見出し画像

ホワイトアルバムと6873文字の彩りとDrawerたちのナガレボシの話・前編

3月23日にエビ中さんが7枚目のアルバムをリリースしました。アルバムタイトルは私立恵比寿中学というもので、いわゆるセルフタイトル作品。メジャーデビュー10年目にして「エビ中とはなんぞや」を、世の中に知らしめにきたように思えますですよ。

アルバムジャケット

アルバムジャケットは上の画像のようにまっしろ。実物をよく見るとまんなかちょい右下にアルバムタイトルである私立恵比寿中学の7文字が、下方右端にはシリアルナンバーが刻印されています。…アイドル様のアルバムと考えると、だいぶまた攻めたデザイン。一部ではすでにホワイトアルバムなんて呼ばれていますね。

ツアーロゴ

4月からエビ中さんはこのアルバムをひっさげて、全国ツアーに出ることが決まっています。ツアータイトルはdrawer、ツアーロゴを見るかぎり絵描きさんという意味ですよね。

うん。まっしろなジャケットとカラフルな絵描きさん。ぼくは気付いてしまったのですが、このツアーはたぶんきっと私立恵比寿中学というホワイトなキャンバスにdrawerたちが様々な色で未来を描いてゆくのがテーマになるわけです。そうにちまいない。ツアー初日、4月16日の八王子公演で、舞台上にどのような風景が描かれるのかがとてもたのしみです。

しかしですね。ぼくはツアーが始まる前に、別の色塗りを始めてしまったのです。上の図が何を表しているかわかりますか?円の中心に向かって伸びる線。そして塗り分けられた9色+1色。なんだろう。これはなんだろう。

カンの良いかたはもしかしたらわかったかもしれませんね。そうです。アレです。アレを示したものなのです。

そうです!正解はこちら!
Anytime, Anywhereで各メンバーが担当した歌詞の文字数を数えて円グラフにしたものです!

そうなんです。今回も誰にも望まれていないぼくだけが疲れる企画、「7thアルバム・私立恵比寿中学で、誰がどの曲でどのくらいの歌詞を担当しているのだろう選手権」を開催してしまうのです!
それでは元気よくいってみましょう!!

ここで念のため注釈です。
このブログ、このあとは能天気でくだらないデータがだらだら並ぶだけのものです。しかしある程度書き進めてたさなかに、例の大きな発表がありました。正直こんなもんUPすべきじゃないかとも考えたりしましたが、なんていうかこういう時にこそ平時通りのくだらない話題をしておくのもまたひとつの選択。気分転換でもしてみよっかなという余裕のある方のみ、読みすすめてみて頂ければと思います。

  


では改めて。

第1回!
7thアルバム・私立恵比寿中学で、誰がどの曲でどのくらいの歌詞を担当しているのだろう選手権

以下、軽くレギュレーション書いておきますね。

・各曲の歌詞をひらがなにして1文字ずつ数えました。
・アルファベットは発音の有無に関わらず1文字ずつカウントしてます。
・ぜんぶで6873字ありました。
・ハモってるとこで歌詞カードに名前の明記があるものは各人にカウント。
・ALLとなっているとこは各人それぞれでなく「全員」としてカウント。
・なるたけ正確に数えたつもりですが不備あったらすいません。
・そんな不備も優しくスルーしてくれる世界線てステキやん?

各曲には簡単な感想や思ったことなども付け加えさせて頂きます。データだけだったら見てみたいかなという方は、以下各曲の感想部分…灰色枠内は読み飛ばしていただいて大丈夫な新設設計になっています。
それでは1曲目から。


01.Anytime, Anywhere

■■ ポイント ■■
比較的メンバーごとの偏りが大きめ
安本さん真山さん多めココユノノカ少なめ
全員で歌う部分がそれなりに大きな割合

<感想と解説>
上記のとおり担当箇所にはだいぶ偏りがあるのですが、安本曲・真山曲という印象、あんまないですよね?その理由は2つあるとみています。
ひとつは、全メンバーが短いセンテンスを軽快に歌い繋いでいくため。マイク独占っていう時間がほとんどないからです。ふたつめは、全員で歌う部分が多いこと。グラフ青色部分が大きいことからもわかるように、良いペースで良い感じにみんなの出番が回ってくるのです。楽曲自体のテーマと相まって、ハッピーな作品に仕上がっているということですね。


