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【英文法の小径】現在完了進行形〈時制〉その四

I’ve been living with my parents for the last month.

この文の live は状態を表す動詞。状態動詞の〈現在完了形〉は継続を表わしますが、期間の限られた、一時的な状態について述べるときには〈現在完了進行形〉を選ぶことが多いです。話し手の実家暮らしは、この一ヶ月間のことだ。

My parents have lived here all their lives.
一方、長期間に及ぶ永続的な状態について話すときは〈現在完了形〉の方が
好まれます。all my life はいわゆる「生まれてこの方」ですが、この文の ‘all their lives’ はもちろん、「両親の結婚生活が始まってから今まで」の期間を指します。

I've studied / I've been studying English for six years.

study English のような行為を表わす動詞の場合も状態動詞と同じです。英語を勉強することには、予め決まっている結果をもたらすような終点がない。少なくとも現実上の限界などを考えなければ、無限に続く。こういう行為については、〈現在完了進行形〉だけでなく〈現在完了形〉も継続を表します。両者のちがいはわずかで、〈現在完了進行形〉は継続の意味を強調することになります。

ちなみに、この have studied と have been studying のちがいをめぐっては、アメリカ人のネイティブスピーカーが自著の中で、次のように述べています。

現在完了形の場合でも、行動のもっと鮮明な、生き生きとした描写のほしいときは、進行形を使えばよいのである。

マーク・ピーターセン著『日本人の英語』(岩波書店、1988年)、p.106

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