秒の静寂。
何から受け取ればよいだろう。

THE FIRST TAKEを視てください。聴いてください。
できれば、何度も。









「お待たせしました!」
「待ってました!!!!!」

ぼくらの大好きな6人のエビ中っていうスーパーヒーローは、きっとみんなが8月のファミえんを楽しくスッキリと迎えられるように、最後の最後のタイミングで駆け付けてきてくれた。やっぱエビ中最高だな。なんてカッコいいんだろう。



そしてこんど会うときは、みんなは9人のスーパーヒーローに変身しているのかな。そのときは、もっと大きな空の下で、もっともっとキラキラした世界が広がっているのかな。
きっとそうに違いない。何故なら、きっとそうだから。そうに違いないのだから。未来なんてどうなるかわかんないけれど、なんだかも難しいことなんてもう何もわからないんだけれど、きっとそれが正解なのだから。
今までずっと、裏切られたことなんてないのだから。きょうはそれをこの目で見せてもらったのだから。
それできっと間違っていないと思うから。





画像1


そして、最後に。
いつもいちばん見守っていたあなたへ。

あなたの大好きなエビ中は、
きょうまたひとつ、強くなりましたよ。
みんなの止まらない気持ちはまだまだ続くと思うから、
変わらずにキラキラとした青空であってください。

お誕生日、おめでとうございます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?