02.イエローライト

■■ ポイント ■■
プライドメンバー6人がほぼ均等に歌詞を担当
ココユノノカは3パーセントずつと控えめ
細かくみるとハモリのみの出番となっている

<感想と勝手な解説>
この曲は、アルバム発売の1年以上前にライブで初披露されたもの。たむらぱんさんも6人楽曲として発注を受けて作ったのであろうと思われます。だので、事実上6人体制最後の楽曲と捉えても間違いではないですね。
音源として聴くと、いままでライブではとらえきれなかったような細かいエフェクトなどに気付かされます。ぼくもこれを聴いて、この曲の印象がだいぶUPしました。披露時などにメンバーが「大切にしたい曲」だと言っておりましたが、みんなが完成形として見据えていたのはこの音源の形だったのかと。ぼくが感じていた以上に、この曲に助けられていたのだろうなと気付かされた次第です。こんごも心して聴いていきたいと思います。


03.きゅるん

■■ ポイント ■■
全員で歌唱する部分が全体の4割でだいぶ多い
安本柏木ペアの割り振りも比較的多め

<感想とだいぶ勝手な解説>
ココナさん激推しK-POP的アプローチの楽曲。軽くエフェクトがかったみんなの歌がとってもおしゃれさんです。フリ入れされたら、どんな感じになるのでしょうか。
4割が全員部分とカウントされたのは、歌詞がCuru-po-pu-rura Curu-po-pu-ruraというアルファベットになっているため。そしてこの全員歌唱パートと個人パートが順繰りに現れるという構成が、どことなくこの曲のK-POP感を高めているようにぼくは感じるのです。
あと安本柏木ペアの割り振りが他メンの2倍ずつくらい。実質あやひな曲だといえるので、そちら方面が好きな方は心して聴いてどうぞー。


04.ハッピーエンドとそれから

■■ ポイント ■■
全メンバーの歌割りが均等になっている
桜木さんが主力めいた活躍をしている
全員で歌唱する部分のない「リレー曲」である

<感想とひとりよがりな解説>
ここまできて、やっとココユノノカにも先輩と並ぶくらいの歌詞が任されました。とくに桜木さんはラスサビ「もう昔話でいいから」とか印象的なフレーズもしっかり担当。間違いなく主力です。テレ東Melodixでパフォーマンスが披露された際、曲はじまりのセンターが桜木さんであった理由も、歌詞割りを見ると納得できる出来る気がします。
とは言いつつ、この曲の一番の聴きどころはブレイクの安本さんに尽きると思うのです。ピッチの正確さに加え、歌声の細さやブレスなどがすべてパーフェクト。今までの彼女のプロダクトの中でも、トップの位置にきて良いものなのではないでしょうか。


05.トキメキ的週末論

■■ ポイント ■■
全メンバーで比較的均等な割り振り
その中で星名中山ペアの出番が目立つ
柏木桜木ペアも負けていない

<感想とだいぶひとりよがりな解説>
児玉雨子さんによる、オメカシフィーバーに続くハロプロ調ダンスチューンです。ハロプロさんのことよく知らずに言ってます。ごめんなさい。
目立つのは星名中山ペアの出番の増加。ふたりはオメカシフィーバーでも大きな存在感を放っていたもので、児玉楽曲にマッチしやすいのかもしれません。そしてダンスチューンであるためか、柏木桜木ペアの出番も多くなっています。
Rollingstoneのインタビューで、今回のアルバムで強く歌う曲はこの曲くらいだったという言葉がありました。きっとツアーでは良いアクセントになるはずです。オメカシからの週末論なんていうディスコな流れが発生しちゃうんでしょうか。楽しみですね。
だれかメンバー皆様にガソリンを渡してあげてください。


06.シュガーグレーズ

■■ ポイント ■■
ののかまるさんの担当箇所が一番多い
歌いだしも締めも両方がののかまる
3人のなかで最初の大役

<感想とわかったような解説>
実験作のようでいて、心に残る作品ですね。
EDMやエレクトロやチップチューンなど、多様なクラブミュージックがジャンルレスに繋がってゆく感じ。話によるとボーカル録りは2テイクくらいで終わり、そこにオートチューンなどエフェクトを大胆にかけていじくられて仕上げられたものなのだそう。
料理にうといので調べてみたのですが、シュガーグレーズとは砂糖と水と香料を煮詰めたもののこと。なるほど、この曲もエビ中メンバの歌声という素材がしっかり煮詰められ、不思議な甘さに仕上がっています。
歌割りを見ると、先発とクローザーの両方を任されたののかまるさんの配分がトップです。ココユノノカの中で歌いだしの担当を得たのは彼女だけ。これもまた興味深いところです。


