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どこでギアチェンジするか|人材育成を考える

怒られない方が伸び伸びと成長できていいとか、鉄は熱いうちに打ての精神でちゃんと躾けられるべきだとか、知らなきゃできないのは当たり前だとか、過去のやり方に囚われるべきじゃないとか、いろんな「育成の宗派」がありますけど、すべて方法論の話です。

方法は色々あってよいんですが、ゴールがブレることはありません。ゴールは「成長すること」です。

成長の定義、というものは色々あるという意見もあるでしょうけれど、「ひとりだちできる」「仕事を回せるようになる」みたいな感じ、というイメージ論のレベルで ”違う” という人は、まずいません。ゴールイメージは、大体あってるんですよね。

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成長のカギは、ギアチェンジ

で、成長の鍵は(多くの場合)ギアチェンジすること、です。

ぼくも長いこと社会人やってるので、それなりに後輩だとか部下的な人たちとお仕事する機会もあるんですけど、彼らは、ぼくが彼らの年齢だった時に比べて、遜色なく優秀だと思いますし、なかには明らかに当時の僕より有能だなぁと思う人もいます。

ただ、さすがに、経験量が違います。くぐった修羅場の数も違います。なので、「ヤバい、と感じる嗅覚」「ここは勝負所、と見極める勘所」とかは、僕の方が上ですし、その切り抜け方も僕の方が多くの打ち手を持ってます。そりゃそうだ。

なので、なにかしら、育成するみたいな話になります。個人的には、そんなことをしたいわけでもないんですが、まぁ、仕方ないわけです。チームとして仕事して、成果を上げないと、クライアントへの責務が果たせないんですから。

で、ここで、冒頭の「育成の方法論」の話になります。怒ったらだめ、優しく教えろ。教えるんじゃなくて、気付くように仕向けろ。自分で考えさせるために、答えじゃなくてプロセスを伝えるんだ。などなど、流派は無数にあります。少なく見積もっても、南斗聖拳くらいはあります。

ただ、そんなのケースバイケースですよね。仕事の種類や質にも依りますし、プロジェクトの状況にも依ります。また、教える側のキャラクターにも、教えられる側の性格にも依ります。

性格やキャラクターの話も、めちゃめちゃデカいんですが、シチュエーションの話だけでも大変な話ですよ。銃弾飛び交う戦場で話してるのか、ビーチでピナコラーダ飲みながら話してるのかで、とりうるコミュニーケーションの種類って変わるでしょ?良いとか悪いとかじゃなくて。理想がどうだとかじゃなくて。

なので、まぁ、どういう育て方がいいか、はケースバイケースで考えていけばいいんです。子育てと同じです。正解なんてないんです。まぁ、ぼく、子育てしたことないんですけど。

では、どうするのか?

ぼくの答えはシンプルです。ギアチェンジしたかどうかを確認する。以上。

ギアが変わる=本気になって自分事で動くこと

ギアチェンジってのは、本気になることです。自分ごとになる、とかいうマインド的な話でもいいですし、言われなくても先回りして勝手に考え始める、とかいう行動面の話でもいいんですけど、とにかく「ガチでスイッチ入れて走り始める」のがギアチェンジです。

自分で考えて動く、自律的、自立的、自走する、そういうやつです。

僕らにできるのは、ギアを変える必要があるよ!と伝えることです。

そもそも、アクセルの踏み方足りてないよ。ってケースもありますよね。そういう人は、「アクセル踏む必要を感じてない」だったりするんで、そこからしっかりと伝えた方がいいケースはあるでしょう。

ただ、ぼくがお会いする若手の皆さんは、丁度よいギアが入ってないから(あるいは、ニュートラルになってるから)、せっかくの努力がエンジンの空ぶかしになってるって感じがします。手を抜いてるわけでもなく、頑張ってアクセルを踏んでるんだけど、前に進んでない。せっかくのエンジンの回転数が推進力に繋がってない感じです。

そういう人に「ギアチェンジしなさい。力の伝え方を考えなさい。」とお伝えするのが、ぼくの役割なんじゃないかと思ってます。

たとえば「だらだらと一晩考えました」より「2時間ガチンコで集中して考えた」の方が良いケースは多いんですよね。
「言われたこと10個を、とりあえず全部やりました」より「言われたこと10個を整理して、なぜ言われたのかを含めて考えた結果、やるべきことは15個に増えました。もともと言われたことは、まだ6個しかできていませんが、追加の5個についてご相談させてください」の方が良いケースも多い。

ギアを変えたら、あとは良い感じで走るんですよ。彼ら、性能がめっちゃ良いんで。

もちろん、ぼくの指導方法がフィットしない人もいるだろうけど、ぼくの中では手を替え品を替え「ギアチェンジの必要性」と「具体的なギアチェンジ後の理想形」を伝えてるんですよね。

こうして書いている、一連のnoteも、彼らに伝えたことをまとめ直して形式知化したり、まだきちんと言語化されていないものをここに書いてみることで彼らに「テクニック」として伝えられたりする気がしてるんですよね。

手段が何であれ、彼らがギアを変えるお手伝いをしていくことが、チーム力を上げるための最良の打ち手だと思うんです。

良き「人生の先輩」でありたいよね

正直なところ、上司と部下ってのは役割分担に過ぎないと思うんですよ。上司が偉いのは、経験豊富で、判断ができるから。

で、多くの場合、上司の方が年齢も上なので、業務経験に加えて、人生経験が長いんですよね。だから、いろいろ失敗したり、成功のコツを感じたりしてることがある。

それを、うまく伝える、これしかないんですよね。

恐怖政治で鍛えても、優しい先生キャラで育ててもいいんですよ。ただ、うまくテクニックを伝えて、相手にしみこませる。それだけです。

その過程において、人間関係とか信頼関係とかいうやつがちゃんとできていれば、若手・後輩のギアが変わって超高速で走るようになった後に、しれっと見切りを付けられて辞めちゃう、ってことが減ります。

育成コストって、本当に半端ないものなので、一生なんて言わないけれど、一人前になってから、せめて2-3年くらいは所属組織に貢献してくれると、最高かなぁとは思います。

ただ、勘違いしちゃいけないのは、ギアを変えて、成長したのは若手個人の力であって、僕らは後押ししたに過ぎない、ってことです。だから、育成期間においては、どれだけ強い上下関係であったとしても、一人前になったら即座に「対等な人間関係」に切り替えるべきです。これは、間違いない。

彼らのギアチェンジに合わせて、僕らは僕らで「鬼教官」から、「戦場で背中を預けるバディ」にギアチェンジすることが大事です。

ここで、いつまでもミソッカス扱いをしていると、尊敬すべき人生の先輩になれません。後輩の方が優秀ってことは、本当に世の中多いんですよね。「負うた子に教えられる」って未来がすぐ目の前にあります。せめて「年寄り笑うな行く道を」と思ってもらえるような、可愛げのある先輩として生きていきたいものですよね。

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