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【英文法の小径】未来表現・その十二

未来のことについて述べるときに〈現在形〉を用いることがあることは、以前の記事(未来表現・その五)でも取り上げました。

今回は、〈現在形〉が未来の時を指す場合に関する、よく知られたルールの確認です。

時や条件の副詞節の中では、未来のことでも現在形を用いて表わす

 I’ll call you when I get home from work.

帰宅したら電話をすることを伝えている文。さて、副詞節とは「従属節の一つで副詞の働きをするもの」、そして従属節とは「先頭に節をまとめる語句があるもの」のことをいう(主節と従属節)。

なので、上の文で、'when' ではじまる [when I get home from work] という節が従属節であることはいいとして、問題は [when I get home from work] が副詞節であるかどうか。

この節の文の中での働きを考えてみると、相手に電話をする('call you')という行為が行われるのはいつなのか、という時に関する情報を付け加えている、言い換えると、動詞について詳しく説明している(=修飾している)ので、確かに副詞の働きをしていることがわかる。

よって、先のルールが適用されて、未来のことでも ‘when I’ll get home’ ではなく ‘when I get home’ と現在形を使っている。

一方、主節である [I’ll phone you] の方は〈will + 原形〉という未来表現を用いて、この場合は話し手の意志を表している。このように、先のルールが適用される文では、主節の述語動詞は〈will + 原形〉となるのが典型的な形である。

Wait here until I come back.

この文も、明らかに未来のことを表している副詞節の [until I come back] では、先のルールが適用されて、述語動詞に〈現在形〉が使われているが、主節の [wait here] の方は〈will + 原形〉となっていない。

この例のように、主節の述語動詞に形式的には未来表現が用いられない(代わりに、この例では命令文をはじめる動詞の原形が用いられている)こともありますが、その場合でも意味的には未来のことに言及していることに変わりはありません。

I’ll come back home after I’ve done the shopping. 

先のルールに準じて、時や条件の副詞節の中では[will have + 過去分詞](未来完了形)の代わりに[have/has + 過去分詞](現在完了形)を用いることもありますが、これは完了の意味を表わすためです。上の文のような例では、'after' ではじまる副詞節に〈現在完了形〉ではなく ‘after I do the shopping’ と〈現在形〉を用いても同じです。

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