不要不急の試金石

不要不急、は、実際にスクリーニングしてみないと分からないわけですよ。
そして、今回のコロナ騒動によって、半ば強制的に、「俺なりの不要不急」を各自が見出したのではないでしょうか。

今日は、何が「不要」もしくは「不急」だったのかを考えてみましょう。

会社の懇親会

いやー。会社の懇親会、バンバン無くなってますね。ヤバイですね。
これは、「不要」だったのかどうかまでは判断しかねますが、少なくとも「不急」だったのは間違いないです。

ただ、やっぱり「不要」だったという可能性もあるので、そこはコロナ騒動収束後に検証が必要ですね。(まぁ、規模とか頻度は見直されてしかるべきでしょうね)

デフレ系居酒屋での宴席

●民とか、●笑とか、それ系の「安くてそこそこ食える居酒屋」が和洋中、様々な業態で軒を連ねているわけですけれど、これらは、おそらく打撃がデカいです。

懇親会同様、「不要」とまでは言いませんが、「不急」だったんですよね。

一方で、予約困難店や、ファンの付いている個人店は、比較的頑張っていると感じます。

(ただし、どちらが潰れやすいか?というと、巨大資本に支えられているデフレ系居酒屋ではなく、細々とやってる個人店の方だというのが実態でしょう。なかなかツラいところです)

出社(特に、定時出社)

リモートワーク、最高ですね。僕は、もともとそんなに会社に行くわけではなく、クライアント先やカフェ、自宅などを柔軟に使い分けて仕事をしていました。

いま、全国的にそうなりつつある、ということだと思います。みんな、もう、覚えてないと思いますけど「ノマド(遊牧民)ワーカー」って言葉、ありましたよね。アレですよ、アレ。温故知新感あるわー。

出社しなくても、大半の仕事はまわります。弊社の場合、10時-15時がコアタイムなので、10時出社をする人が多かったんですが、コロナを機に「原則リモートワーク(来るべき理由が無ければ来るな)」と舵を切った結果、8:30 - 9:00には、slack上で議論が活発に交わされ始める*という事象が観測されています。

いやー、「会社に行く準備をして、電車に乗って移動する」ということが、如何に無駄だったのかと痛感します。弊社の場合、会社の徒歩圏内に住むと住宅補助をするという仕組みなので、多くの人が近くに住んでいるのですが、それでも「移動の無駄」は強く感じます。

会社にいる=仕事している、という図式が、そもそもおかしかったわけで、つまり ”会社に来てるが仕事していない人” が、会社/組織にとって「不要」だと明確に認識されたと言えそうです。(※働かない2割のアリ理論についてはコチラをどうぞ)

*:なお、これは、弊社が長年かけて「仕事に対するスタンス」を会社のDNAとして培ってきたという証左だと思うんですよね。他の会社でリモートにして、こういうことになるとは全く思いません。また、これが、全ての会社にとってベストなあり方だとも思いません。ケースバイケースです。誤解無きよう。

対面ミーティング

多くの場合、「不要」だったと言えそうです。zoomで、9割方は代替できます。
僕の場合、ファシリテーションをすることも多いので、対面の方がやりやすいケースもありますが、無理すれば置き換えられる(多少効率は落ちるけど)ということが分かりました。

ただ、会社に参画してすぐの人を受け入れるときや、プロジェクト立ち上げ初期などは、(自社内、クライアント同席の隔てなく)対面で行う必要があるということが分かりました。

大企業が、コロナ騒動収束後に、どういう方向に舵を切るかは分かりませんが、少なくとも、ベンチャー/スタートアップ界隈は、騒動収束後も、リモートワーク比率を下げることはないだろうと思います。(まぁ、現在は極端にリモートに振ってるので、もうちょっと揺り戻すでしょうけれど)

広いオフィス

その結果、広いオフィス、は「不要」だと判明しました。いやー、固定費下がりますね。

その一方で、自宅の環境を整えるニーズが高まります。光回線を引かない若者には、会社が補助を出してでも敷設させた方がいいでしょう。あるいは、モバイルルーターも配布すべきでしょうね。都心の地代家賃に比べたら、安いんで、配っちゃえばいいと思います。

反面、リモートアクセスに対応するために、適切なセキュリティ設定などは求められます。そのあたりは、追加コストが必要になります。

尚、大企業の「ガッチガチのセキュリティ設定」が、機動的な働き方に耐えられない、ということも証明されたので、そのあたりの思想も大きく変わってくるでしょうね。

法人契約のSaaS系サービス

これは、まだ顕在化していないと思うのですが、そろそろかなと。

コロナ騒動による「業績への影響」を、各社が見込み始めました。そのときに、最初に削られるのが「使われてないSaaS」です。

しっかり業務に組み込まれて、日々、使われていれば大丈夫ですが、そうでないものは「RoIが合わない」として「不要」の烙印を押されそうです。

一方、zoomやslackなどの「リモートワークのために必要なもの」は、一気に伸びるでしょう。結局のところ「生き残るために必要なモノ」は重宝され「見せかけを飾るために必要なモノ」は有事には淘汰されるんですよね。


【現時点のまとめ】

きっと、今後、状況が刻一刻と変わっていきます。いまよりひどい状況になることもありますし、急激に事態が改善するかもしれません。その結果、このnoteに追記や修正を加えていく必要が出てくるかもしれません。(コロナ騒動に対するスタンスについては、コチラもご一読いただければ幸いです。)

しかし、いつかは収束する、という風に考えると、「今後の人生」において、上記の学びは極めて重要な意味を持ちます。すなわち・・・

・質実剛健なものは残り、華美なものは消える
・質実剛健になろう(己の提供価値=顧客便益と真摯に向き合おう)
・形式にとらわれず、本質をみつめよう。無駄な形式的ルールには疑問を抱こう

というような行動規範に繋がっていくわけです。

顧客に、社会に、友人に、家族に、「必要とされる存在」を目指していきたいものです。 -ここまで3/19時点-

いただいたサポートは、このnoteで紹介する書籍の購入に使わせていただきます。