見出し画像

心構えの話=精神論の人 ではない。

仕事のやり方、仕事のコツ、みたいな話が各所でなされていると思うんですよね。で、もう良い年になってきたおぢさん達としては、これまでにいろいろ経験したことも踏まえて、ああだこうだとしなくても良いアドバイスをして嫌われてしまうわけなんですよ。

まぁ、何を言っても嫌われるのですけど、特にいやがられるのが「心構え」の話です。

ーーー
有料note(100円)ですが、最後まで無料でお読みいただけます。ご購入いただくと、僕のnoteがプレミアムにアップグレードされ、予約投稿が可能になり、定期更新が捗ります。よければポチリとご支援ください。
ーーー

心構えが整ってるだけではダメ

心構えのお話が、なぜいやがられるのか。それは、精神論に聞こえちゃうからだと思うんです。でも、驚くことに、実はこれ技術の話なんですよ。

技術なので”再現性”が高いんです。また、汎用性が高い、言い換えれば、応用が利くんですよね。その効果は絶大です。なんだか役に立ちそうな雰囲気を漂わせている小手先の「行動のコツ」よりも、実際のところ、仕事の成果に直結します。

あと、そもそも、大きな勘違いがあると思うんですが、「心構えさえあれば、それがベストな状態だ」って話じゃないんですよね。これが。

心構えと成果は、分けて考えるべきなんです。

極端な事を言うのであれば、
■ 成果がでているなら、心構えはどうでも良い。
■ 成果がでてないなら、心構えに問題がある可能性がある。
といえます。

つまり「心構えが一番大事!」という話にはならなくて、結局のところ「どう成果を出すか?」に帰結するお話なんですよね。

上司は、部下が成果を出すために、再現性の高いアドバイスをする責務がある

若手の皆さんにはまだイメージがつかないかもしれませんが、マネジメントを担当すると、「自分の部下がしっかりと成果を出すこと」が、自分の成果になります。

それは、つまり、成果の出ない部下に対しては、「何かしら支援して、成果が出るようにする」ことが求められるってことです。

これは、上司に限らず、同僚や後輩であっても、周りの人がしっかりと成果を出せるように支援するケースが多いです。なぜか。それが会社組織だからです。

あなたが一人で仕事をしているなら、別に周囲の人の成果を気にする必要はありません。しかし、会社組織というのは、社内で役割分担・機能分担をして、競合他社よりも良い業績を上げることを目指しています。

営業だから自分が沢山売ればいい。は、局所解としては極めて正しいのですが、会社に所属して給料を受け取る(特に、業績連動のボーナスなど)ということであれば
・所属するグループ、課、部、本部の単位での売り上げはどうなの?
・社内の別事業も含めたトータルの売上はどうなの?
・案件種別ごとの利益率はどうなの?
・会社全体で利益はでているの?
みたいな視点が必要になってきます。こうなると、個人の売上だけを追えばいい、ということにはなりません。

部門としての数字目標を達成し、会社がしっかり儲かること、を目指して動くんだ、と考えると「みんなが/みんなでしっかり成果を出すこと」が大切です。

再現性の高いアドバイスに「心構え」が含まれる

そんなわけで、上司あるいは先輩は、後輩が成果を出せるように支援しようと思うわけですよ。お節介に聞こえるでしょうし、役に立たないなと思うこともあるでしょうが、彼らは彼らなりに、自分の責務を果たそうとしている、ということは頭の片隅に置いておいていただきたいです。(懇願)

で、この支援をする際に、「心構え」も一つのアドバイス内容になるわけです。

ただ、先ほども述べたように、心構えが全てではないし、心構えでは解決しないことも沢山あります。だから、心構え以外の指導項目を持たないマネジメントが蛇蝎のごとく嫌われるのは仕方ない

でも、だからといって、心構えに関して一言述べた瞬間に、その人のことを「精神論の人認定」しちゃうのは間違っています。いろいろな状況において再現性のある仕事術の話をしようとしている中で、心構えのお話が混ざるのは、そんなにおかしなことではないんです。

問題は「体系的な仕事のやり方」が存在しないこと

とはいえ、実際のOJTの現場を眺めていると、上司・先輩だけに責任があるとも言えないよなーと思うんですよ。

というのも、彼らって、誰かに「仕事のやり方を体系的に教える」必要性を認識してないんですよ。特に、突然部下を持った管理職候補はそうなりがち。

そうすると、
■ 自分の成功体験を言語化できていないので、具体例だけ話してしまう
■ 概念に昇華されていないので、精神論っぽく聞こえるものが増える
ということになります。

なんでそんなことになってんの?というと、そもそも、彼らも体系的に教わっていないんですね。

人を育てる、育成する、というのは本当に難しいです。そこには、体系化された育成のテクニックが存在しているべきなんですよ。これは「部下には優しく接しましょう」「怒らないようにしましょう」とかいう話ではありません。何を伝え、どのように態度変容を促すか、の話をすべきなんですよね。

このあたりができてない上司・先輩が多いのは問題だとは思うものの、そうだとしても「彼らから学び取れること」は沢山あるはずなので、自分の成長のための有益なインプットとして、もっと彼らを活用できないか?と考えてみるのも一案だと思いますよ。


さて、字数もだいぶ増えてきましたし、そもそも、若い読者の方に心構えを説いて嫌われたくはないので、具体的な「心構えの内容」については本稿では触れないことにしておきます。

なお、上司の方向けに書いた 「”指導”の考え方」については、以下の記事もご参照ください。


ここから先は

0字

¥ 100

いただいたサポートは、このnoteで紹介する書籍の購入に使わせていただきます。