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エドゥアール・マネ / メトロポリタン美術館
【英文法の小径】過去進行形〈時制〉その五
I wondered if you could help me.
これは、‘wondered’ と動詞の形は〈過去形〉だけれど、目の前の相手に何かをしてもらいたいときに使う文だ。それなら 'I wonder' と〈現在形〉でいいのではないか。
I wonder if you can help me.
もちろん、これでもいいのです。「手を貸してもらえないでしょうか」。ただ、現在のことであっても〈過去形〉を用いたほうが丁寧になることがあるのは、英語でも日本語でも同じです。冒頭の文も「手を貸していただけないかと思ったものですから」といったところか。
人にものごとを頼むときは、ストレートではない、遠回しの言い方のほうが丁寧になります。ところで、過去というのは、話をしている時点である今現在から見ると、距離、隔たりを感じさせます。この遠さが丁寧さを生み出すことになるのでしょう。
I was wondering if you could help me.
今度は ‘was wondering’ と〈過去進行形〉だ。依頼文で〈進行形〉を用いると、話し手の希望が一時的なものであることを示唆するため、丁寧な言い方になります(現在進行形・その十)が、〈過去進行形〉にすると〈過去形〉プラス〈進行形〉ということで丁寧さが2倍になるのです。「手を貸していただけないかなどと思ったりしたものですから」(少しくどいか)
いわゆる尊敬語や謙譲語のようなものとは異なりますが、英語にも丁寧な表現がいろいろとあるようです。
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