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ホワイトアルバムと6873文字の彩りとDrawerたちの秘密基地の話・後編

といったわけで、後編です。
前回は7thアルバム『私立恵比寿中学』に収録された全10曲の、各人への歌詞の分担を見える化してみました。

<前回のnote>

上リンクの前編を読んでみて、覚悟とか諦観とかを持った方だけが後編に訪れていただけているものだと思います。ありがたいことです。

それでは後編、各種まとめです。皆様の心が折れる前にすすめていきまっしょい。


 

第1回!
7thアルバム・私立恵比寿中学で、誰がどの曲でどのくらいの歌詞を担当しているのだろう選手権・チキチキまとめスペシャル!!

アルバム全体について

ホワイトアルバム「私立恵比寿中学」の真っ白なカンバスに描かれた風景ってのは、どういった感じに聴こえてきましたでしょうか。
アルバム通して各人が担当した歌詞の割合は下図のとおりです。皆様のイメージどおりになっていますでしょうか。

■■ ポイント ■■
オリジン4人 > カホリコ > ココユノノカ
大ざっぱに見ると若者3人の出番がちょっと控えめ
キャリアの違いのわりにそれほど大きな偏りは発生していない

<感想と独りよがりの度が過ぎる解説>
やはり安本さんと柏木さんを中心に、先輩メンバーの方が歌詞の割り振りが多くなっています。
個人的な感覚でいうと、いきなり若者3人が先輩と割り振りが並んでいたとしたら、きっとそちらの方がバランスが悪くなるように思えます。まずはこんな色合いからのスタートで良いと思うのです。
エビ中は横一線のグループであって、そこに年齢の違いなどは存在しないと思うのです。けれど、いまは正しい横一線を探し形成している時期。一口に横一線といっても、いろいろな形があるのです。きっとね。


各楽曲と皆さんの歌について

こちらが各曲ごとのパーセンテージを表にしてまとめたもの。青字はそれぞれの曲のトップランナーです。安本曲と柏木曲が多かったと捉えてよいのかな。今回はゲスト的なシンガーがいなかったため、「ほか」の欄は0%となります。


真山さんは前に出たり後ろに引いたりと、ミッドフィルダー的な役割を担っています。しかし名バイプレイヤーといった立ち位置だけでなく「切ない」から一歩踏み込んだ「憂い」に届くような歌を聴かせてくれるなど、深みを増した個人技もご披露。大きな力を発揮されています。

安本さん
は見てのとおり大活躍。微差ではあるものの、アルバムを通して最も多くのことばを発しています。復帰の折に「何度でも戻ってきます」と強く語った安本さん。名実ともにエビ中の大黒柱となったことが、最もよくわかるアルバムになったかもしれません。

星名さん
の歌声は、相変わらずキラキラしていてとても華やかです。そこに加えてこのアルバムでは、彼女の女性としての確立というものが歌声の中に見えるように思えます。星名さんだからこその、賑やかさ、静かさ、力強さ、繊細さ。間違いなく歌の幅が拡がっています。

柏木さん
に関しては、もう言うことナスですよね。歌声につけられた表情がとても豊かで、彼女のパートによって楽曲にどんどんツヤめいた光が生まれている感じがします。改めて、ディーバといった表現が彼女にぴったりだなあという感想になるのです。


小林さんの聴く者を優しく包み込む様な歌声は、歌ウマメンバーの陰に隠れつつエビ中の大きな武器になっています。その最たる例が感情電車だったのですが、さよなら秘密基地でも真価が発揮されています。こうした二の矢・三の矢となる武器にこそグループの底力が宿るのです。

中山さんの歌声には、キャラクターがしっかり宿っているように感じることが多々あります。たとえば彼女の歌う「ぼく」という一人称には、広義でいうところの少年がしっかり存在しているように聞こえてきます。エビ中の多様性の一翼に、りったんさんがいるのです。

