【英文法の小径】現在完了形〈時制〉その四
The director has made more than 50 films.
この映画監督は現在、まだ現役なのか、それともすでに引退しているのか。
‘has made’ と〈現在完了形〉が使われている。この述語動詞の形が指し示すのは、過去のある時から現在までという幅のある時間。冒頭の文の場合、彼の映画監督としてのキャリアが始まってから今までということ。そして、この期間に彼が監督を務めた映画の数は50本を超えると言っている。つまり、監督としてのキャリアはまだ終わっていない、これからも彼は映画をつくっていくことだろう。
もし、引退した映画監督について話すのであれば、監督してのキャリアは終わっている=もう映画をつくることはないので、現在とは関係のない=つながりのない過去の事実として述べる、つまり、〈過去形〉を用いることになります。
The director made a lot of films in his long career.
Have you been to see the Paul Cézanne exhibition?
セザンヌ展は今でも開催中のようだ。”have you been” と〈現在完了形〉が使われている。ひょっとしたらまだ訪れていない相手が、これから見に行くチャンスが残されている。セザンヌ展がもう終了してるときには〈過去形〉が適切だ(この文の 'been' については現在完了形・その五を参照)。
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