07.さよなら秘密基地

■■ ポイント ■■
みんなわりと均等に歌詞を担当
だけど小林歌穂さんの比重が大きい
とにかく小林歌穂さん

<感想となんか鼻につく解説>
実験作のような楽曲に続いて、問題作というか野心作というか、面白く不思議な楽曲。
ちょっとしたミュージカルのように、コラージュされた写真集のように、幾重にも展開を連ねてゆく曲調。メンバーがショートフレーズをスピーディにつないでゆく散文的な物語は、どこか小劇場系演劇の脚本に近いものを感じます。ポンパラにも近いかな。ていうか、こんな曲どうやったら作れるんだろう。
歌割りで目立つのは小林歌穂さん。彼女のやさしい歌声が、秘密基地を壊すことなくいつしか立ち去ったぼくらに、もういちど心の拠り所の幻影を見せてくれるような気持ちを呼び起こします。歌割りの通り、この曲は小林曲であると言い切って良いものだとぼくは思うのでした。彼女の真骨頂です。


08.ナガレボシ

■■ ポイント ■■
あやひなペアがしっかり支える正統派バラード
ココユノノカは控えめな出番に・・・

<感想と思い込みのひどい解説>
素直な美しいメロディラインをグッと聴かせる曲で、一人ずつ歌い継いでいって最後に全員でフィナーレという王道の構成。挑戦に満ちたアルバムですが、こういった正統派楽曲があるとなんだか安心させられます。
というのも、こういった楽曲が過去作などとの良い対比を見せてくれるものなのです。例えばりったんさんの歌声。彼女の声は、いままで以上に表情がしっかり載っているような感じに聴こえてきます。そうやってみんなが積み重ねた努力の日々の先に、幸せが待っているのです。
安本柏木ペアの美しい歌唱はもちろん、印象的な箇所に入ってくる真山さん小林さんの歌声も聴きごたえがあります。ココユノノカの出番は少なめですが、それはきっと伸びしろってやつ。今後の彼女らの歌の変容にもまた期待したいですね。


09.宇宙は砂時計

■■ ポイント ■■
全員パートなしのゆっくりリレー曲
テーマ部をうたう安本星名のふたりが担当多め

<感想と狭い視点からの薄っぺらい解説>
サラサラ時を刻む砂時計のように、静かに進んでゆく楽曲。ところどころのエフェクトやメンバーの歌声の抑揚で、宇宙の壮大さも感じられるように思えます。
この曲もハピそれと同じでリレー曲。ただ、歌詞の一文を細かく分割し次々にリレーしていったハピそれと違い、こちらは各々がワンメッセージずつゆっくりと繋いでいきます。楽曲のゆったりテンポとも相まって、宇宙の下での寂しさが現れているような気もします。
安本さん星名さんのふたりは「砂時計をさかさまにして、何もかもやりなおしたい」というテーマの根幹を担当されたため、割り振りが多くなっています。星名さんの落ち着いた歌ってのも魅力的ですね。

ところでこの曲のE-PIANOのテイスト、最近どこかで聴いたような気がするのですが、何の曲だったか思い出せないのです。記憶をたどったらモーモールルギャバン『サイケな恋人』に行きついたのですが違う気がする。誰か心当たりあればご一報くださいな。

10.イヤフォン・ライオット

■■ ポイント ■■
多少の偏りはあるが分担はわりと均等
全員歌唱パートもそれなりの分量
英語パートの星名桜木ギャルコンビ分量多め

<感想となにさま目線だよという解説>
静かに続いてきたアルバム後半戦をひっくり返すように、賑やかな曲でホワイトアルバムは大団円。元気で賑やかなところこそが彼女たちの一番の魅力だということを、しっかりアピールすることに成功していると思います。
ゆのピさんの担当がちょっと少なめですが、転入3カ月後にドロップされた楽曲です。まだ個性を出し切れていなかったものなのかもしれません。これからですよね。これから。
あとカッコよさの権化である終盤の真山柏木ハモ部分ですが、歌詞カード的にはwowの3文字だけでしたので3文字としてカウントしています。世の中ってやつはいつだって理不尽なものだ。


といったわけで・・・

本記事では、アルバム収録曲10曲それぞれについてデータをまとめてみましたよ。歌割りから見たそれぞれの楽曲の姿は皆様にどう映りましたでしょうか。
もしかしたら楽曲を読み解くための何らかのヒントになった方もいらっしゃるかもしれませんし、「これを知ったところで何を思えば?」という至極まっとうな感想に落ち着いた方もいらっしゃ・・・圧倒的に多いと思います。「時間返せよ」と憤慨される気持ちもわかりますが、すいませんけどそれは無理。宇宙は砂時計ではないのです。

とはいえ、だいぶ長くなってしまいました。
そろそろ読むのやめとこうかなという真人間の皆様のために、ここらでいったん区切ることにいたします。

アルバム全体で見た場合、各人の割合はどうなっていたのか。7thアルバム『私立恵比寿中学』は、どのような色あいで描かれたアルバムであったのでしょうか。
そういったまとめ部分は、後編の記事でお伝えさせていただきます!
後悔しない人だけが自己責任で訪れてくださいな。

<後編はこちら>



ではこちらの記事はここまで。
おやすみなさいグー。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?