桜木さんは、早くも自己プロデュース力の高さを知らしめてくれました。ハピそれや週末論、イヤライなどでの見せ場がとにかくかっこいい。ちょいとハスキーな歌声も大きな武器になっている。これからどんな活躍を繰り広げるのか楽しみでなりません。

小久保さんは全体的には割り振りが少なめとなっているものの、所々に印象的なフレーズがあります。ハピそれ「今でもね、年はとったけど」なんて部分は美怜ちゃんも太鼓判。ゆのピさんにしか表現できないものってのが、今後きっとたくさん出てくるはず。

風見さんは歌声にも真面目さが表れていて、各曲とだいぶまっすぐ向き合っている印象。ぼくは勝手に、彼女はまだちょいちょい遠慮しちゃっているようにも感じるんですよね。まっすぐな歌声に、もっといろいろな表情や表現や遊びが乗っかってくる日が楽しみです。

3人の歌声は、まだぜんぜん完成には遠いと思うのです。これは悪い評価として言っているのではなく、そこに希望があると言っています。彼女らの歌声には、個性と未来が詰まっているのです。中学生として今後どんな変化を見せてゆくのか。想像もつかないくらいの広い広いキャンバスに、どんな色をもたらしてくれるのか。それを見守ることって、とても楽しいことなのではないだろうかと思うのです。



まとめのようなもの

といったわけで、7thアルバム『私立恵比寿中学』について余計な方向から読み解いてきたこの企画ですが、そろそろ〆たいと思います。

中学校ってのは多様性の見本市のようなもので、目だった発言をする元気者がいて、口数が少ないクラスメイトもいて。そしてそれぞれが得意不得意を持っていて。そんな多種多様十人十色がなんだかんだで混ざりあわさって、その時にしか見られないような輝きを生むことがあって。

ぼくがリアル中学生だったころも、似たようなことはあったと思うのです。でも彼女らとぼくの過去とで決定的に違うのは、彼女らが本気で全力を出していることと、彼女らが本気で皆を信用信頼できる関係にあるといること。そういう環境って、滅多にないものですよね。


今回のアルバムも、そんな奇跡のようなキラキラとした貴重な一瞬が切り取られたものになっているように思います。
しかしエビ中さんには現在進行形で変化が起こりつつあるところで、このあとの数か月がいろいろデリケートな一瞬の積み重ねになることは確かです。

6年前の春ツアーの直前でしたっけ。校長は配信番組で休養明けの柏木さんについて、「ひなたの今は、いましかないから」という言葉を使っていました。この言葉、エビ中コンセプトの真理を捉えているものだと思うんですよね。つまり、みんなの今は、いましかないのです。

今週末からアルバムを引っ提げてのツアーが始まります。このホワイトアルバムのキャンバスに、いまこの瞬間しか出すことのできない本気で全力な各人の色が着けられていきます。全力drawerたちは、どんな景色を描きあげてゆくのでしょうか。そういう意味で、ここで繰り広げられるものは、まさにライブ・ショウになると思うのです。
見る側としては、そりゃもう全力で楽しみつくすしかないと思うのです。

といったわけでそろそろ寝ますです。
八王子公演がたのしみだ。三階だ。
おやすみなさいグー。




おまけ資料館

歌い継ぎ表01・エニエニ
各曲の歌の出番を図示したものです。
よみとり方はなんとなく察してください。
上が曲はじまりです。

歌い継ぎ表02・イエローライト

歌い継ぎ表03・きゅるん

歌い継ぎ表04・ハピそれ

歌い継ぎ表05・週末論

歌い継ぎ表06・シュガーグレーズ

歌い継ぎ表07・秘密基地

歌い継ぎ表08・ナガレボシ

歌い継ぎ表09・砂時計

歌い継ぎ表10・イヤライ

各曲ごとの文字数


といったあたりで終了です。
おつきあい本当にありがとうございました。
おやすみなさいグー。

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